マイバッグ
二人 「は~い、どうもどうも~!」
ツッコミ「ここんとこ、色々と生活に変化があって大変だよね」
ボケ 「そうだな、ペンネの穴にスパゲッティーニ通して食べたりねぇ。」
ツッコミ「誰もやってねーよそんなこと!ほら、例えば買い物の時にマイバッグ持つのももう当たり前になったりさー」
ボケ 「くっ……今まで無料で貰えてたもの……!俺は失ってからその大切さに気付いた……俺が……俺が悪かったんだ……!!」
ツッコミ「フラれた男みたいになってるぞ……って、そうじゃなくて!お前、ちゃんとマイバッグ買った?最近は凄いコンパクトになっててすぐに広げられる『折り畳みマイバッグ』ってのがあって、俺この前それ買ったんだよ。」
ボケ 「折り畳みマイバッグは持ってないけど、『畳用マイバッグ』なら持ってるぞ。」
ツッコミ「……なんて?」
ボケ 「だから、畳用のマイバッグ。」
ツッコミ「畳素材でできてるとかじゃなくて、畳を入れるバッグってこと?」
ボケ 「そう。畳がすっぽり入って持ち運びに便利♪」
ツッコミ「それどんなサイズだよ!?」
ボケ 「あ、でもちょっと難点があって、一畳分しか入らないんだけどな。」
ツッコミ「十分すぎるわ。そもそも一畳持ち歩く奴も見たことねーよ!ってかそれ、使い道あんのか?」
ボケ 「あるわ!!!貴様、日本の伝統文化の畳を侮辱する気か!!!謝れ!!!」
ツッコミ「ごめんて!いや畳は確かに素晴らしいです!!でもホントどんな時使うの!?」
ボケ 「うーん、よく浮気相手と温泉行くって良くありじゃん?そういう時使うかな~。」
ツッコミ「お前クズだな。」
ボケ 「じゃ、お前が浮気相手と本命彼女役やって。俺は……俺に任せろ!!!(ヒーロー風ポーズ)」
ツッコミ「なんかカッコいい風に言ったけど俺、性別違う上に二役やんの!?」
ボケ 「はー、いい旅館だな」
ツッコミ「勝手に始めんなよ!」
ボケ 「な、いい旅館だなっ?」
ツッコミ「チッ……無視かよ……もう……!(女声で)『う、うん!素敵な宿ね♪』」
ボケ 「お前ノリノリじゃねーか。」
ツッコミ「うるさいわ!早く続けろ!」
ボケ「 ここの温泉、最高なんだってさ。」
ツッコミ「うん、楽しみだねっ。」
ボケ 「……と、そこに本命彼女が襖を開けて乱入!!」
ツッコミ「あ?は、えーと、スパーン!!(襖を開ける擬音と仕草、浮気相手と違う声色で)『誰よこの女!?』」
ボケ 「待ってくれ!違うんだ、コイツが勝手に言い寄ってきて……!」
ツッコミ「(浮気相手の声で)なによそれ、酷い!」
「(本命彼女の声で)しらばっくれても無駄よ!証拠はもう挙がってるんだから!」
ボケ 「……と、二人が俺に向かってきたその瞬間!!『秘儀!!畳返し!!』」
ツッコミ「(あえてノリノリで)説明しよう!『畳返し』とは、忍者が使ったとされる隠れ身の術である!素早く畳をはがして舞い上げ、相手から死角を作るのだ!!」
ボケ 「そして、その舞い上がった畳を~?(ひょいと持ち上げる仕草)」
ツッコミ「畳用バッグに~?(バッグに入れようとする仕草)って、なるか!!なんで律儀に持ち帰ろうとしてんだよ!」
ボケ 「よいしょ、よいしょ(襖につっかえてる動き)」
ツッコミ「逃げられてねーじゃねーか!」
ボケ 「(振り返っていい笑顔で)みんなも地球の平和の為に、畳用バッグ♪」
ツッコミ「誰が買うか!」
二人 「ありがとうございました!」
‐完‐