表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄に堕ちた公爵令嬢〜裏切りと婚約破棄の復讐につき、あなたを殺します〜  作者: 久方久米


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/20

第5話『暗殺計画』


 ルーカスが何やら上機嫌だ。


 なんて不気味なんだろう。


 話しかけるべきか。


 見なかったことにしてこの場を去るか。


 実に悩ましいものである。


 ヴァルとの話し合いも終わった。


 ケガ人の手当てがある。


 そう言って席を外したんだ。


 以外と仲間思いなんだな。


 関心してしまったじゃないか。


 そして、ヴァルが席を外したすぐのこと。


 私が困っているって状況だ。


 ことが上手くいって、そんなに嬉しいかルーカス。


 どうせ、共闘になるって分かっていたんでしょ。


 思惑通りそうなりましたよ。


 満足だから上機嫌なんだ。


 なんか鼻につくな。


 このまま、相手しないようにしておくか……。


 さすがに可哀想か。


 どうせ、今は私に出来ることなんか無い。


 ルーカスと話しをしよう。


 「私が参謀なんですって」


 「良かったじゃないか」


 「狙ってたんでしょ?」


 「アリスが決めたことじゃないか」


 「口出しはしないって言ってたものね」


 「その通り。アリスが決めた選択だ」


 「参謀ってきっと難しいわよね」


 「残酷な命令を時には、しなきゃならない」


 「……ちゃんとやるわ」


 「応援しているよ」


 やはり、本質は見抜いていた。


 どこまで策士なんだルーカスって奴は……。


 私よりもよっぽど参謀に向いているだろう。


 文句を垂れても仕方ない。


 代わりなんていない。


 私なんだ。


 私がやらなきゃならない。


 私の成すべきことが、また一つ増えてしまった。


 だけど不思議なものだ。


 ルーカスは顔が広いんだなってつくづく思う。


 貴族連中じゃ飽き足らず、反乱軍のヴァルとも知り合い。


 良いやつだって笑って言っていた。


 人を惹きつける力って言うのかな。


 ルーカスには、それがある。


 私もそうありたい。


 この先、国王と戦争をするんだ。


 それぐらい出来ないでどうする。


 死んでくれ、なんて命令をしたくない。


 そうならない為に私はもっと知る必要がある。


 誰も失わない戦い方とその術。


 しばらくは、ヴァルやルーカスに頼るだろう。


 強くなってみせるから。


 新しい挑戦。


 迷いなく進むべき。


 心に響くよう私自身に言い聞かせる。


 欲しいものは、復讐のその先。


 かつて失った二度と返って来ない幸せを追い求めて。


 気持ちを切り替えて次に進む。


 私が参謀として出来ること。


 標的は変わらない。


 それでいて最も崩しやすい相手。


 ──マリアだな。


 私を裏切った幼馴染。


 裏で私を嵌める工作をしていた。


 あるいは、協力者だったのか。


 今となっては、どうでも良いか。


 ガゼル殺害の犯人も分かってないんだ。


 付け入る隙は充分にあるはず。


 マリアを殺せば、私の復讐にまた一歩繋がる。


 だけど、私一人の意見は不安だ。


 この計画は、入念にヴァルと打ち合わせをしよう。


 ルーカスは、机に座り義肢の作成に取り掛かっていた。


 さっきまでの腑抜けた様子じゃない。


 邪魔にならないよう、ヴァルが帰るのを待つことにする。


 「手当ても無事終わった。こっから少し休息だな」


 ヴァルが戻ってきた。


 酷く疲れているな。


 こんな時に計画の話しをして良いものだろうか。


 気を使ってしまう。


 逆に話さないのはマズいかな!?


