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序 かつての話
矢の尾、千年前。
この世界は、魔法に支配されていた。
光・闇・水・炎・風・土・雷・氷雪、無数の元素原子がこの世界に満ちていた。巨竜の咆哮、不死鳥の鳴き声、悪魔が嘲う、妖鬼が影に潜む。
人間は、あらゆる魔法に選ばれていた。
たった一つ、たった一つの魔法は、誰をも選ばない、どんな命も、潰すまで。
そして、戦争が訪れていた。
すべてのイノチが戦っていた。「アイツ」から、スベテを守るがために。
光が去った。闇が去った。水が消えた。炎が消えた。風が歌えなかった。土が踊れなかった。雷電が怒鳴れなかった。氷雪が形も失った。
ドラゴンが負けた。不死鳥が負けた。悪魔が口を塞いだ。妖鬼が姿を失せた。
その戦の結末は、誰も知らなかった。
世界は、魔法をなくした。
千年後。召喚のちからは、栄光を取り戻す。
カードマスター、千年後の力を駆使して、千年前の魔法を求める。