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とある車屋の日常。  作者: 和泉野 喜一
32/35

コンテスト。

憧れの1台です♪

コンテスト当日。

スープラをトラックに積み、コンテスト会場へ向かう。


着いたのはとある施設の駐車場。

今回は野外イベントであった。

「おはようございます!〝Garage SHI・N・NO・SU・KE〞さんですね!展示場所はこちらです!」

「うむ!ありがとう!」

入口で受付を済ませ会場の中へ。

既に数多くの出展者が準備を行っていた。


割り振られた展示場所に着き、準備を始める。

そこの一角は車屋で固まっていた。

「なるほど。車屋の部と一般参加の部をわけているのか。1人1票入れてそれぞれに優勝を決めると。」

入口で渡された冊子を読む新之助。

「社長!テント建てるの手伝ってください!」

雄二の声に腰を上げる。


と、そこに聞き覚えのある声が響いた。

「はっはっは!やっぱり来やがったな!」

金治であった。

「貴様と勝負しに来たわけではない!純粋にコンテストへの参加だ!」

「まあいい。どのみち優劣つくのだからな!」

「して、貴様の車はどこだ?」

「ウチのはアレだ!」

金治が指差した先に1台の車があった。

「な!金色のR32型GTーRだと!・・・なんて悪趣味な。」

「ふん!お前の様な貧乏人にはわかるまい!まぁいい。全ては結果でわかる!楽しみにしているぞ!はっはっは!」

そう言い残し去って行った。


イベントが始まると見物客で賑わった。

新之助達も交代で見物して回った。

「ほう。こいつは珍しい・・・こっちもよくできているな!」

一通り見終わり戻ると、スープラに人だかりが出来ていた。


「これは何事だ?」

留守番をしていた真雪に問う。

「あ、社長!西長田さんと車のイメージがピッタリだと記者の人が写真を撮り始めたら人が集まって来たんです!」

「何?記者だと!?」

車の方を見ると西長田が記者らしき人と話をしていた。


「お?あれがウチの社長ですよ。」

新之助に気付いた西長田が記者に紹介した。

「あ!初めまして!イベントの取材で来ました車雑談の者です!」

「〝Garage SHI・N・NO・SU・KE〞代表の新堂です!よろしく!」

「さっそくですが、このスープラいいですね!新しい旧車だ!車について詳しく教えて下さい!」

「うむ!このスープラは初代セリカXXをイメージした!色はセリカのストラトスブルーメタリック!内巻きデザインのエアロに18インチのハヤシストリートのホイール!内装パネルには木目調を施し、シートはヘッドレストの無いコブラタイプ!さらに目玉はコイツだ!」

熱く語る新之助はボンネットを開けた。

「スープラの心臓である2JZエンジンをキャブ仕様に変更した!しかもソレックス製!往年のソレ・タコ・デュアルだ!がっはっは!」

そこには磨き上げられ光輝くエンジンと、一際目を引く大きなファンネルが鎮座していた。

「なるほど!では中身は本当に旧車なのですね!色々とありがとうございました!」

新之助の話を聞き終えた記者は礼を言い去って行った。


暫くすると金治の声が聞こえてきた。

先程の記者が金治の所で話をしていた。

新之助は一瞬イラついたが、無視することにした。


イベントも終了時刻に近付き、いよいよコンテストの結果が発表される。

「それでは!チューニングカーコンテストの結果を発表致します!まずは一般の部!3位!得票数261票で・・・」

続々と入賞者が発表されて行く。

「栄えある一般の部優勝は、エントリーNo37のダッヂ・チャージャー!」

「うむ。俺の予想通りである!ちなみに車屋の部ではウチが優勝だ!がっはっは!」

「ふん!優勝はウチのGTーRだ!」

いつの間にか隣にいた金治であった。


「それでは車屋の部の発表です!第3位は・・・!第2位は・・・!」

なんと、どちらの名前も呼ばれなかった。

残すは優勝のみ。

固唾を飲み発表を待つ。

「そして!優勝の発表です!車屋の部優勝は!エントリーNo・・・11番!〝Garage SHI・N・NO・SU・KE〞の旧車スープラ!」

「きゃー!優勝ですよ!」

「やったぞ!」

「俺の予想通りだ!がっはっは!」

優勝の言葉に盛り上がる新之助達。

「そんな!こんなの間違いだ・・・!」

一方で意気消沈の金治。


「完全勝利だ!がっはっは!」

新之助が高らかに勝利宣言を行った。

「ちっ!レースはウチの勝ちだから、これで引き分けだ!」

「ふん!負け惜しみなら聞かんぞ!がっはっは!」

こうしてイベントは無事に終了した。


皆が帰り支度を行う中、記念撮影が行われた。

快晴の下、美しく輝く青いボディ。

「うむ!やはりスープラにストラトスブルーメタリックはよく似合う!」

満足そうに笑顔で頷く新之助。

「すいませーん!皆さんで1枚お願いしまーす!」

記者の声に

「うむ!」

と答え車へと歩き出す。


〝トヨタ・スープラ〞

国内レースやスクリーンで活躍したこの車は、カスタムカーベースとしても1級のポテンシャルを秘めた名車だろう。





こんなカスタムカーに乗ってみたい!

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