村の守り神
ある日、行商人が12人で荷車を4台運んでいました。隣の国に買い付けに行き帰る途中でした。
そこに20人くらいの盗賊が荷車の前をたち塞ぎました。
行商人の主人が「お頭様!半分で許して頂けませんか?前回は全部お渡ししましたので村の人たちも困っています!せめて半分は持ち帰らせてください!」
「おいおい!こちらは20人くらいはいるんだぞ!それでも足りないくらいだ!!」
この盗賊の中には、半神半人(神と人間によって生まれたもの)が2人、以前騎士だったものや元兵士がいた。
「俺たちは、お前たちの村を襲ってないんだぞ全部渡さないなら全員殺すぞ!それに今後こうやったものが手に入らなくなったら村を襲うしかないだろう!お互い生きる為の生存バランスというやつだろう!!」
主人は、この中の誰一人殺されてはいけないと思い盗賊にすべて差し出すことにした。
1人の青年が駆け寄った。
「待ってください!お頭様このハープだけは見逃して頂けませんか?このハープは、私の婚約者に贈るものです!このハープの代わりにお金を用意します!!」
「ほう!いいじゃねぇか!お金はすぐ持ってくるのか?」
「1年程待ってください!必ず持ってきます!!」
「アホか!お前がお金を持って来るのを待つくらいならこれを街で売ってしまったほうが早いだろう」
「このハープを彼女は楽しみに待っています!」
盗賊のお頭は、その青年を見せしめに斬った!青年は苦しそうにたおれた。
そして青年の心臓を刺した。
グサッと音がした。
その姿を見て行商人達は震えた。
「お前達!逆らうと殺すぞ!!」
黄金の翼の少女は、それを見ていた。
少女には、わかった。その青年の魂が優しいことを悪い魂を持つ者がその青年を殺したことに怒りが沸いた。
精霊の剣を持ち光輝く翼を広げて見えない速さで飛び盗賊の頭の首を斬り落とした。
少女は、盗賊たちに切りかかった!盗賊たち動揺した。
盗賊たちは武器を手に黄金の翼の少女を殺そうとしたが次々と殺された。
半神半人の頭が殺され、もう1人の半神半人も、その少女の強さに恐怖を抱いた。
「まだ子供じゃねぇか!なんて強いオーラだ!!」
そう言葉にした次の瞬間、首が斬り落とされた。
盗賊たちを全員殺した。
少女は、死んだ青年に光のオーラを当てた!!
だが青年は、もう完全に死んでいた。
生き返らない。
少女は、死んだ青年の姿を見て泣き出した。
その姿の光景な行商人たちも涙を流した。
行商人のご主人が高級な白い衣類を持ち少女に渡した。
「どうぞ!これをお召しください!」と優しく言った。
「これ何!?」
「これは衣服といいます!女神様のその美しい体を皆に見せては、もったいないです!どうぞこれをお召しくださいませ!」
少女はその布をどうやって着るのかわからず困っていました。
「アントリュウス!それに皆も後ろを向いてなさい女神様の着替えだ!!」
皆とんでもない姿を見てしまったと思い慌てて後ろを向きました。
「失礼致します!!」
と言って主人は衣服を着せた。
女神は、その衣服の生地が気持ちよく気に入りました。
「女神様!如何ですか!もしよろしければ私どもの村にお越しいただげませんか?」
「私、まだ子供だからあまり危険なところに行ってはダメって精霊さん達に言われてるから・・・・」
少女は山の外の世界に興味を持っていた。
だけど人間には悪い人が多いけど良い人がいることを知っていた。
「おじさん達いつも悪い人に脅かされてるの?」
「いつもではありませんが、私達は行商人で村のほとんどの者が農業をしていて戦う術がありません!身分も低く身分の高い人や強い人には逆らえません!それでも我慢できますが理不尽に命を奪われるのは我慢できません」
主人は殺された青年を見た。
この人、心が優しい人だったのに殺されちゃった。
「私ひとりで全員を助けるなんてできないよ!!」
「わかっております!私共は男です!いざとなれば命を捨てる覚悟はあります!一人でも多く守って頂きたいのです!是非、私共の村の守り神になって頂けませんか?」
一緒にいた行商人達も頭を下げてお願いした。
「お礼は、たいしたおもてなしは、できませんが!お食事と衣類とお金を差し上げます!そして我らの忠誠も」
「別に食事は山にいっぱいあるから必要ないし衣服はほしいな!!お金と忠誠もいらないわ!困ったら助けてあげる!」
その少女の言葉と表情に行商人達は神だと思いました。
でも、待ってて精霊さん達と山のみんなに話してくる。