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とある車屋の日常。  作者: 和泉野 喜一
12/35

類は友を呼ぶ?

Zの修理に着手!

往年のグラチャン仕様!

いよいよZの作業に取り掛かる。

相変わらず新之助と西長田の仕事は速い。

「有人、ジェミー。足の交換やってくれ。」

西長田が2人に指示した。

「うぉ!いいんスカ!」

「ガンバルヨ!」

今回は純正サスペンションから車高調整式サスペンションに変更する。

これにより、走りに()()が出る。


新之助はエンジンとブレーキを、西長田はミッションと塗装、有人とジェミーはブレーキと他部品交換に分担して進める。

簡単な構造なのであっという間に分解してしまった。

作業は主に洗浄がメインのため、然程時間は掛からなかった。

1週間足らずで全ての作業は終わった。

「うむ!完成だ!」


マルーンと呼ばれる赤茶色のボディは新車の様な艶を取り戻し、ワタナベのホイールが全体を引き締めている。

ボンネットを開けるとソックスのキャブレターとタコ足が光輝き、走りの良さを表している。

要望通りのグラチャン仕様となった。


引き取りのため来店した父親は大はしゃぎだった。

一通りの説明を受け店を出る。


走り去る後ろ姿を見て

「お父上のお父上も喜んでくれているだろう!」

と満足そうに笑顔で頷いた。


と、ここまではいつも通り。

それから数ヶ月経ったある日事件は起こった。


「ん?なんだか外が騒がしいな?」

「なんやねんな?」

事務所にいた真雪とトミ子が外へ出る。


「わっ!何これ!」

「真雪ちゃん!危ないから下がっとき!」

改造車の集団が店の前に連なっていた。

その様子に気付いた新之助達も駆けつけた。


「暴走族か?いや、旧車会か。どっちでもいーや。上等じゃねえか。」

鉄パイプを手にする西長田。

「西長田さん喧嘩はマズいッスよ~!」

それを止める有人。

「ボクシングヤッテタ!」

シャドーを始めるジェミー。

「ジェミーもダメぇ!」

手を交差する真雪。

「ウチがなんとかするさかい、下がっとき!」

威勢のいいトミ子。

「ほう。ハコスカにダルマ、レビン・・・」

目を輝かせる新之助。


皆であたふたしていると

「こんにちは!」

と声がした。


「ん?お父上ではないですか!どうされました?」

なんと有人の走り仲間の父親がいた。


「Zに乗り始めて旧車クラブに入ったんですよ。そこで此方の社長さんは旧車について造詣が深いと話をしたら、皆車を診てもらいたいと言い出しまして・・・突然押し掛けて申し訳ありません。」

「そういうことでしたか!それならばお任せ下され!」

新之助は胸をドンッと叩き応じた。


「ちょっ!社長!これ全部診るんですか!?」

真雪は慌てた。

なぜなら15台以上いたのだ。

「当たり前だ!これだけの名車を触れることなど無いぞ!」

1度言い出したら聞かない新之助であった。


「どうなってるんですこれは!?」

外回りへ行っていた雄二が歩道を走って来た。

「何か凄いことになってるから近くに車停めて来たんですよ!」

状況を聞きくと、

「全部ですか!?無茶ですよ!」

と言ってはみたものの新之助が聞かないことはわかっていた。

「仕方がない・・・このままでは通行の邪魔になりますから誘導しましょう!」


新之助とジェミーは点検をし、終わった車から西長田がオーナーへ説明をする。。

雄二と有人は交通整理、真雪とトミ子は受付を行った。


「次の方お車を中へどうぞー!」

「雄二さん!こっちまだッスカ!?」

「ジェミー!スパナ!」

「What!?シラナイ!」

「・・・で、これを交換しないとですね・・・」

「オイル交換でっか!?それならこのオイルなんか最高やで!」


「終わりが見えなーーーい!!」

真雪の声だけが虚しくも、天高く響いた。


〝日産フェアレディ240Z〞

父親の形見であったこの車は、幼い頃の思い出と共に新たな思い出を作ってゆく。


旧車のメンテナンスって大変ですよね!

信頼できる工場が必要です!

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