LMKW71
ブクマ1,600件突破!!
[9日目]
時刻は8時50分。丁度LVアップの音が鳴った所だ。
8時過ぎに届いたフェイのメールでは出発は9時半に決めたらしい。待ち合わせ場所は1の町の噴水だ。取り敢えず早めに帰る事にした。
そこで俺は、瞬閃を連続使用した時に酔わない為の練習も兼ねて連続縮地で5の町まで戻ったのだった。
町に着いた。ちなみに、3分で帰ってこれた。焔翔の4重だと多分5分位で帰ってこれるかな?
まずは3分間ですっからかんに成ったMPを回復する事にした。
ハイ・MPポーションを3本飲んだ。MPは満タン。今なら焔翔の5重だっていける。6重は……ちょっと無理かな?
40×2の6乗は―――合計消費MP1280はさすがに無理だ。いや、5重を掛けた後にMPを全回復してさらに重ね掛けすれば出来ない事も無いの、か?まあ、やらないが。
そして俺は早速、1の町に転移した。まだ、時間に余裕はあるので追加でMPポーションを買っておこうと思う。ちなみにNPCのお店ではハイ・MPポーションは買えない。と言うか売っていない。
だからと言ってプレイヤーのお店で買うと途轍もなく値が張る。不憫だ。フェイが作ってくれる分、俺は得をしている訳だ。周りの奴等には悪いが役得と言うヤツだ。
MPポーション、思い切って300本購入しました。効果はフェイのハイ・MPポーションの3分の1だ。代金は?
360,000Gだ。・・・高ぇよ!!
さて、次は何処に行くか。
イベントの時、放置していたのを思い出して俺はリーアのお店に向かう事にした。
「閉まってるし・・・」
お店に到着した。だが残念、リーアのお店は閉まっていた。くっ・・・
無駄足かと思って振り向いた瞬間に誰かとぶつかった。
「――っててて……」
「うぅ、痛いのですぅ。」
聞き覚えの在る喋り方に目を開けてみるとそこには赤髪の少女、リーアが居た。うん、元気そうだ。ぶつかった所為で涙目だけど。
兎に角! 俺は立ち上がってリーアに手を伸ばした。
そしてリーアはその手を然も当然と言った顔付きで掴む。・・・こいつ、引っ張り上げる途中で手を離してやろうか?
手を離すのは我慢した。俺は物凄く我慢したと思う。だから途中で持ち手を入れ替えるフリをして一瞬の浮遊感を味わわせてやったのも些細な事だ。
「もうちょっとスマートに立たせて欲しかったの。」
こいつはその人に慣れると一々、上から目線で喋るようになったり、余計な一言が入るタイプだな。俺の中でのリーアの株がかなりの速度で低下しているが……まあ、それは今更だな。
「それでユキさんは何しに来たの?」
「ん?俺か?そうだな・・・時間潰し?」
「そこは嘘でも『リーアに会いに来た』とか言って欲しかったの。」
「うん、そうだよ。リーアに会いに来た。」
「途轍もなく、地平線まで行きそうなほど棒読みなの・・・」
一応、嘘じゃないぞ?
半分はちゃんと心配して来た。もう半分?
もう半分はからかいに来た、かな?まあ、リーアが相変わらずのふてぶてしい態度を取った時にからかい100%に切り替わったが。
アレ?悪化してないか?
・・・・・
これは気にしたら負けと言うヤツだな。よし、コレでもう俺は気にしないぞ。
そのまま話し込んでしまった。気が付くと時間が9時26分に。うん、ヤバい。
「ヤベ!?待ち合わせに遅れる。」
「待ち合わせなのですか?」
「と言う訳で……じゃあな。」
「はっ、はぁ・・・なの。」
リーアは俺の言葉が突然すぎて困惑した様子だったが、俺はそれどころでは無い。フェイとの約束に遅れるとか本気で考えられない。間に合わなかったら恨むぞ5分前の俺。
結局、間に合った。かなり無茶したと思う。
まず、空中遊歩でリーアのお店の屋根まで上った。人目?そんな物を気にしている余裕は無い。そこから如何したか。
瞬閃を乱用。以上だ。
最後の一軒から勢いそのまま飛び降りて遊歩を発動。俺は無事にフェイとの約束に間に合ったのだった。大道芸人顔負けの動きである。
いや、まあまず普通の人間は空中を歩けないのだが。
「ふぅ、間に合った。」
「ユキさん........!?今、空中歩いて........!?」
「え、あ、うん?」
アレ?フェイにまだ遊歩見せた事無かったけ?
そしてちょっと冷静に成った。すると急に周囲の視線が集まっている事が気になりだして、俺達はそそくさとその場を離れたのだった。
現在、俺達は墓地に向かっている。走ってくるモンスターは俺の爆裂かフェイのナイフ投げで撃退している。フェイが使っているのはノーマルのナイフだ。
「あーー、さっきは悪かったな。」
「いぇ.........」
アレ?もしかして怒ってる?
異常にフェイの声が小さくて低い。これは・・・街中では自重しよう。
「本当にすみませんでした!!」
「空を歩いてくるユキさん・・・」
「ん?何て?」
「な.........なんでも.....ない...........です.........」
それから喋らなくなってしまった。うっ、無視されるのって結構辛いな。
「ああ、それでこれからだけど・・・」
「...........」
「あの、フェイさん?」
「...........」
結局、墓地に着くまで無視され続けた。
問題なく墓地に着いた。いや、まあ、フェイに無視され続けると言う問題は在ったのだが。
墓地のモンスターは主にアンデットで構成されているのでフェイの短剣にも俺の月鏡刀にもフラッシュを付加している。うん、眩しい。
「それで、何処に行けば良いんだ?」
「初めて会った.........墓場?」
「それって、何処だっけ?」
「...........」
さて、困った。集合場所を決めていなかった俺達にも非が在るのは明白だが・・・って、アレ? アイツ、集合場所の事言う前に何処かに消えたよな?やっぱり、アイツが悪い気がする。うん、俺達に非は無い。
「まあ、それは良いとして困ったな。」
「はい........」
それから墓地を彷徨う事、10分。
地面から生えてくるゾンビをバッタバッタと斬り倒しながら、例の墓場を探した。
そして遂に! 例の墓場を発見した。何故分かったか?手紙が置いてありました。
「えっと、何々。『このお墓に供えておいて欲しいのである。』か。・・・もうちょっと見つけ易くしておけ!!」
俺が1人でキレている間にフェイが10本程の蘇生薬をお墓に供えていた。
ん?ふと思ったけどこの墓の人間が蘇ったりしないよな?
・・・・・
帰るか。俺は知らん。もし何かあっても責任はリグラ・シンに有る筈だ。
「よし、フェイ帰るか。」
「...........はい!!」
俺達は1度も後ろを振り向かずに町に戻ったのだった。と言うかゾンビと蝙蝠の襲撃がしつこ過ぎて後ろを振り向く余裕が無かった。沸くスピード速ぇよ。
むぅ、更新速度が中々あげられないぞ?




