四季(海)
春の海
おだやかな波
赤子がねむりにつくゆりかごのような
よせてはかえす
優しい 波
夏の海
沖で白い小波がたっている
浜辺に打ち寄せる波
夏の日差しをうけて
キラキラと光っている
子供達の楽しげにはしゃぐ声が心地よい
子守唄のようだ
秋の海
夏の喧騒が嘘のように静かな海
忘れられた麦わら帽子が
風に吹かれ 波に揺られ
海に行こうか 陸にもどろうか
模索しているみたい
冬の海
荒々しく何もかも飲み込もうとする波
空は雲が太陽を隠し
灰色の世界になっている
海は空の色と同化して境目が分からない
遠くで
一羽のカモメが鳴いた
「おまえも何かを無くし 探しているのか」
春はまだ遠い