LMKW59
[8日目]
「相変わらず、長いな・・・」
まだ、時間も有るし副職業と職業、両方取得するか。
早速、俺は副職業の「無し」を押した。
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取得可能副職業一覧
・暗殺者
・歌姫
・占い師
・絵描き
・演者
・歌手
・狩人
・鑑定士
・技師
・業務
・経営
・詐欺師
・詩人
・生産師
・探検家
・調合師
・釣り人
・盗賊
・農家
・防具職人
・錬金術師
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前よりちょっと増えてるな。めぼしい所で言えば暗殺者、鑑定士、防具職人、錬金術師って所か?罠解除や気配察知が出来る盗賊も有りかな?
うーん。
・・・・・
「よし。コレで行くか。」
少し悩んで俺は、防具職人を選択した。
理由は単純で「武器職人とセットで持ってたら何かと便利かなー」等と思ったからだ。
ついでに本職の方も決めた。
魔法よりもスキルが欲しいと思ったので、二刀流を取得する事にした。
「ふぅ、そろそろ行くか。」
程良い時間に成ったので、俺は1の町の鏡の噴水の前に向かう事にした。
イベント開始10分前に、俺は噴水の前の広場に到着した。人多いな・・・
広場には大量のプレイヤーがいた。人数は・・・3,000?いや、4,000か?
「おーい、ユキ!」
「この声は、ユウか?」
「こっちだー!」
左の方から聞こえる声に向かって歩いて行く。
人混みを掻き分けて進んで行くと予想通りユウが居た。ユウ以外にも、アルファ、摩耶、ミカヅキと勢揃いだった。
「ん?フェイは?」
「フェイちゃんはまだ見て無いぞ。」
「そう、か。」
「さて、どんなイベントなのかな、っと。」
「スイカ割りだろ?」
「それは分かってるだろ。」
「やって見ないとどんな難易度か分からないだろ?」
「そんなの俺が知る訳無いだろ?」
まあ確かに、何事も見てみないと分からないよな。うん。
そんな話をしていると後ろから服を引かれた。
「ん?」
「ユキさん.........」
「フェイか。」
「コレ........MPポーションと..........ハイ・MPポーション」
「お、サンキュ。じゃあこっちも、ギルシュヴェルグ7種セットを3つ。」
「ありがと........」
やっぱりアイテムの消耗激しいな。
フェイから受け取ったMPポーションとハイ・MPポーションを30個ずつイベントリに仕舞った。
「転送5分前です。転送5分前です。転送5分前です。転送5分前です。転送5分前です。・・・・・」
噴水の周りにウィンドウが開いて「転送5分前」の文字がくるくる回っている。
「そう言えばユキ、もう闇の魔法書使ったのか?」
「闇の魔法書・・・ああ、PKからのドロップの奴か。」
「早く使った方が良いぞ。」
「そう、なのか?」
「白君、私も使った方が良いと思うよ。」
「ふーん。分かった。」
早速、俺はイベントリから闇の魔法書を取り出した。
技書と同じ要領で闇の魔法書を開いてみる。ただ、魔法書は技書と違って本当に本のような厚さが有った。
開くと本が光り・・・消えた。
「ん?今回は頭に何も浮かんでこないんだな。」
「へー、そうなのか。」
「ユウ、お前、俺を実験台にしたな。」
「ハハハハ!!」
かなり「いらっ」としたので鳩尾を本気で殴った。
「「って!?」」
「ゴンッ」と良い音が響いて俺の拳に激痛が走った。
まあいい、ユウにもダメージが入ったみたいだしな。
「くっそ!ユキ!てめえ遣りやがったな!」
「はいはい。ユウ君、白君ストップ。」
こんなノリで拳を擦りながら転送までの時間を潰した。
「転移まで後、10.......9........8........7.........6.........5.........4.........3........2........1..........0・・・転移を開始します。」
転移前のカウントが始まり、俺達や周囲のプレイヤーの殆どは会話を中断した。カウントが0に成った瞬間に目の前が白くなり意識が落ちて行った・・・
立ち眩みの様な感じがした後、足が地に着く感覚と意識が覚醒する感覚が起こった。
うぅ・・・地味に気持ち悪い。
酩酊感が消えた後、周りを見回してみる。
正面には樹海、右には砂漠が在って奥に海が見える、左には大きな城が建っている。後ろは噴水が邪魔で何も見えない。
周囲がざわめき出したタイミングで大量のウィンドウが開いた。
「ヤッホー!!みんな~!『3588』です!イベント楽しんでるかなー?」
「「「「「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」」」」」
「な!?うるせー・・・」
1人のプレイヤーが映し出されて手を振っている。と言うかこの声・・・
「おいユキ、この声は・・・」
「白君・・・この声って・・・」
「お兄ちゃん・・・」
「ああ、多分、母さんだな・・・」
「「「「「はぁ・・・」」」」」
ん?何でフェイまで溜め息吐いてるんだ?
・・・・・
ノリかな?
「さて、さて、みんなはメール見てくれたー?」
「「「「「「「「はーーーーーーーーい!!!」」」」」」」」
え、何!?ハァ!?てか、母さん何やってんの!?
「それじゃあ、細かいルール説明は無しで良いね~?」
「「「「「「「「おおおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」
「それじゃあ、早速、第1回夏休みイベント『スイカ割り』大会を始めまーーーす!!!みんな、準備OK~?」
「「「「「「「「オッケーーーーーーーー!!!!」」」」」」」」
「じゃあ、カウント始めるよーーーーー!!みんなも一緒にーーー!!!」
「「「「「「「「「10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・」」」」」」」」」
「スターーーーート!!!!!」
全員が各々が目指した方向に走って行った。
え、もう始まったのか!?
こんな感じで俺はスタートから出遅れたのだった。




