表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見る少年と未羽化の蝶  作者: 桜 みゆき
間章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/54

先に巣立った彼は咲わない娘に魅せられて1

「ルーク、お前に一つ課題を与える」

 静かな部屋に、厳かな男の声が落ちた。

 ついに来たかとルークはごくりと唾を飲み込んで、男――父の言葉を待つ。

「後継者指名の最終試験だ。この商会における、次の売れ筋商品を見つけてきなさい」

「はい」

 ルーク――蝶の国で知らぬものはいないオドラー商会唯一の跡取り息子は、神妙な顔で父の言葉に頷いた。




「――とはいえだよ。そうないわけ、次のヒット商品なんて」

 ルークは爪楊枝を噛みながら、酒の入ったグラスの氷をくるくるとかき混ぜつつぼやいた。

「はあ……、大変そうだな……?」

 対面にいるのは、アカデミー時代からの友人二人。気のない返事をしたのは、少し長い金茶の髪を後ろで一つにまとめた青年レンだ。

 もう一人の、短い黒髪をした大人しそうな青年ファルは、怪訝な顔をする。

「……僕としては、君が大商会の跡取りっていうのが、未だに信じらんないんだけど」

「確かに!」

「え、ひどっ……」

 わざとらしく傷付いたような表情をつくるルークに、二人がケラケラと笑った。それを見て、ルークも堪えきれずにその笑いに追従する。

 何も問題は解決していないが、懐かしい空気に強ばりが解れていく気がした。

 アカデミーの通常課程を卒業してから三年。

 上流課程へ進んだ彼らとは、こうして会える機会は当然減ってしまい、急に昔を懐かしく思える。

「――あ」

 その時ふと記憶が浮かび上がり、ルークは声を上げていた。

 二人が不思議そうな顔でこちらを見る。

「どうかしたか?」

「何とかなりそうかも」

 レンの問いに、ルークはニヤリと笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