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詐欺師の眼に映る船員たち

ベルナルドの独白。短め。

心の声なので、普段の軽い口調ではなく素に近いです。

この船の船長は、来る者を拒まないらしい。

「乗りたい」という意志があれば、少なくとも仮の船員にはなれる。

最終的には船主の許可がないと乗れないらしいが、今のところ落とされた奴はいないようだ。


俺なんかを認めた時点で、本当にその試験に意味があるのか疑問だけど。

まあ、こっちとしては好都合だからどうでもいい。


それにしても、船長は随分と珍しい人間を引き入れるみたいだ。


無表情で、黄金色(きんいろ)の瞳をした妙に体力のある女の子。

やたら図体のでかい用心棒。

ビクついてばかりなのに、天気を読むのだけは天才的な航海士。


そして、詐欺師の俺。


まあ、詐欺師ってことは明かしてないけどさ。

変わった人間乗せ過ぎだって。


そうかと思えば、更にとんでもない人間を連れてきた。


俺の記憶が正しければ、あれって暗殺されたアルナゼル王国の王子様じゃない?

実は生きてるらしいって噂は聞いてたけど、まさかの本人。

やたら綺麗な顔した従者が傍にいるし、これ確定だろ。


しかも、稀有な魔獣まで連れてる。

来るもの拒まずにも程がある。

厄介事の予感しかしない。


それに……船長があの王子を見る目。

惚れてるってわけじゃなさそうだけど、なんか意味ありげ。

仕事に支障が出たら面倒だ。

――こっちに釘、刺しとくか。


「船長に変な気、起こさないでね。俺が口説いてる最中だから」


そう言うと、言葉に詰まってた。

図星とかそういう感じじゃなくて、どちらかと言えば俺の迫力に押された感じ。

そんなタイプだった?

前に王国で見かけた時は、もっと堂々としてて、あまり動じない雰囲気に見えたけどな。

何かちょっと、弱々しいと言うか——幼い?

本気で訳アリっぽい。


「……それは要らぬ心配だ。そんな事よりヘリオスから離れろ」


おっと、すごい鋭い目つきで睨まれた。

美人が睨むと迫力あるな。

……男に美人はおかしいが、こいつはそう呼んだ方が自然だ。


まあ、俺としては仕事を邪魔されなければ何でもいい。

こいつらもマルヴァスの「お楽しみ」に巻き込まれるだろうけど、それはお気の毒ってことで。

運が悪かった、それだけだ。


かと思ったら、更にとんでもない奴まで乗ってきた。

グレイシャ帝国で仕事した時に、見たことある。

皇帝陛下の側近をしてる魔術師だ。


港で船長と言い争いしたことにも驚いたけど、まさか船員になるとはね。

海賊全否定の国の人間が海賊船に乗ったらまずいんじゃないか?

売り渡す目的じゃなさそうだけど、変な事しようとしたら止めるしかない。


ただ、俺の魔力の異質さを見抜かれた時はちょっとだけ驚いた。

見えてる……って、マジか。

聞いたことないぞ?そんなの。


とはいえ俺の能力もかなり稀なもんだし、知られてない異能は色々とあるんだろうな。

この魔術師について、少し調べておく必要がありそうだ。


——それから。


こいつには、他にも厄介な面がある。

唯一、船長と口喧嘩をするってこと。

お互いの印象は今のところ最悪って感じだけど、多分嫌ってるわけじゃない。


船長が靡くことはないと思うけど、邪魔されるのは癪に障る。




なんか、想像以上に面倒な依頼を受けたんじゃないか?俺は。


……まあいい。退屈しないのは確かだ。



ベルナルドは、各国で“仕事”をしてきた過去があるため、要人の顔や名前にはそれなりに精通しています。

もっとも、仕事に直接関わらない部分については表面上しか知りません。

けれども、いざ必要となれば、裏社会を通じた独自の情報網を使ってすぐに調べることができます。

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