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みかん婚約破棄

掲載日:2026/04/30


 王子は、リリアの皿を見た。


「おまえ、みかんの白い皮をむかないのだな」


「はい。面倒なので」


 舞踏会が静まり返った。


 王子は、勝ち誇った顔で言った。


「婚約破棄だ」


 理由がくだらなすぎて、誰も止めなかった。


 リリアは、手の中のみかんを見た。


 白い皮をむかない。

 ただそれだけで、捨てられるらしい。


 なら、もういい。


「うざ」


 リリアは、みかんを外皮ごと噛んだ。


 ばりっ。


 会場に悲鳴が上がった。


「白い皮どころか、外の皮まで!?」


「なんという悪役令嬢……!」


 王子が青ざめた。


「おまえ、自分が何をしているのかわかっているのか!」


「はい。みかんを食べています」


「皮ごとだぞ!」


「悪役令嬢なので」


 そのとき、隣国の皇太子が立ち上がった。


 彼はリリアの前でひざまずいた。


「美しい」


「え」


「白い皮どころか、外の皮まで受け入れる君が好きだ」


 会場がざわめいた。


「みかんを皮ごと食べる令嬢に求婚を!?」


「隣国では、あれが美徳なのか!?」


 皇太子は、リリアだけを見ていた。


「結婚してくれ」


 王子が震えた。


「ばかな……白い皮をむかない女に、価値が……?」


 リリアは二個目のみかんを手に取った。


 もう、むかない。


 白い皮も。

 外の皮も。

 元婚約者の顔色も。


 リリアは王子に言った。


「もう遅いです」


 ばりっ。


おわり

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