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二人

作者: ヘラ

 これは、ある二人の青年が、会社を立ち上げて成り上がる物語である。


 外は雨。男2人、刑務所のように薄暗く、どこにカビが生えてるのかと心配になるような埃臭いジメッとしたとした事務所で、必然と鬱々とし、辛い味の煙草を猛烈に更かしていた。驚くほどに辛い。こんなことあるのかってくらい辛い。とにかく辛い。


「暇だなー?」「ん? 、ああ」何が、ん?なんだ?もう何を言ってもこの男はぼんやりしているのか。彼は死んだような重い二重をし、顔の前でフレミングの左手の法則をして寝ている。なんだその格好は。ブスが。そして寝るなら寝間着に着替えろ。パリッパリのyシャツで寝るな。シワシワになることぐらい分かってんだろ。


まさかわかんねえのかなこのバカは。頭ん中がお花畑なのかな?いや、そんなことは物理的にあり得ない、あるなら木綿豆腐だ。彼の頭は大豆とニガリに電流を流し出来ている。


いやー、それにしてもダルい。なんでこんなに頭が回らないのだろう?昨日寝てないからか?いや、でもそれだって一時には寝たし……朝が早過ぎたのかな?夜遅いと帰って朝変に冴えてダルいんだよな。剛も同じ体質なのかな?でも朝早くてスッキリしないなんて不思議だよな。そういえば、受験生は夜更かしするんじゃなくて、早起きするのが良いってテレビで誰かが言ってたな。それはお前だけかもしれないからな。で、確かその人は朝五時に起きてたんだっけ。もうそれ暗いじゃん、夜じゃん。夜は言い過ぎたか。まあ、朝が良いか夜が良いかって、結局人によるのかな。


嗚呼、それににしても仕事来ないかな。でも待ってるだけじゃ駄目だよね。自分から動かないと。でも、動けることもないしな。そもそも僕は動けない体質なんだよ。外に出るのも億劫。怖い。それってちょっと違う問題か?動けないのは自分が悪いって言われるのかな?でも体質じゃん?体質でもそれは自分のせいってことなの?もう終わりだな。世知辛い世知辛い。待つことしか出来ないよー。神様助けて、くれないか。


 さ、昼飯にしよ。僕はソファからうぬぅーとかなんとも言えぬ声を上げ、立った。大袈裟にソファの横を押し下げ、体重を支える。力一杯、腕をプルプル震わせながらケツを上げる。うおーー!違う。誇張した。アパートでもあるこの場所で奇声を発するわけにも行かないので、うぬぅー、だ。


さて、カップラーメン買い置きしといたんだよな。台所のワゴンに置いといたはず……うん、あった。カップラーメンのそこに付いているシールを剥がす。直ぐに剥がれて使い物にならない代物なのだが、一応使ってあげている。そういえばなんか重さのあるもので抑えたほうが確実なのに、なんで毎回これ使ってんだ?そして湯を沸かす。剛の分も必要だから、どれだけ入れれば良いんだ?僕は、湯も沸かせない自分を恥じた。というかカップラーメンを作るときは、毎回湯の量でドギマギして、自分の矮小さを恥じている。


さ、火にかけよう。火が弱いかな?いつもは火の加減なんて見もしないのに、なぜか今日は気が届いた。褒めて使わす、自分。で、この夜間湧いても音が鳴んないんだよね。剛は音が濁るって言うけど、僕には分からない。違いが分からないから、一回待てずにヌルいやつ使っちゃって、3分待ったらバリッバリだったもんな。あれはもうこの世の終わりかとガックリした。その後電子レンジでチンすれば良いやってチンしたんだけど、底が抜けたね。レンジ開けたら大惨事。もう1週間寝込んだよ。


さて、わかりにくいけどそろそろ湯が湧き上がったでしょ。カップラーメンの蓋開けて、2つ分の湯を注ぐぞ。そして、3分待つ。俺は剛を呼んだ。「剛、出来たぞ」「ん?ああ」何がん?だ。


 もちろん味は、いつもの味。


 終わりですが、何か?

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