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LUCK and MAGICIAN and KNIGHT the WORLD (運と魔術師と剣士の世界)  作者: 雪氷見♪
フリー『蘇生薬(小)素材収集編』
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LMKW44

[6日目]


「フェイ、そろそろ時間がヤバいから俺は落ちるな。」

「........じゃあね........ユキさん。」

「ん、じゃ。」


 俺は1足先に焔翔ひしょうで3の町に戻りログアウトした。







「ふぅ、間に合った。」

「お兄ちゃん、ご飯は?」

「冷蔵庫のパン出してくれ。」

「はーい。」


 俺はリンゴジュースをコップに注ぎ、朝食の準備をする。


「お兄ちゃんって、本当に薄情だよね!」


 何故か急に貶された。・・・何が?


「嘉月、何を怒ってるんだ?」

「こ・お・り!!」

「ああ、そう言えば。」


 どうやら氷を作らずにフェイの所に向かった事を怒っていたらしい。確かに暑いもんなあそこ。


「悪かったって、また今度斧作ってやるから許せ。」

「・・・ホントに?絶対?」

「ああ、ホントホント。絶対絶対。」

「うん、分かった。」


 許して貰えたらしい。良かった良かった。とそんな場合じゃない、急いで学校行くか。





「よう、黒夜。」

「ああ、佑真か。」

「『ああ、佑真か。』じゃねぇ!!お前なぁ、あの後、大変だったんだからな!!」

「それ、嘉月にも言われた。」

「お前、本当に俺達がどんな目にあったか分かってんのか!?」

「朝から煩いぞ。」

「だあ、ムカつくぅうう!!」


 教室の皆の視線が集まって痛い。ゲーム内だけでしか見られるのには慣れて無いんだよ。

 少し久しぶりに来た教室は|ゲーム(LMKW)の話で盛り上がっていた。そこに隣の佑真アホが「ユキの正体」と言う名の爆弾を投下したせいで。今、教室はその話で持ち切りになっている。

 俺が教室に入ってすぐ、今まであんまり話した事の無い奴に「パーティー組もうぜ!」って誘われた時は本当に焦った。

 因みに今居るクラスのメンバーは25人でその内、12人がゲームを買ったらしい。残りの13人は興味なしが2人、興味はあるがまだ迷っているが3人、ソフトが買えなかったが8人だ。

 俺が言うのも何だが、みんな不健康な生活送ってるな。

 因みに次にソフトが入荷するのは3日後らしい。ちょうどイベントの後と言う事から何らかの支援が入ると思われている。例えば1日、取得経験値2倍などだ。


「佑真はどんなイベントだと思う?」

「何がだ?」

「今回の夏休みイベントだよ。」

「ああ、アレか。さあな、確か時間は3時間だろ?なら、巨大エリアでのPK戦とかじゃないか?」

「そんな事あるか?」

「・・・無いな。」

「もうちょっと考えて喋れよ。」

「じゃあ、迷路とかじゃねえか?」

「まあ、それならありえるかも・・・知れないな。」

「だよな!」

「黒君、佑君おはよ~」

「ああ、摩耶か。おはよ。」

「ああ、摩耶さん。」


 この後、摩耶にも氷の事で愚痴られるかと思ったがそんな事は無かった。




 今、俺はクラスの大掃除をしている。正直、面倒くさい。摩耶や佑真とは班が違うので話し相手がいない。事は無いのだが俺に話しかけて来るのは、レクチャーを求めて来る廃人勢のプレイヤー。

 そんな相手に運の良さでユニークを引いただけの俺が話に付いて行ける筈も無く相槌だけ打っている状況だ。


「それで、ユキの職業って何なんだ?良く聞くのは魔法剣士だけど。他にも魔法使い、炎使い、裏魔法使い、後は魔術師何かの噂もあったな。」


 そう問いかけて来るのは廃人勢Aの高山。因みにキャラクターLVは 66 。


「えっと、魔導剣士だぞ。ユニークな。」

「やっぱりユニークか!かっは~良いな俺もユニーク欲しいぜ。」


 そんな事を言うのは廃人勢Bの山本。キャラクターLVは 72 。


「山本はまだレア職なだけ良いじゃねえか。俺なんかただの弓使いだぞ。」

「何言ってんだ、こっちは槍使いランサーで魔法使え無いんだぞ。」

「はいはい、2人共ユキ様が困ってるからやめなさい!」


 高山と山本の喧嘩を止めたのは廃人勢Cの村上。キャラクターLVは 69 。あと、学校でユキ様発言は勘弁して欲しい。


「それでユキ様の職業の魔導剣士ってどんな職業なの?」

「学校でユキ様は勘弁してくれ・・・」

「うん、分かったから。それでどんな職業なの?」


 どんな職業って言われてもな・・・


「うーん。魔法を使って攻撃したり、魔法を剣に付加エンチャントして戦ったりとか?」

「噂通り、魔法剣士の上位職みたいな感じね。」

「村上、魔法剣士と魔導剣士って何が違うんだ?」

「え、ユキ様使ってるのに気が付いてないの!?」

「えっと、何を?」

「魔法よ!魔法剣士は属性を付加することは出来ても使う事は出来ないのよ!!」


 へー、魔法剣士って魔法使えないんだ。あと、さり気無くユキ様って呼ぶな。


「ねえ、お願いユキ様!私達とパーティー組んで!!」

「あはは、ごめん。もうパーティーは組んでるんだよな。」


 まあ、フェイと2人だけど。その後も廃人3人の勧誘は続いた。





「ハァ、疲れた。」

「黒君お疲れ様。今日は大変だったね。」

「ああ、もう最悪なレベルで。」

「ハハハ、ドンマイ。」

「まあ、こんな事に成ったのはどっかのバカが要らない事を言ったからだけどな。」

「・・・・・」


 遠回しに嫌味を言っておいた。俺達は帰り道の途中で道草をしている。ハァ、走って家に帰ろうとしたら佑真と摩耶に捕まったのだ。2人が言うには少しくらい外で息抜きしろだそうだ。


「それで、これから如何するんだ?」

「取り敢えず、遠回りして帰るか。」

「・・・それだけか?」

「ああ。」

「・・・・・帰る。」

「ダメだよ、黒君。」


 素早く摩耶に腕を取られてしまった。力強!?俺が非力なだけかもしれないが、摩耶の腕を振り解ける気がしない。腕を拘束された俺は諦めて2人に付き合うしか無かった。


「それで?明日の大会はどんな感じで行うつもりなんだ?」

「取り敢えず、派手にやるつもり。」

「へー、優勝賞品は?」

「・・・・・」


 これは用意して無かったパターンか。まあ、明日までに何とかするだろ。多分。


「他にルールはどうなってるんだ?」

「それなら、16人の勝ち上がり戦にするつもりだ。」

「ふーん、メンバーは?」

「俺に、ユキに、摩耶さん、ミカヅキちゃんに、アルファ、フェイちゃん、シャドウ、ヨミナちゃんに、リオン。轟に、ルュミちゃん、リオリナに、さっきユウが絡まれてたガチ勢3人だ。」

「え゛・・・あいつら来るの?」

「まあな。」

「3人共、凄く強いから私達も頑張らなきゃね。」


 すでに勝てる気がしなくなった・・・

 


 思った以上に短くなりましたがこれで蘇生薬(小)素材収集編は終了です。次の章は『PVP大会編』です。此処で1度休憩を挟みます。次回の更新は7月21日の9時です。

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