LMKW74
[9日目]
るみちゃんとの情報交換を終えた俺はログインする前に旅館の予約をしておく事にした。
「XXXX-XX-XXXXだったっけ?」
記憶が曖昧だったので携帯の電話帳を確認する。うん、合ってるな。よし、かけるか。
・・・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・・・ピッ・・・ピッ・・・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・・・トルルルルル!
何時も思うけどこの番号確認の音いるか?まあ、いるからやってるんだろうな。
トルルルルル!・・・トルルルルル!・・・ガチャリ!!
『はい、旅館『風和』です。』
電話に出たのは旅館『風和』の仲居である甘好さんだ。聞けば声で分かる。
旅館『風和』は前に住んでいた家のご近所さんで親同士の交流もあった。すると自然にそこの子供も仲良くなる訳で、昔は俺、嘉月、摩耶、そして蓮美とよく4人で遊んでたなー…… じゃ無くて、
「お久しぶりです。黒夜です。」
『あ、黒夜君?お久しぶり。蓮美ちゃんは今出れないけど・・・』
「あの、そうじゃ無くて今日は予約がしたくて連絡したんですが……」
『あ、そうだったの?って、そうだよねー。蓮美ちゃんと話たかったら普通に本人に連絡するよね。アハハ、私バッカだなー!!』
あー、このパターンは甘好さんのマシンガントークが続くパターンだな。いや、まあ、遮っても良いんだけど、それするとこの人、かなり機嫌悪くなるんだよなー・・・
結局、5分程続きました。かなり短かったかな?
『で、予約は何時にする?』
「えっと、8月の………3.4.5の3日間でお願いします。」
『了解、3.4.5の3日間ね。―――あ、ごっめーん!5日に空き部屋が無いみたい。2.3.4の3日なら空いてる部屋が在るんだけど・・・』
「じゃあ、その部屋でお願いします。」
『はーい。承りました!じゃあ、お待ちしてまーす。』
あ、切れた。アレで良いのか甘好さん?「良い!!」って言うんだろうな・・・そんな図が簡単に想像できてしまう自分が悲しい。
そして、何時の間にか嘉月とるみちゃんの2人はもうログインしてしまったらしい。俺もログインするか。
「GAME START」
取り敢えず旅館の件3人に連絡するか。
メニューを開いて新規メール作成っと。
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「メール」
新規作成
宛先:ミカヅキ、ユウ、摩耶
件名:業務連絡?
本文:旅館の予約完了しました!!日程は8月の2.3.4日です。特にユウとミカヅキは早めに用意をしておくように。新幹線の予約も終わってます。
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そうなのだ、新幹線の予約をする為にログインの時間がかなり遅れてしまった。フェイとの待ち合わせまでに素材を売ったり、MP回復薬を買ったり、MPポーションを買ったり、ハイ・MPポーションを買ったり……ってMP系の回復薬ばっかだな・・・
まあ、それ以外にも飲み物の追加を買っておきたい。
残ってるのは……1時間位か。さて、買い物に向かいますか、っと。
俺は1の町のポータルから大通りに向かった。まあ、すぐそこなんだけどな。
「あの、ユキ様!ギルドに入れて貰えませんか!!」
「えっと・・・気持ちは嬉しいんだけどごめんな。あと、ユキ様はやめてくれ。」
コレで8人目。そう言えば今日は2陣が参入して来たんだったな。他にもギルド勧誘やフレンド登録のお願い、自称高LVパーティーの勧誘などが続いている。全部合わせると36人目?アレ?37人目?まあ、どっちでも良いんだが。
相手にするのが面倒くさい。これでもちゃんと黄泉の衣を装備してるんだがな・・・逆に黄泉の衣を装備するから怪しまれるのか?変装でもしてみるか?
路地裏に隠れて、っと。
変装してみた。
まず、識別阻害。俺よりLVが 30 下、つまりLV 78 以下のプレイヤーにはこんな感じで見えるように設定した。
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「Black Night」LV.60
種族:人間 プレイヤー
職業:二刀流LV.46
副職業:武器職人LV.52 鍛冶師LV.43 料理LV.32
主属性:無
弱点属性:水・氷・凍・火・炎・焔
状態異常:無し
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名前が安直すぎる気もするが、それ以外は完璧だと思う。
そして見た目は偽り指輪で変えている。髪と目は黒にそして装備は『服』だけを初期装備にしている。他には名前も変えている。
偽りの指輪で帰れるのは1文字だけだったのでかなり迷った。思い付いたモノを順に挙げて行くとこんな感じだった。
1.アキ 2.サキ 3.マキ 4.ミキ 5.ユイ 6.ユウ 7.ユダ 8.ユリ 9.ユミ 10.ユメ 11.コユキ 12.サユキ 13.フユキ 14.ミユキ 15.ユウキ 16.ユズキ 17.ユメキ 18.ユーキ 19.ユキノ 20.ユキハ 21.ユキホ 22.ユキミ
こんな所かな?取り敢えず2.4.5.8.9.10.11.12.14.16.19.22は女子っぽいから却下で。これ以上よく分からない奴に絡まれたくないし。
で、残ったのが1.3.6.7.13.15.17.18.20.21の名前か。ユウと名前被ってるし6も却下だな。俺の好み的には3か13か15か18か20だな。
・・・・・
さらに絞って3と20だな。うーん悩むな。如何するか。
で、コイントスで決めた。
結局どっちに決まったか?3番のマキに決めた!と言うか決まった!
識別阻害が効いていない人には黒髪黒目の二刀流少年「マキ」と表示される様になった訳だ。おっと、なら魔法剣1も装備しておいた方が良いな。よし、早速買い物に行くか!!
「ねぇ、君!僕達と一緒にパーティー組まないかい!」
「ええっと・・・」
むぅ、おかしい。勧誘が悪化してるんだが?特にLV50~60位のパーティーからの。何故だ?
「ああ・・・すみません。すでに約束してるんで・・・」
取り敢えず初対面なので敬語で喋っている。うう、むず痒い。
「そっかー、残念!じゃあまた今度で良いから一緒に組もうよ!!」
うわー……こいつめげないな。
「もう固定パーティー組んでるんで・・・」
「そんなの別に良いって、1回で良いからさ!ねぇ、頼むよ!!」
「ええっと・・・」
さて、如何するか。ハッキリ言ってもうかなり面倒くさい。なぁ、ガン無視したらダメか?
まあ、ダメだよな。適当に流すか。
「どうせ組んでる奴らも君と比べたら大した事無いんでしょ?だからさ!!俺等と組もうよ!!」
「お、この子か!何だよー、お前ずりーぞ!コイツぅー!!」
面倒くさい男がぞろぞろと増えやがった・・・えっと、1...2...3...4人か。だが今はそんなのは如何でも良い。
こいつ等、パーティーメンバー・・・つまりフェイが弱いって言ったよな?
確かにフェイは俺より弱いだろう。LVも俺より15程低かったし。けどな……
「お前等よりは強いぞ?」
「「「「「あっ?」」」」」
しつこい男とその仲間4人が一斉に反応する。そしてようやくバカにされた男の1人がと気が着いた様だ。
「なあ、お前、今さ、何つった?」
「フェイはお前等より強いって言ったんだよ!!」




