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さよならサルトル

作者:きむらともお
 有名大学の付属校に進学したサトルは、焦燥感で破裂しそうになっていた。中学生時代はトップクラスだった自分が、優秀な生徒ばかりの高校ではビリグループから抜け出せず、自分の存在に不安を覚えていたのだ。同時に、つきあっていた中学校の同級生シノハラから自分の驕ったエリート根性を痛烈に批判され、ショックですべての自信を失ってしまう。
 夏休みの初めの公園で知らない男性、テリーさんから声をかけられたサトルは、彼の会社でアルバイトを始める。商業高校に通うシノハラが勉強する簿記を軽視していたサトルは、悔しさと未練から、仕事を兼ねて簿記を勉強しシノハラを見返そうと考える。
 テリーさんの会社はカウボーイに関する商品を扱うネットショップを営んでいた。テリーさんは一風変わった人物で、サトルは仕事を通じて、これまでの自分とは違う物の考え方や価値観を見せつけられる。しかし、父親からややいびつなエリート意識の薫陶を受けて育っていたサトルは、そうした自由な発想を受け入れることができない。
 夏休みも半ばを過ぎた頃、怪我で休職していた社員のシドさんがやってくる。ロックバンドをやっている大雑把な性格のシドさんに、当初サトルは反感を抱く。ところが、シドさんに付き添って行った病院で、シノハラが交通事故に遭い意識不明のまま入院していることを知り、やがて、シドさんや、シノハラが現在つきあっているキクリンとともに、シノハラの目を覚ますため、事故のきっかけとなった猫探しを始めることになる。
 この夏、関わった人たちの言葉に影響を受けながら、サトルは自分の心を見つめ直し、過去の自分と、未来の自分の分岐点である現在を、新たな気持ちで生きていくことになる。自分の傲慢さに気づき、父親の弱さも知ったサトルは、次のステージへと進み、シノハラに呼ばれていた「サルトル」というかつてのあだ名と訣別することとなる。
前編
2018/05/08 01:00
後編
2018/05/10 00:05
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