LMKW70
会話が多い!と言われたのでここ3話程、文章多めにしてみました。如何でしょうか?上手く出来ているか心配です。
ちょっと増量。
[9日目]
結局俺は、父さんの晩酌に付き合わされ気が付くと日にちを跨いでいた。
取り敢えず洗い物をしながら父さんの話を纏めてみるとこんな感じだった。
父さんと母さんはLMKWの宣伝部部長で、今度テレビCMの作成が決定したらしい。それで戦闘の映像をCMに組み込みたいらしい。そこで高LVのプレイヤー俺、嘉月、佑真、摩耶、そして如何やったのかは知らないがフェイとアルファに出演依頼を出したらしい。
報酬は少しの給金とユニークスキルまたはユニーク魔導の書で、あと!少しなどと言っているが、給金は今度久しぶりに東京~大阪に行く時の旅行費分位はあった。父さんに強制されたがこんな割のアルバイトなら普通に受けたと思う。
と、単純に纏めるとこんな感じだ。ちなみに、挑むのは7の町への街道のボスらしい。撮影日は約2週間後の夏休みイベント第3回の翌日だ。
「よし、終わりっと。」
洗い物が終わったので部屋に戻ってログインする事にした。余談だが、父さんはお風呂に入ってから自室に戻って既に爆睡しているのだった。
「GAME START」
5の町から2の町に転移して家に戻った俺は、スイカ割りやLV上げで傷んだ剣の耐久度を回復していた。と言っても工房で1人地味に剣を研いでいるだけなのだが……
あと、同時進行で新しいギルシュヴェルグも量産している。最近は不足気味だったので型をさらに2セット増やして今は1度に60本作れるようになっている。まあ、これ以上型石の数を増やしても銀を溶かす鍋の容量的に意味が無いのだけれども。竈も2つしか無いしな。大鍋は邪魔になるので却下だ。
「コレで異蛇双頭 2式は終わりか。次は魔法剣1だけど・・・多分、当分は使う事無いだろうなー。月鏡刀は刃毀れしない訳だし。」
そんな事を言いながらも、俺は結局はちゃんと研いだ。
4時50分にフェイからメールが来た。内容はギルシュヴェルグの追加が欲しいと単純な物だったので俺もMPポーションか、ハイMPポーションを大量に欲しいと返信しておいた。ギルシュヴェルグは俺が使っても意外に使い勝手が良かったのだが、やっぱり専門には勝てないので8、9割はフェイに回す事にした。
それとログインしてからの4時間は工房と寝室を行き来しながらギルシュヴェルグ1本1本に付加を施していた。戦力増強の為に全て2重で付加している。俺が使う分だけは攻撃力を削って耐久値を上げて全て4重付加にしておいた。
あと「4時間も付加を施していた」と言うとかなり長い時間に感じるが4時間なんて寝室で寝ていると一瞬で飛んで行ってしまう時間であった。
結局、途中で2度に追加した分を合わせて180本分のギルシュヴェルグが出来上がった。フェイの分は160本で8種20本セットになっていた。多分ヨーロッパの人でもコレだけの銀ナイフを持っている人はそうはいないと思う。
さすがに疲れたので休憩にする事にした。
「あー・・・コーヒーのいい匂いがするー」
上からお湯を注ぎながら俺は出来上がりつつあるコーヒーの匂いを楽しみながら完成を待っていた。
個人的に待つのはいつも遅れてくる誰かさんの所為であまり好きではなかったが、こんなほのぼのとした待ち時間なら「有りかな?」と思っている自分がいるのも確かだった。まあ「この時間が永遠に続けばいいのに!!」みたいなロマンチストみたいな事は一切思わないが。
ポットのお湯を全て入れ終えた俺は待っている間に新しい魔法やスキルの確認を済ませる事にした。
コーヒーを2杯飲み終えた辺りで魔法・スキルの確認が終わった。今回加わったものの中で利便性の高そうなものはこの4つだった。
まず1つ目は、絶対零度の次に出現した、氷の地獄だ。
絶対零度とのコンボ魔法で、絶対零度で凍らせたものを戒め呪う魔法らしい。その効果は絶対零度で凍らせたものに「呪い」と「禁則」の状態異常を継続24時間与えるらしい。
しかも効果は死に戻ってもきっちり24時間付き纏うらしい。喰らった相手からしたら文字通りの地獄だな。
あと、消費MPは全体の2割で絶対零度と合わせて1回でMPの半分を消費する非常に重たい魔法でもある。
2つ目は閃剣・刺突の次に習得した閃剣・一文字で、以前も説明したが一言で言うと「真横に斬る」スキルだ。
