クリスマスパーティがしたい!
※イベント回のため、ノクスとルナリアが同じ空間にいる点は深く考えずにお楽しみください。
「クリスマスパーティしましょう」
談話室に唐突に響いたその声に、一同の動きが止まった。
書類を眺めていた者、椅子にもたれて休んでいた者、それぞれが一斉に顔を上げ、声の主へと視線を向ける。
「クリスマスパーティ?」
「そう。さっき街に降りたらね、街中がキラキラしててきれいだったのよ!」
シオンは両手を軽く広げ、目を輝かせながら身振り手振りで説明する。
楽しさが抑えきれないのか、声の調子もいつもより弾んでいた。
「聞いたら、今日は“クリスマス”って言う日らしくて。だからやりましょう」
「……なるほど」
首を傾げながらも、話を遮らずに聞いていたカルロが、慎重に口を開く。
「けど、具体的に何をするんだ?」
問いかけられたシオンは一瞬考え込むように視線を宙に彷徨わせ、街の人の言葉を思い出すように口元に指を添えた。
次の瞬間、ぱっと表情を明るくして言う。
「えっと、確か大きな木に飾り付けして、チキンとケーキを食べるって聞いたわ」
「大雑把だな……」
ソファに深く腰掛けたノクスが、腕を組んだままぼそりと呟く。
その声音に、シオンが即座に振り返った。
「何よ、その言い方。じゃあ、あんたは知ってるの?」
ムッとした表情で睨みつけられ、ノクスは肩をすくめる。
「詳しくはねぇけど、何かズレてんのはわかるんだよ」
「帝国にはそういうイベントとかないの?」
間に入るようにヘリオスが穏やかに尋ねると、ノクスは小さく息を吐いて答えた。
「この時期にあるのは慰霊祭だな。国を上げたイベントだが、盛り上がるためのモンじゃねぇ」
「色々と違うんだね」
ヘリオスは納得したように頷き、場に一瞬、静かな間が落ちる。
その空気を察したのか、ベルナルドが軽く手を叩いた。
「まあ、いいんじゃない?国によって解釈も違ったりするし、船長の好きなようにしたら」
柔らかな笑みを向けられ、シオンはふっと肩の力を抜いて頷く。
「そうよね。楽しければいいのよ」
「パーティとなると……食材が足りないかもしれません」
静かに呟いたルナリアの声に、シュゼルが視線を向ける。
「必要なものがあれば買いに行く。特に、ケーキの材料は追加購入が必須だろう」
「そういえば……貴方も作れるんですよね」
ルナリアの問いに、シュゼルは表情を変えずに答える。
「ヘリオスが甘いものを好むからな、当然だ」
「わかります。私も船長の好みに合わせて、一通りは作れるようになりました」
当然とは何か、という無言のツッコミが数人の間を流れたが、誰も口には出さなかった。
シュゼルとルナリアは自然な流れでメニューの相談を始める。
普段淡々としている二人がパーティの準備に乗り気というのも、なかなか珍しい光景だ。
――表情は相変わらず、変わらないが。
「ルナがやる気になってくれてる……!」
様子を見ていたシオンが、少し嬉しそうに声を弾ませる。
「ルナの料理やお菓子、めちゃくちゃおいしいのよ」
「シュゼルも作ってくれるんだ。楽しみだなぁ」
当のヘリオスは、和やかな笑顔で頷きながら呟き、シオンと顔を見合わせていた。
「飾り付けは雑貨屋にありそうですよね」
レイジが前のめりになって話に加わる。
「カグルでは中央広場にツリーがあったんで、イメージは分かりますよ!」
「じゃあ、料理班と飾り付け班に分かれて準備しましょう。夜までに間に合わせるわよ!」
シオンの号令に、全員がそれぞれ小さく頷く。
誰一人反対する者はいなかった。
ノクスすら、めんどくさそうな顔はしていたが、手伝う気はあるようだ。
ガーネット号の夜は、いつもより少しだけ賑やかになりそうだった。
【もし、プレゼント交換があったとしたら】
シオン「これ、誰からのプレゼント?ガラス玉かしら……」
レイジ「キラキラしてますね」
ノクス「露店で売ってたから、適当に買ったんだが」
シオン「言い方!」
ノクス「で、経時回復魔術を付与しといた」
カルロ「魔道具!?」
レイジ「それってかなり高価なんじゃ……」
ノクス「最大体力の約1%が毎分回復する程度だぞ。んな大層なもんじゃねぇ」
ヘリオス「付与魔術を使える人自体が希少なんじゃなかったっけ……?」
ベルナルド「一気に数千倍の価値がついたねぇ」
シュゼル「相変わらずだな」
魔道具として込められる魔力量は
ガラス玉 <<<< 宝石 < 水晶 <<<<<<<<< 魔晶石
です。
今回のものは、ガラス玉に付与できる最大効果でした。




