トミ子の野望!
リアルが忙し過ぎて更新遅くなりました!
「西長田ー!最後の1周死ぬ気で踏めー!」
怒声とも取れる程に熱い声援が飛ぶ。
ここはとあるサーキット場。
今日は総出でレースに参加していた。
このレースは懇意にしている車屋主宰の
《車屋対抗軽自動車6時間耐久レース》
遡ること1ヶ月前。
「ちわー!」
「ん?前田社長!これはこれは!どうされた!?」
「実は今度レースイベントするんだけどさ、新堂君のところにも参加して欲しくてね。」
そう言いながらルールが記載された紙を取り出し見せた。
ルールは至って簡単である。
①車両は軽自動車であること。
②サスペンション、ブレーキ、マフラーの交換は可。
③エンジンの改造は禁止。
④ロールバー(自作可)、バケットシート、4点式ベルト装備のこと。
「なるほど。パワーを上げることはできぬのか。」
「今回のレースは勝ち負けだけでなく、パフォーマンス賞やドレスアップ賞なんかも用意するから。車屋魂を出してもらわなくちゃと思ってね!さらに年間7戦やってシリーズチャンピョンも決める!」
「ほう。面白そうだな!是非とも参加させて頂きましょう!」
新之助は快く引き受けた。
「諸君!来月、前田自動車さんの主宰の車屋対抗軽自動車6時間耐久レースに参加する!ドライバーは西長田、雄二、有人、ジェミー!トミちゃんと真雪君はタイム計測等を頼む!俺が監督だ!」
「そりゃ楽しみだな!」
「うおー!燃えるッス!」
「To have one's eyes set on victory!(優勝を目指す!)」
「え?私も走るんですか!?」
やる気を見せる西長田、有人、ジェミーとドライバーに抜擢され驚く雄二。
「皆頑張って下さい!」
「出るからには優勝しかあらへん!」
発破をかけるトミ子と真雪。
「で、車は何使うんだ?」
「今回はマツダAZー1を使う!」
「そういや、最近下取りしたのがあったな。」
「その通り!そして俺の身体では入らんから雄二をドライバーにしたのだ!」
「そういう理由でしたか。精一杯頑張ります!」
こうしてレースへの準備が始まった。
「エンジンはイジれんからな!まずは軽量化だ!いらんもんは全部取っ払うぞ!」
しかし、そもそも軽量のAZー1ではエアコンを取り外すくらいしかできなかった。
「車高調組んだり、ブレーキ変えたりするんスカ?」
「遊びのレースにそんな金は掛けん!がっはっは!」
その会話に、
「何言うとんねん!優勝賞金10万円やで!シリーズ通してチャンピョンになれば20万円の賞金!つまり7戦全勝で70万円+20万円で90万円!こら少しくらい車に金掛けたってええ!」
トミ子は鼻息を荒くしながら詰めよって来た。
「いや、全勝はさすがに・・・」
「何やて!?一端の走り屋気取っとるんやったら余裕で勝たんかい!」
有人の弱気発言に渇を入れるトミ子。
もはや賞金にしか興味はないようだ。
トミ子のお許しも出たことで車高調キットとブレーキパッドの交換が行われた。
「うむ。これで準備は終わりだな!」
「AZー1てガルウィングなんスネ!」
「Miniランボルギーニ!hahaha!」
「しっかし見れば見るほど変な車作ったもんだな。」
[マツダオートザム・AZー1]
全長:3295mm
全幅:1395mm
全高:1150mm
ホイールベース:2235mm
エンジン:直3ターボ
排気量:657cc
最高出力:64ps
最大トルク:8.7kg-m
サスペンション:ストラット
トランスミッション:5速マニュアル
重量:720kg
「うむ。こいつは1989年の東京モーターショーでコンセプトモデルが発表され、1992年に正式発売された。ボディはFRP製で軽量され、スポーツカーらしさを出すためガルウィングドアを採用した!」
「ガルウィングって横転したら出られないんじゃないスカ?」
「うむ。その懸念もあって却下され掛かったが、脱出できることを証明したことで認可された!さらにスズキ・アルトワークスと同じターボエンジンをリアに搭載し、足廻りも同じだ!結果、かなりの走行性能を獲得している!」
「レースに持ってこいな車って訳だな!」
「うむ。コイツなら優勝も夢ではないぞ!」
「速く走りてーッス!」
「カチマス!」
車を眺めながら各々気合いを入れ直していた。
軽耐久面白いですよ♪




