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氷雪の狙撃手  作者: ゆうかりはるる
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4-3

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 一部ではまだ、こだまのように、ミサナコールが響いていたが、次第にそれをざわめきが覆ってくる。

 コールが起こってから五分以上が過ぎて、さすがに演出としても引っ張りすぎだろうという雰囲気がまさっているようだ。

 それでも、既に十分以上も「待機」の構えで直立しているステージ上の四人の制服乙女たちは、華やかなれどさすがは軍人予備軍の訓練生たちである。

 このステージに上がった、「選ばれた」少女たちは、いずれも将来の士官候補たるエリートである。彼女たちは、確かに容姿の点でも優れているかもしれないが、ここは軍直轄の女子校、すなわち、予備投票の投票権を持っているのは指導教官を除けば女生徒のみである。

 同性の、同年代の少女たちから、将来自分の命を預けるにふさわしい人物として選ばれた、という側面もある。そういう意味で士官候補、なのだ。

 もっとも、そうは言っても、鉄面皮の上に凛々しくもつつましやかな笑顔を貼り付けた彼女たちとても、内心で考えていることは様々だ。

 これが軍事教練の最中であれば、「動け」と命令されるまでいくらでも待つこともできるのだが、下級生のライバルに理由もわからないまま待たされている、という現在のこの状況下においては、余計な感情が、いや、むしろ、もともと抱いている感情が浮かび上がってくるというものだ。

 強いて言えばキラ先輩に限って言えば、午前中のミサナとの対決によって気持ちとしてはさっぱりしているのだが、それでも、「先輩をおちょくるのもたいがいにしろよ!」くらいのことは考えていて、かつまた、彼女に限って言えば、一部それが表情に出てもいる。

 ともかく、待てど暮らせど現れないミサナ。それは、何かが起こっているということを思わせるには十分な時間がすでに過ぎ去っていた。

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