 なんて切り出したら良いか分からなくなる。


 「話しがあるんだろ」


 切り出したのは、ヴァルからだった。


 焦りが顔に出ていたか。


 結局は、気を使わせてしまったな。


 どうせなら遠慮はいらない。


 共に共闘を誓った仲だ。


 「ヴァルにはお見通しなのね」


 「アリスは分かりやすいからな」


 「恥ずかしいこと言わないで!」


 「まぁ……いいか。本題はなんだ?」


 「これからの作戦についてよ」


 「だと思ったぜ。話してみろよ」


 ──マリア暗殺計画。


 そのフィードバックが欲しい。


 それが、成功出来るのか。


 成功した場合のメリット。


 失敗した場合のリスク。


 戦うのは、もちろんヴァルが率いる反乱軍。


 私は問わなければならない。


 今後、私たちが有利になるか否かを。


 「標的をマリアという貴族に絞りたい」


 「マリア……だと!?」


 「なによ、知っているの?」


 「知ってるも何もない。マリアは国王の実の娘なんだ」


 「──国王の娘!?」


 知らなかった。


 私にマリアのことで知らないことがあったなんて。


 隠していたらしい。


 それは何のためか。


 容易に想像出来てしまった。


 不自然な冤罪に婚約破棄。


 最初から仕組まれていたんだ。


 用意周到なこと。


 私の処分は最初から決まっていた。


 元々は、国王ぐるみの卑劣な罠ってことよね。


 動揺はしたけど、これでようやく腑に落ちた。


 「何だよ顔が引きつってるぜ?」


 「いや……何でもない。話しを続けるわ」


 「マリア暗殺計画か。それは俺たちにとっても悲願だ」


 「なら決まりよね。早速どう殺すか──」


 「──悲願だが、無理な相談だ」


 「……何よ怖気づいたの?」


 「違うそうじゃない。勝てないと言っているんだ」


 「たかが女一人殺せないなんてことないでしょ」


 「相手が国王の娘ってのを忘れんな」


 「どういうことよ」


 「──戦争になればウチが全滅する」


 キッパリと言い放った。


 負けるなんてことがあり得るか。


 国王の娘とはいえ、たかが争いも知らない女。


 それに負けるってのか理解出来ない。


 何故、勝てないのか。


 その答えをヴァルが語る。


 この反乱軍の脆弱さ。


 どの部隊にここまで不利な状況に陥っているのか。


 ──その訳の全てを。


 「国王の娘には権限があるんだよ」


 「どんな権限なの?」


 「小隊一つ、中隊一つ。好きに動かせるんだ」


 「何よ……その小隊だの中隊だのってやつは」


 ヴァルが呆れながら、渋々説明してくれた。


 つまり、こういうことらしい。


 国王軍には小隊、中隊に、大隊がある。


 小隊一つに三百ほどの兵士。


 中隊一つに千人ほど。


 大隊にもなれば、一万を超えるほどの戦力になる。


 今の反乱軍では、小隊にすら歯が立たないのが現状。


 それらを束ねた精鋭部隊。


 それが国王軍。


 万に一つも勝ち目はない。


 小隊だけでもそれほどの戦力なのか。


 マリアとすら戦いにならないなんて……。


 これでは死ねと命令するもんだ。


 私の浅はかな考えに嫌気がさした。


 「ごめんなさい……少し考え直す」


 「いや……案外悪くないかもな」


 「負け戦を許容するほど私もバカじゃない!」


 「間違えているのはアリスだ」


 「間違えている?」


 「今のままじゃ勝てないさ。戦力だって揃えられん」


 「じゃあ……どうするのよ」


 「俺たちも少数精鋭で戦うしかねぇーだろ」


 「──少数精鋭!?」


 「俺たち反乱軍もまだ戦いに臨める状況じゃない」


 「そんなこと分かっているわ」


 「だから、今のうちに仲間を集めてこい」


 「──急に仲間ですって!?」


 「凄腕のヒーラーとタンクが欲しい」


 「ちょっと待ってよ。そんなの都合よくいる訳ない!」


 「なら、諦めんのか?」


 「……その二人がいれば勝てるのよね」


 「小隊相手なら五分になるだろうよ」


 それでも勝率は50%なのか。


 次に繰り出す部隊が中隊の可能性もある。


 まさに命を賭けたギャンブルだ。


 凄腕のヒーラーなんているんだろうか。


 ましては、タンクなんて……。


 タンクに関しては、別に役職にこだわっている感じじゃなかったけど……。


 ヒーラーは、絶対に必要よね。


 反乱軍の生命線になり得る。


 死人だって出さなくて済む。


 そんなことが私に出来るのか!?


 いや、違うな。


 しなきゃならないんだ。


 この戦いに勝つには、マリアという牙城は堕としたい。


 無理でもやってやる。


 時間は……待ってはくれないんだ。



お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、『ブックマーク』と下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


評価ボタンは、モチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!


※感想、レビュー等、お気軽にお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↑の☆☆☆☆☆を押して頂けると執筆の励みになります!!! 応援のほどよろしくお願いします。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