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僕のヒーローは泣かない  作者: 人畜 有害
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1.いつもの日常

初投稿失礼します。

拙いところが多々あると思いますがお手柔らかにお願い致します。

 2022年9月8日木曜日。夏休みが終わり少し経った頃の事だった。そんな中、僕がしている事と言えば毎朝の日課であるランニング…もとい学校までの全力疾走である。なぜ僕がこんな事をしなければならないのか。そんな分かりきった事を考えながら走る。街の人にガン見されるのもこの半年間で慣れたものだ。朝早く起きないのが悪いと言われるがちゃんと起こしてくれない目覚まし時計たちが悪いと言い返してやるね。とまあそんなどうでも良い事を考えていると目的の場所が見えてきた。今日は珍しく間に合いそうだ。堂々と正門を通る。するとすぐに行く手を阻むものが現れた。

「おはよう、奏。今日は、間に合ったわね。

でも、生徒会副会長としては遅刻だからね。」

「おはよう、ハル姉。挨拶運動お疲れ様です。」

生徒会の腕章を付けた彼女は何を隠そう僕の目覚まし時計その1、又の名を西園寺 遥。僕の姉である。この学校の3年生で生徒会長をしている。黒髪ロングのthe生徒会長という感じだ。実の姉に対して目覚まし時計とは何事かと思う人がいるかも知れないが口に出して無いので許して欲しい。

「お姉ちゃんが目覚まし時計その1なら、私はその2って事?お兄ちゃん調子に乗らないでよ。」

目覚まし時計その1よりも甲高い声が響く。

「誰が麗しのお姉様にそんな事言うか。」

「その眠そうで冴えない顔に書いてあるよ。」

どんな顔だよそれ、一度でいいから見てみたいものだ。朝から人の顔にいちゃもんをつけてくる彼女は僕の目覚まし時計その2である西園寺 瑠璃。僕の妹だ。瑠璃と聞くとお堅そうな感じがするが当の本人は全くそんなことはなくゆるふわな感じのjkである。そんな彼女も生徒会の腕章を付けている。1年生ながらも書記という地位に就いている。とまあこの様にうちの高校の生徒会は西園寺家が支配している。だからと言って何かいい事がある訳ではない。むしろマイナスと言っても良い。何がかと言ったらそれは学校でも姉と妹に振り回される事がだ。何処かにヒーローでも居ないものだろか。ハル姉と瑠璃も僕を救ってくれたヒーローではあるのだけれどそのヒーローに振り回されて居るのだから世話ないな。神様にお願いしたら助けてくれないものだろうか。こんな世界嫌だってな。そんな事を考えている間にハル姉と瑠璃、そして他の生徒会役員の3人に生徒会室に連行された。僕の両腕を掴むハル姉と瑠璃の2人は素晴らしい笑顔だった。「嗚呼、これから殺されるのかぁ。」とか考えてしまった。

 この後、コッテリと絞られた。授業が始まるまでの15分間だったが凄く長く感じた。これからは二度寝なんて絶対にしないと心に誓うのだった。

 それから、50分×7の睡眠時間が終わった。そのまま家に直行したいのだが彼女らがそれを許さない。正門の前で朝とは逆の構図になった。これから下校する生徒達に「またかよ」みたいな顔をされる。僕は無駄な抵抗をやめて手を頭の後ろで組んで膝をつく。女性警察官2人がニヤけながら近づいて来る。これから何をされるのだろうか。楽しみで仕方ないぜ。僕は白目で呟いた。

 下校中の生徒たちが騒つく。空気が変わった様な気がする。さっきまで太陽と風があったと思うのだが。

「よくぞ参られた、勇者達よ。」とか聞こえて来る。これはあれか?あれなのか?と思いながら僕はやっと白目をやめた。そこに広がる世界は僕の知っている世界では無かった。すると突然涙が出て来た。この涙は悲しいからじゃない。異世界転移したのが嬉しかったからかもしれない。もしかしたら白目に慣れていなかったからなのかもしれないが嬉しかったという事にしておこう。はたまた別の理由があるのかもしれない。やっぱり悲しいから泣いているのかも知らない。まあ、そんな事は置いておいて異世界に行ったら何をするか考えて置かなくては。僕は膝をついたまま辺りを見渡した。パッと見た感じお城の王の間みたいな部屋だった。転移して来たのは下校しようとグラウンドに出ていた50人くらいだろうか。これから何が始まるのだろうか。不安と絶望に押し潰されそうだった。

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