17話 自己満足じゃなかった
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ぼくは、神楽偉月。
小学三年生で、毎日学校に通う日々を送っている。
…でも、全然つまんない!勉強も、同級生と喋るのも!
算数は今、割り算あたりを習ってるけど、いや、できるし!
小数点とか分数も分かるし!てか教え方が下手くそ!
先生、ぼくの方が絶対上手く、簡単に説明できる自信あるよ?!
そんな回り道して教えたらみんな嫌になっちゃうよ。
…まぁ、公立だから仕方ないか…。
お母さんに「小学受験したい!」って言ったけど、
やらせてもらえなくて……。あーつまんないなぁ…。
友達との会話だってつまんない。
ぼくが好きなゲームの話をしてる時あるけど、
例えばFPS、話聞いてるだけで立ち回りが下手くそ。
だから、適当に、
「へぇ〜、〇〇くんってゲーム上手いんだね!」
…とか言ってる。小3で人の話聞いて、
褒めれるって中々できないことだと思うよ?
だって、みんな自分に必死で自分が大好きだから、
例えばぼくが楽しかった話をしても、
「へぇ〜そうだ!聞いてよ!ゲームでレベル上がった!」
とか繋げる奴らが大半だからね。
後々、下ネタがくだらなすぎる。
そんなので笑うの?幼稚すぎるでしょ。…いや幼稚か。
ぼくはディープで大人な下ネタが好き。
███とか███とか███とか███(省略)
なんかぼくを楽しませてくれる人はいないかなぁ〜って、
探してたの。そしたらね、
遊びがいがありそうな人を見つけたの!
その人は明らか根暗、陰キャの人種。
…でも、大人っぽい、何だか惹かれちゃう…。
その人は下校中みたいだ。…今、19時だけど?
姿を見る感じ、高校生…。こんな時間まで学校にいたの…?
「お兄ちゃん、こんばんは!」
「こ、こんばんは…どうしたの、君、小学生だよね?
こんな時間まで外にいたら、ママに怒られちゃうよ。」
ぼくは「お兄ちゃんこそ!」
って言おうと思ったけど留まった。顔にアザが…。
そういうことか。…お互い孤独同士、いいじゃないか。
「お兄ちゃん!ぼくと友達になって!」
「ぅえ、べ、別にいいけど…。
君とかなり年齢離れてると思うけど…?」
「ぼく、大人と話してる方が話合うんだ、
だから、お願い!あと名前教えて、ぼくは偉月ね。」
「まぁ、いいよ…よろしくね、偉月くん。
自分はね…野花藍霧、だよ。」
「じゃあ藍霧兄ちゃん!よろしく〜」
それからぼくの人生は楽しくなった。
藍霧兄ちゃんが通る時間帯に待ち伏せして
捕まえて、色んな話をした。藍霧兄ちゃんは理想すぎる。
会話のキャッチボールが出来るというか…。
話していてすごく楽しい。
スマホで連絡を交換し、メールでも喋るようになった。
そして、ぼくの部屋でゲームに付き合ってもらう…いや、
あれ、明らか藍霧兄ちゃんがぼくのサンドバッグ状態だけど
一緒にゲームもたくさんした。
一人でずっとやり込んでいた数々のゲームを、
藍霧兄ちゃんと一緒にできてとても楽しかった。
あれからかなり時が経った。
相変わらず藍霧兄ちゃんと過ごす日々は楽しいよ。
…でも、昨日が楽しい日々の終わりだったなんて、
この時のぼくは知らなかった____
今日は藍霧兄ちゃんのことを待ち伏せしていた。
そうしたら、後ろから2人の男子高校生に
いきなり抱えあげられ、抵抗したが、
ここは頭脳、では乗り切れる場面ではなかった。
ぼくは無理やり車に乗せられ、…着いた場所は海だった。
何を言い出すかと思えば、
「野花藍霧を殺してほしい」…バカじゃねえの?
こいつらは藍霧兄ちゃんをいじめているヤツら。
まぁいじめられてるのは知ってたよ。初めて会った時から。
あえて触れなかったよ。嫌な思いするかもだから。
でもぼくは助けてあげることができない。
だからせめて、ぼくと一緒にいて、
その時間を忘れて楽しんでくれたらなって思ってた。
藍霧兄ちゃんを殺す予定はなかったけど、
藍霧兄ちゃんがぼくと仲良いことを知り、
こいつらは唯一仲のいい、信じていたぼくに
殺されたら絶望するんじゃね?って考えらしい。
…本当に馬鹿げている。
「そんなこと、するわけないじゃん。最低だね、あんたら。」
…と言った瞬間。そいつらが近づいてきたと思ったら、
ぼくを担ぎあげて……海に僕の体をぶん投げた。
服着てるし、泳ぐの無理だし、
藻掻くとどんどん体が沈んでいく。
苦し、い…憎い…アイツらは人間の皮を被った悪魔だ。
最期には、聞きたくもない、
水中からでも聞こえるアイツらの笑い声だった______
地球「神楽偉月…。…!偉月くん?!ねぇ、君なの…?」
月「だからそう言ってんじゃん…藍霧兄ちゃん…。」
地球「心配していたの、いきなり姿も見なくなったし、
連絡もつかなくて、お母さんに聞いても知らないって…。」
月「お母さんに関してはあえて言わなかったんだろうね。
お母さんなりの優しさだと思う…でも、死んだこと、知っていてほしかったなぁ…!藍霧兄ちゃんの……ばかぁ!!」
月くん…偉月くんの目から大粒の涙が流れ落ちる。
初めて偉月くんが泣いているところを見た。
…今まで、自分のために耐えてくれていたんだ…。
自分は偉月くんを抱きしめる。
地球「ごめんね…自分のせいで酷い目に遭って…。」
いつの間にか、自分も泣いていた。
地球「偉月くんが、自分の辛いことを忘れさせようと、
楽しませてくれようとしてたの、分かっていたよ…!
すっごく楽しかった…!あの時は辛いこと全部忘れられた…」
月「…!ありがとう…、ぼくも楽しかったの…。
自己満足だけじゃなくて……良かったぁ……。」
それからしばらく、2人で一緒に泣いて、落ち着いた頃、
無言の時間が流れる。…今しかない。
自分は初めて自分から偉月くんに…。
月「?!…え、あ」
月くん…偉月くんにちゅーをした。
地球「いつも…月くんから…
偉月くんからばっかりだったから…。
じ、自分からもしないとなって!お返し!大好きだよ!」
月「……!…ありがとう…地球……藍霧兄ちゃん…。」
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…自惚れかもですが、最後らへん、うるっときました




