LMKW16
[3日目]
・・・右側の空き地が建築中になっていた。一体誰が買ったんだろうか。まあそんな事は置いておいて、今はついに出来た俺の家の中を見て回るか。因みにだが俺の家の外装は青い屋根で2階建て、1階正面には左に扉と右に窓が、側面にも窓が2つずつある。2階は左右正面に窓2つずつのかなり広めの家になっている。何というか普通な家である。兎に角、中に入るとするか。
まず玄関で靴を脱ぐ。正面には廊下、突き当りには階段が有り、右側には各部屋の扉が付いている。奥からトイレ、リビング、作業場だ。何の作業場かと言うと武器を作るための竈などがついてある。言わば鍛冶工房だ。
次に2階に向かう。2階は寝室と物置とキッチンだ。何故キッチンがリビングと離れた場所にあるのかと言うと、工房は火を扱う性質上、地面の上にしか作れ無いらしく。気がついたらキッチンを作るスペースが無くなっていたと言う冗談のような理由らしい。実はこの辺がこの家を格安で買えた理由だったりする。
取り敢えず俺はリビングにソファーといすと机を並べて行く。・・・ちょっと買いすぎたな.......俺はそっと木の椅子2つをイベントリに仕舞ったのであった。
次は鍛冶工房に籠って武器職人のLV上げをする事にした。だがまず、
「素材買いに行くか・・・」
それで無くても今はかなり金欠なのだが、ここはLV上げの為に我慢だ俺!
因みに武器用の鉱石を売っているお店はすぐ目の前である。家を出て約20秒で目的のお店に到着した。取り敢えず鉄を20個と銅、鋼を10個ずつ買っておいた。
家に戻って竈に大量に入っている石炭を火をくべる。あとは武器職人の職業補正で体が自動で動く、鉄や鋼を熱し、伸ばしたり、曲げたり、折ったり、合体させたりとプロセスも知らないのに剣を作っていく俺。と言うか軍手つけてても金具の持ち手が熱い!そして見た事が有る段階まで来た。かなり細長くなった鉄や鋼を組み合わせた金属棒。それを再び温めて叩き、温めて叩きを繰り返す。そして水に浸けたりとかなり慌ただしい。だがそれもついに終わった。ついに俺の初めての剣が出来上がったのだ。
集中力が尽きて「ドッ」と疲労が押し寄せてくる。あとは武器に名前をつければ完成だった。うーん悩むな。
「まあ、初めて作った剣で『初作剣』で良いか。」
俺がそう呟いた瞬間にウインドウが開く。
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『初作剣』(剣)
ステータス:攻撃力+20
付属効果:通常攻撃攻撃力+1%上昇
耐久値:30/30
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これは思った以上に重労働だな・・・剣1本作るのに2時間掛かってしまった。だがまあ武器職人のLVが4に成っていたので良しとする。
あと、暑い。ホント暑い。ただ只管に暑い。武器を作っていた時は緩和されていたのだが、夏の厚さと竈の熱で凶悪な暑さになっている。
さてと、武器の強化ってどうするのかな?自問してみても見当がつかないので、スレッドを活用してみる事にする。
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「チャットウインドウ」
『街道攻略組Part.12』 125/300
『生産師達集まれ~!! 7』 217/300
『素材泥率計測班よりPart.21』 289/300
『碧緑の薬師の情報求Part.13』 197/300
『ポーション系レシピ交換所Part.4』 300/300
『ポーション系レシピ交換所Part.5』 2/300
『紅翼の銀少女様がマジ神すぎる件について(18)』 149/300
『ソロ無理ゲーww誰かパーティー組んでw』 16/300
『殺人鬼ヘルキラ遂に300人斬り突破!! スレ3』 277/300
『鍛冶師集まれ―――!!14』 75/300
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「無駄に盛り上がってるな・・・」
目的のスレから3つ上何か見てはいけないモノを見た気がした・・・『鍛冶師集まれ―――!!14』のスレを押そうとする指が自然に『紅翼の銀少女様がマジ神すぎる件について(18)』を押していた。
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スレッド 『紅翼の銀少女様がマジ神すぎる件について(18)』
・1「誰かが俺の上げたユキ様画像を報告していく・・・」
・2「ww」
・3「え、もうユキ様の画像撤去されちゃった?」
・4「俺も拝みてぇぇぇええ!!」
・5「どうせそういう感じの犯罪すれすれ行為は撲滅されていく・・・」
・6「運営仕事しろ。ユキ様の貞操を守れ。」
・7「男の娘最高!!」
・8「エビ相手に1人で無双する、ユキ様をこの間見かけた。」
・9「エビって3の町への街道の?」
・10「イエス。」
・11「あれって適性LV30以上の3人パーティーで攻略じゃなかったケ?」
・12「30の場合は3人じゃなくて4人。」
・13「35で3人。」
・14「PANEEEEeeeeeee!」
・15「マジ、女神様」
・16「男だけどな。」
・17「だが、それがいい。」
・18「17に同意。」
・19「上に同じ」
・20「上に同じ。」
・21「イアラ、マジックタートルを1人で無双する、ユキ様発見。」
・22「さすがにそれはデマ。」
・23「ほらな?今のスクショ見たら信じるだろ?」
・24「ス・ミ・マ・セ・ン・デ・シ・タ」
・25「なんかムカつくなw」
・26「こら!ユキ様の御前で喧嘩をするな!」
・27「武士か!!」
・28「それでイアラとマジックタートルって適性どんなだった??」
・29「LV37で、魔法職、物理職1人以上必須。」
・30「ユキ様マジ化け物www」
・31「ユキ様を化け物呼ばわりとかマジ引くわー・・・」
・32「31に同意」
・33「ユキ様は俺達の........」
・34「女神!!」
・35「女神!!!」
・36「女神!!!!」
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「・・・何故男と知っていて『少女』や『女神』呼ばわりする・・・」
完全に本題を見失っていた。そんな時に、
ピ~~ン・ポーン♪
呼び鈴が鳴った。何かと思い外に出てみると顔見知り程度の人物がいた。
「あ......あの.......隣に引っ越してきた......『フェイ』です......」
「よ!」
「え......?」
そこにはフェイが居た。ってえ?隣に引っ越してきたって・・・ええぇぇぇえええ!!どんな偶然だよ!!しばし停止する俺とフェイ。先に俺の方が再起動した。
「引っ越してきたって横、お前の家か?」
「え、あ........はい......」
「マジか?」
「は.....はい......マ、マジ....です。」
「ハァ、取り敢えず上がっていくか?」
「良いん......です....か?」
「ん。」
俺は取り敢えず扉を開けて中に入るよう勧める。だがフェイは俺の家の敷地に踏み込んでこようとしない。
「どうした?」
「あ......あの.......入場....許可が......無いから.....入れ無いです。」
「すまん。今、許可する。」
そう言えば個人所有の建物には許可が無いと決して出入り出来ないんだった・・・
今日もコーヒーを飲みながら頑張って書いてます。
後、今回のスレッド話、個人的にはすごい好きです。