体温計
私とあなたは同じソファの上に腰掛け、映画を観ている。
しかし、あなたは既に飽きてしまったのか寝入ってしまい、暖を求めてかコトっと私の方へ身を寄せてきた。
肩と肩が触れ合い、あなたの体温を感じる。
途端に私も熱くなってしまい、なんの映画を観ていたのかもわからなくなってしまった。
ドクンドクンと自分の心臓が早く波打つのがわかる。
私はこんなにも困ってしまっているのに、あなたは可愛らしくスースーと寝息をたてている。
テレビはつけたままでいい。
心臓の鳴らす恥ずかしい早鐘が紛れるから。
私もあなたの体温を求めるように眠りについた。