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とある車屋の日常。  作者: 和泉野 喜一
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ジェミーの復活

ジェミーの新車RXー7。

ロータリーの歴史も知り、真剣に組み上げたエンジンはうまく動くのか!?

ジェミーはFCが届いた日の仕事終わりから早速作業に取り掛かった。

コンパクトなロータリーエンジンということと〝Garage SHI・N・NO・SU・KE〞のエンジン担当、西長田がサポートを行ったため作業はスムーズに進んだ。

その甲斐もあり、あっという間にエンジンが車体から外された。


ジェミーは西長田の指示に従い、様々な工具駆使しながら次々に分解していく。

途中、

「バランスウェイトの下のワッシャー類は順番と位置を忘れるなよ!」

など注意点があればメモを取った。

そして、ハウジングを外し、いよいよローターを取り出す。

「エキセントリックシャフトに傷つけるなよ・・・」

慎重にローターを取り出した。

「Oh・・・」

両手でローターを支え、その重みを噛み締めた。

「よし!今日はここまでだな!」

「ニシナガタサン、アリガトゴザイマス!」

「おう!続きは明日だ!お疲れ!」


翌日の夜、店には走り仲間が多数来ていた。

有人が喋ったため、冷やかし半分にジェミーのFCを見に来たのだ。

しかし、鬼気迫る表情でエンジンを分解し部品を洗浄するジェミーを見て誰も声を掛けることはなかった。

むしろ焦りにも似た感情を持った程だ。


各部品の洗浄具合を西長田がチェックし、

「OKだ!」

と判断された。     

しかしオーバーホールキットがまだ届いていないため、先に車体側の作業を行うことに。

車高調は既に装着されていたが一度取り外し点検をした。

問題なく使えるようだ。

シートやメーターなどは180SX(ワンエイティー)で使っていたものを移植する。

「ジェミー!これをくれてやろう!」

新之助が手に持っていたのはロールバーであった。

これは新之助の部品倉庫(※第5話参照)に眠っていたものであった。

「ThankYouBoss!」

「うむ!RXー7は軽量コンパクトなロータリーを積むため、車体もかなり軽量化されている。これによってコーナリングマシンとして一級の戦闘力を得たのだ!本気で走るならこれくらい必要だろう!この分は働きで返せ!がっはっは!」

新之助の粋な計らいを受けつつ作業を続ける。


作業を始めて1週間。

車体側はほぼ完成していた。

赤いボディーに多少の色褪せはあるものの、いずれ塗り直すことにし我慢した。

残すはエンジンのみ。

オーバーホールキットも届いた。

いよいよ組み上げる。

基本的には分解した時と逆の手順で組んでいく。

シールの嵌め込みや締め付けトルクに気を付け慎重に組み上げる。

傍らで新之助と西長田がジェミーの作業を観察している。

邪魔してはいけないと有人は遠目に見ていた。

約2日掛けエンジンを組んだ。

「いい感じに組み上がったじゃないか。」

「うむ!なかなか良い筋をしておる!あとは載せるだけだな!」


車体への搭載も終わり、火を入れる。

キー捻るとセルが勢いよく回る。

オーバーホールしたてのエンジンは一発では掛からない。

再度キーを捻る。

するとフォンッと言う音を上げエンジンがかかった。

「ふむ。アイドリングは安定しているな。」

「どれどれ・・・」

新之助と西長田が最終チェックを始めた。

各部を目視し、アクセルワイヤーを手で引っ張り回転数を上げると工場内にロータリー特有の甲高い音が響いた。

「よし!問題なさそうだ!馴らしはしろよ!」

「ワカリマシタ!」

「ジェミー!やったッスね!」

早速車に乗り込み工場を出ていく。

有人はその姿に少し羨ましそうにしていたが、ジェミーの復活

を喜んでいる様子。


店を出て30分程するとジェミーが帰って来た。

車を降りたその顔には笑顔が溢れていた。

「VeryNice!」

小さく呟くと屋根を撫でた。

「完全復活ッスね!」

「うむ。今回ジェミーはよくやった!これからはエンジン修理を任せても良いかもしれんな!」

「それは賛成だな!俺が楽になる!」

「ちょっ、自分はダメッスか!?」

「「お前はまだまだだ!」」

新之助と西長田は声を揃えて言った。

「そんな~。」

半泣きの有人を横目に微笑むジェミー。

「と、とにかくジェミーは馴らしを早く終わらせて走りに行くッスよ!」

「OK!」

こうして穏やかに夜は更けた。


馴らしを終らせ走り屋に復活したジェミーは毎日走り込んだ。これまで以上に車を労る乗り方となり加えて速さも増した。

仲間内でトップクラスとなるのも近いだろう。


しかし・・・

「こおら!ジェミー!また自分の洗車してんのか!仕事しろ!」

「Oh~。ニシナガタサン。Redガウスクナル!ホウチ、ダメ!」

大事にし過ぎて困った面もあった。


〝マツダ・RXー7〞

ル・マン24時間レースをも制し、夢のエンジンと言われたロータリーエンジン。

RXー8以降ロータリーエンジンと《RXー》の名を持つ車種は生産されていない。

しかし2019年に両方の復活が噂されている。

歴史を紡いでもらいたいという意味も込め、期待したいものだ。。




自分で修理したあと、ちゃんと動くと感激なんですよね!

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