ただ低姿勢からの一撃で相手の足を潰したり、内臓にダメージを与えて敵を再起不能にするのには向いているスキルだ。自分で言っておいてなんだが説明が物騒だな・・・
3つ目はLV 100 に成った事で入手した識別のスキル。
効果は動物専用の鑑定みたいなもので、敵の属性や弱点属性などが分かるらしい。プレイヤーに使った場合は職業や副職業などが分かるんだとか。装備等の情報が知りたかったら、やはり鑑定士の副職業を取得するしかないらしい。
ちなみに消費MPは 10 だった。
そして最後の4つ目は同じくLV 100 に成った時に入手した識別阻害のスキル。
効果は文字通りで相手の識別を阻害できるらしい。自分よりLVが 30 下のプレイヤーにはパッシブで発動出来るらしい。
例を上げれば名前を偽ったり、LVを偽ったり、職業を偽ったり等が出来るらしい。完全に不明にする事も可能らしい。容姿は前のイベントで手に入れた偽りの指輪である程度誤魔化せるので素晴らしいスキルだと思う。特にMP消費が0の所が。
他にも素晴らしいモノは有った。例えば新しく手に入れた靴の付属効果の空中遊歩:7歩は凄い効果だった。
効果は単純で空中を7回蹴れる能力だ。そして1度足を着くと回数はリセットされる。「空中が飛べるのにそんな能力いるのか?」と思う人もいるかもしれないがそんな能力は要るんです。あったら便利なんです。
焔翔はあくまで空を飛ぶ能力なので急減速や急な方向転換に向いていない。なので1蹴りで方向転換が可能なこの能力は本当に今後も重宝すると思う。
他にも別の使い方が有る。
空中でも足場が有れば瞬閃が使えるので最大連続7回の急加速が可能になったのもデカい。
こんな感じで色々と見どころがあるものが沢山手に入った。
「あ、メールか。」
メニューを開いた時に気が付いたがもう5時半に成っていた。時間が経つのは早いな。
メールはフェイからで「何時リグラ・シンに蘇生薬を持って行くの?」と言う内容だった。……あ~、そう言えばそんな事もあったな。
取り敢えず「午前8時~12時までの間ならいつでも良いぞ」と返信しておいた。
さて、もう一狩り行きますか。
今回は月鏡刀の練習をする事にした。時刻はあれから少し経って6時だ。
と言っても途轍もなく良い刀なので跳んで来るグライブロックの前に刀を添えるだけでグライブロックは真二つに成るのだが。そして説明書き通り石を斬っても一切刃毀れしない。
「っても、面倒くさい!!」
100匹位を倒した所で面倒くさくなってしまった。こんな時は一掃してしまうのに限る。早速俺は、跳んで来るグライブロックを捌きながら呪文の詠唱を開始した。
「我、氷の女王にして最強の魔導師。全ての事象を捻じ曲げ氷の世界へ誘う魔女であり、万物を屈服させる魔導師なり。
集え氷の精霊達よ。今、此処に我の意思を反映し具現化する。炎も光も闇も時も空間さえも凍てつかせろ。
氷魔の世界へ誘え―――【絶対零度】!!」
一回でファンブル無しに魔法を発動する事に成功した。周囲は銀世界に変わって全てのグライブロックは時を止めている。ただ、このまま放置しても良いのだが、折角なので氷の地獄も発動して熟練度を上げておく事にした。
一旦、装備を変えて……っと。
「氷魔に閉ざされし者共よ、汝らは愚者なり。我に刃向かった事を悔いるが良い。
我、氷の魔女は罪深き咎人に罰と戒めの楔を打ち込む。汝らは愚者であり咎人でもある、そして永遠の氷は決して砕ける事は無い。覚悟せよ氷の魔女から与えられる罪は重い。
氷魔の楔よ穿て―――【氷の地獄】!!」
長ーーーい詠唱が終了して魔法が発動する。魔物を閉じ込めていた氷が形を変え、中の魔物を氷の杭で貫き惨殺した。
あと余談だが、近くにいたのが殆ど石だったので問題は無かったが、遠くの方の氷が真っ赤に染まっているのを見てちょっと引いた。
最後に氷の解けるイメージをして戦闘を終了した。そして直ぐに装備を元に戻した。
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戦闘終了
「撃破ボーナス」
・20,800 EXP+4,160 EXP 394/394
「ドロップアイテム」
・石×183 ・石ころ×266 ・無骨な石×52 ・綺麗な石 ・オークの鬣×8 ・モール×9 ・毛糸×3 ・上質な毛糸×2 ・太陽の石×3 ・金塊×5
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