LMKW2
『LMKW』はそのまま(エル・エム・ケー・ダブル)です。
[1日目]
「おいお前等、何でついて来てる。」
「え?お前ん家で初回プレイするからだろ?」
「お兄ちゃん元々そういう予定じゃ無かったの?」
「え・・・」
「私もそう聞いたよ?」
「佑真お前、図ったな・・・」
「さっ」と目線をそらされた。
「ハァ、まあいい。取り敢えず始めるか。」
「やったー家だークーラーだ―!」
「嘉月うるさい。多分まだ母さんと父さん寝てるんだからな。」
「はい・・・」
手を口に当てる嘉月、「小学生か!!」と突っ込みそうになったが、よく考えたらまだ中学1年生だった。
鍵を使って家の扉を開ける。
「お邪魔しまーす。」
「お邪魔します。」
「ただいまー。」
「だからお前等、静かにしろ。」
一体さっきの手は何だったのだろうか・・・
「ハァ、とりあえずお前等、俺の部屋でやるぞ。」
「了解ー」
「はい。」
「はーい。」
「もう突っ込まない。」そう心に決めた。
部屋に入ると熱がかなり籠っていた。部屋はいつも掃除しているので綺麗だが何というか嫌だった。取り敢えずクーラーを付けて3人を招き入れる。
「おークーラーが効いている!!」
「さぁ、やるかぁ!!」
「やりましょうか。」
もう寛ぎ始めている3人、まあ良いんだけどさ・・・
みんな本体を取り出してきて。付ける。本体はエアガンのゴーグルのような形になっていると言ったら分かり易いかな?
そして俺も本体を取り出して、今日買ってきたソフトを入れる。そして本体を付けてベットの上で横になった。というかもう下に俺の寝転ぶスペースが無かった。
俺は電源を入れて脱力すると意識が徐々に遠のいて行った。
「GAME START」
そんなアナウンスと共に俺は真っ白な部屋にいた。
「名前を入力してください。」
そんな声と共に、俺の目の前にキーボードが出現する。取り敢えず俺は予定通り「ユキ」と入力。.......完了。
「『ユキ』さんですね?」
目の前にYES or NO文字が浮かんでいた。もちろんYESを選択。
「痛覚率を決定してください」
次は目の前にメーターが出てきた。20%~0%まで調整できるらしい。まあ、取り敢えず5%で。......決定。
「プレイチュートリアルは必要ですか?」
再びYES or NO。今回もYESを選択。すると再び意識が遠のき・・・
気が付くと先程より少し広い真っ白な部屋にいた。
「チュートリアルを始めます。」
すると、藁でできた人形のようなモンスターが出現する。それと同時に目の前に剣が出現する。
「攻撃してください。」
目の前の剣を抜き、藁を斬る。すると斬りつけた場所から 10 と数字が出現する。それと同時に藁の上にメーターが出現した。
「これが相手のHPです。これを全て削りきると敵が消滅します。それではやってみてください。」
剣で何度も斬りつける。一回目は少し弱めで斬るダメージは 5 。2回目はかなり強めで斬る 17 。3回目は 12 。4回目は 6 。それと同時に敵が光の粒になって消滅した。
「おめでとうございます。次は魔法のチュートリアルを行います。」
すると次はスライムが現れた。
「剣で斬りつけてみてください。」
スライムをかなり強く斬りつける。ダメージは 3 。あまりに簡単に切り裂けてしまった。だがスライムは真二つになっていなかった。
「このように剣では相性の悪いモンスターがいます。そういう時は魔法を使ってみてください。」
「魔法の使い方は簡単です。詠唱と技の名前を唱えるだけで発動します。ただし威力が高くなるほど詠唱の時間は伸びます。」
「使える魔法はストレージのステータスで確認できます。それではやってみましょう。」
目の前に絵が浮かんでくる。指先をまとめてから、拡大するように開く動きだ。同じ動きを試しにやってみると、行った場所にウインドウが開いた。
多分これがストレージなのだろう。そこからステータスを選択。表示されたステータスはこんな感じだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ユキ」
・HP 100(+0) ・MP 10 (+0) ・ATK 10(+0) ・DEF 10(+0) ・MATK 10(+0) ・MDEF 10(+0) ・SPD 10(+0)
「職業」
・魔法使い(遠距離型)
「副職業」
・なし
「装備」
・初期装備Bセット
「魔法・スキル」
・ファイヤ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
分かり易いくらいチュートリアル装備だ。まあそんな事は置いておいて。ファイヤを選択。すると説明書きが表示される。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「魔法・スキル」
・ファイヤ……消費MP 2 属性 火 詠唱 無し
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
よし。なんとなく理解できた。取り敢えず使ってみようか。
「【ファイヤ】!!」
スライムに向かってファイヤを撃った。すると大文字でスライムにダメージが表示された。ダメージは 30 。スライムのゲージの約6割を削り取った。強いな。
「今のが魔法攻撃です。右上にある自身のステータスを見てください。」
うん、MPが減ってる。右上には簡易ステータスが有る。名前と残量HP/最大HPと残量MP/最大MPだ。さっきの魔法攻撃でMPが 10 から 8 に減った。
「魔法攻撃のチュートリアルは終了です。あとは実際に戦闘してみましょう。」
するとダメージを与えたスライムが消えて、代わりに小さいサイのようなモンスターとHPが満タンのスライムが出てきた。あと、俺のMPが全回復した。
「それでは頑張ってください。」
そのセリフを皮切りにモンスター達が動き出した。取り敢えず剣で倒せるサイ型のモンスターから倒すことにした。
2匹のモンスターが突っ込んでくるが、スライムは動きが遅い。なのでおのずと先にサイと抗戦するようにできてある。良くできてあるな。
俺はサイの突進を右に跳んで避ける。するとサイが勢いよく壁に突っ込んだ。
俺は背後からサイを斬りつける。10回斬ったあたりでサイのHPが 0 になった。それと同時に背中に痛みが走る。
スライムから攻撃を受けたらしい。意外に痛くないな。まぁ5%だしな。HPが 97 に減った。
「【ファイヤ】!」「【ファイヤ】!!」「【ファイヤ】!!!」
スライムはファイヤ3発で倒しきれた。VRMMOやっぱりいいな!!ホントに戦ってるみたいだ。
「これでチュートリアルは終了です。それではLUCK and MAGICIAN and KNIGHT the WORLDをお楽しみ下さい。」
また意識が遠のいて行った・・・