LMKW42
[5日目]
リグラ・シンと名乗るヴァンパイアが現れたのだが・・・
「所でだが、貴様は何をしに此処へやって来たのだ?」
「『呪血石』........を手に入れに..........来たの!」
「・・・・・」
マズイな。このヴァンパイアLVが 184 も有るんだが・・・イグニス・ワイバーンよりLV高いし。
「そうか、そうか!!『呪血石』か!!それなら此処に有るぞ!」
「フェイ、3カウントで逃げるぞ。」
俺はフェイにだけ聞こえるような声で呟いた。筈なのだが。
「ちょ、ちょっと待て!吾輩は暇なのだ!!貴様達を殺すつもりは無い!!!」
「そんな事は信じられるか!フェイ逃げるぞ!!焔よ来い【焔翔】!!」
フェイを抱え上げて逃亡した・・・
だが、一瞬で俺の前にヴァンパイアが移動した。
「くっ、焔よ来い【焔翔】!!」
2重で焔翔を使い再び逃亡する。バックステップの様に後ろに飛びヴァンパイアと距離を取る。
「だから逃げないでくれ!!」
「うわ!」
そしてまたヴァンパイアは目の前に瞬間移動したように表れる。
「焔よ来い【焔翔】!!!」
このヴァンパイアは本当に心臓に悪い。俺はもう血相を変えて逃げる事のみを考えていた。
「ユキさん.........落ち着いて.........」
「フェ、フェイ?」
「多分..........大丈夫........」
「何が!」
「攻撃する.........気が無い」
「何度もそう言ってるじゃ無いかぁ!!」
半ベソを掻きながらヴァンパイア・・・リグラ・シンが言う。まあ、確かにこのLV差ならもうやられていてもおかしくない。
すぅ。はぁ。すぅぅ。はぁぁぁ。
俺は1度深呼吸した。
「ユキさん.........落ち着いた?」
「ん。」
「良かった..........」
「ふぅ、折角の遊び相手が居なくなる所だった。」
以外にテンパるって恥ずかしいな。俺は異常なむず痒さを感じながらもフェイに心の中で感謝した。
「それで.........何?」
「先程は驚かして済まなかった。吾輩はリグラ・シン。ヴァンパイアなり!!」
「いや、まあ、それは聞いたんだけどさ。」
「『呪血石』........くれるの?」
フェイが直行で本題を聞く。
「やっても良いが条件がある。吾輩は暇なのだ!だから遊び相手になれ!!」
「どの位.......?」
「1つで20分だ。」
「分かった.........6時間.........相手する。」
フェイさん?何を勝手に決めてるんですか?俺は直ぐにウィンドウを開いて時間を確認する。今は22:56。6時間だと朝5時!?学校に8時出発だから7時には切り上げて・・・
学校までに蘇生薬の素材を集めるのは無理かもしれないな。
「うむ!吾輩の屋敷に招待してやろう!!」
そう言ってリグラ・シンは俺達の肩に手を置いた。
それは一瞬の出来事だった。一瞬で目の前の景色が切り替わった。
そして目を開けた時に俺達が居たのは部屋だった。赤いカーペットにシャンデリア、ダーツボードやビリヤードの台などゲームでよく見かけるカジノの様な一室だ。
「さて、何からする?ビリヤードか?それともポーカーか?チェスなんかもあるぞ!!」
「先ずは.........ダーツ。」
「フェイ、意外にノリノリだな・・・」
俺はこのハイテンションに付いて行ける気がしないんだが・・・
俺達は早速ダーツボードの近くの高机に移動する。リグラ・シンが矢を高机の上に並べ準備してくれる。
「少年?所で何か飲むか?」
「ああ、『ユキ』です。それじゃあ、折角なので。」
「『フェイ』です.........よろしくお願いします.........後、私も.........頂きます........」
リグラ・シンが指を鳴らすと遠くのワインセラーが開き、1本のワイン?が飛んで来た。ふわふわ~っと飛んで来たワイン瓶をリグラ・シンが手に取り高机に置く。そしてもう1度指を鳴らすと、次は食器棚が開きグラスが3つ飛んで来る。
ファンタジーだな。そんな事を思いながら徐々にグラスに注がれて行く赤い液体を見る。
「「血?」」
「いや、ただのワインだ。」
「「・・・・・」」
フェイと2人で半眼になりながらも飲んでみる。
ごくごくごく。
グラスの半分程まで注がれたワインはたったの3口で飲み終わってしまった。あ、そう言えばワインってチマチマ飲むんだっけ?
「美味しいけど、チマチマ飲むのが面倒くさい・・・」
「ハハハ、少年そう言うな!!ほら、もう1杯。」
そう言いながらもう1杯注いで貰う。何と言うか20歳に成りたての新人社員が上司に良いお店に連れて行かれた時の様な心境だ。
「ユキさん........そろそろ始めま........しぇんか?」
「ああ、そうだな。」
早くもフェイが出来上がりつつある様だった。
ゲームを始めてから2時間が経った。今はビリヤードをしている。因みにダーツだがフェイが異様に強かった。中心に3連続で当てたりしていた。これは投げナイフの恩恵か?
「次.......ユキしゃん.......でふよ。」
「ん。」
「ほらほら少年!!まだ1勝も出来てないぞ!!」
「ん。」
俺もフェイもすでに酔いが回っている。フェイは呂律が回らなくなり、俺は思考力の低下でかなり無口になっている。右上の簡易ステータスには泥酔のバッドステータスが表示されている。と言うか泥酔ってどんなバッドステータスだよ。
「少年、次は3番だぞ。」
「ん。」
俺はキューで手玉を弾き3番の球に当てる。残念ながら3番の球はギリギリポケットに落ちなかった。
4時間後、俺達はスロットを打っていた。ただ無心で中、右、左と押し続ける。スイカもチェリーも強化された身体能力の前では止まって見える。
「ユキしゃん........次、アレやりまひょ?」
「ん。」
そう言ってフェイはゲームの競馬を指差した。
6時間後。
「もぉダメ.........」
「ん・・・」
「吾輩ももう限界・・・」
3人共、酔い潰れていた。
「ユキしゃん.........」
フェイが立ち上がりグラスの中に水を注いでくれる。それを飲むと同時に一瞬で酔いが覚めた。グラスの上から指で突き確認する。
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『泉の聖水(浄化)』(魔法薬)
効果:状態異常無効化(弱)
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成程、泥酔は状態異常だから無効化できるのか・・・なら何故、最初から使わなかった。
俺は急いでフェイのも聖水を飲まし状態異常を回復させた。ついでにリグラ・シンも。
「いやー感謝するのである。そしてコレが6時間付き合ってくれたお礼だ。」
「.........ありがと。」
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報酬
・呪血石×20
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現実での飲酒は20歳を過ぎてからですよ~。




