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Dark Mother  作者: 龍炎竜邪
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王室会議

部屋を出たオレは 赤い絨毯(じゅうたん)の引かれた廊下を真っ直ぐ進み 中央にある 円卓の間へと急いだ



普段 見慣れた平和な筈の城内は ここ数日起こり続けている 不可解な事件のせいか 少し不穏な空気が流れているのを オレは感じ取っていた



赤い長髪を襟首で縛り 王室のワッペンが付いた法衣を纏って歩くのは いつもより歩き辛さが否なめなかったが それでも着なれない法衣の裾を揺らしながら オレは歩いた



2分程歩くと ソルディスの紋章である 金色の鷹の紋章の入った横断幕が掲げられた 円卓の間が見えてきた



カタル

『遅いぞユース!』



ユース

『悪ぃ悪ぃ!ちと寝坊したわー』


カタル

『全くお前は…いつもいつも会議に遅刻ばっかしやがって


しかも今日は 特に重要な議題だと分かってるだろうが』




ユース

『あーもう!分かってるっての!

起きたくても起きれねーんだよ!デリケートだから!』




カタル

『意味が解らん!』



ユース

『解ってもらわんで結構ですよーだ(ベー』




カタル

『ぬぅぅ…!!そうか!ならば明日からお前の朝食は 全てセルフにしてやるからな!自分で取りに行けよ!』




ユース

『何ぃ!?そ それは困る!!』




カタル

『何故だ?』




ユース

『めんどくせぇからに 決まってんだろが!』




カタル

『なら 寝坊した事を謝るんだな そうすれば許してやる』



ユース

『くぅぅ…わ 悪かったよ!ふん!』




カタル

『あ~ん?聞こえんぞ?もっと心を込めて謝るんだな~(笑』



ユース

『《うぁぁぁぁっ…!!

超ムカつく!マジムカつく!!


でも…朝飯セルフは嫌だ…!》』




ユース

『す…すいませんでしたぁぁっ!!!』



カタル

『…ふん 仕方ない しゃなあしで許してやる』




ユース

『《くっそぉぉ…いつか王の座に就いたその時には…てめぇ速攻で離れ島に左遷させてやっからなぁ…!!》』



…この やたら固くて口の悪い男の名は カタルセビィ=レンドローク



黒髪短髪で 背は180cmある



オレよりも20センチも高い 



王室では 近衛隊長にして 王軍の最高権力者だ



オレが小さい頃から 剣術を叩き込んで来てくれた まぁゆうなれば オレの剣の師範でもある



だが 見ての通りの口の悪さのせいか 兵士達の評判は すこぶる悪い てか最悪だろう



オレはいつか コイツから剣技を全て盗んで 今までオレについてきた悪態に対して 復讐してやろうと 心に決めている



見てろよ…いつかてめぇを 火も水もねぇ島へ送り飛ばしてやるからなぁ…!




カタル

『おい!ユース!何を一人で

ブツブツ喋ってんだ!?』




ユース

『ん!?な 何でもねぇよ!

てか 会議の時間はとっくに過ぎてるっつーのに 王室幹部らの姿が一人も見当たらんのだが どうゆうことだよ?』




カタル

『あぁ 幹部らは 全員 中庭に集まっている オレ達も今から向かうぞ』




ユース

『はぁ?中庭?』




カタル

『そうだ 何やら大司教が見せたいものがあるからとかで 急遽中庭で会議を行うことになった』




ユース

『めんどくさー そんなの円卓の間でやりゃいいじゃねーかよ』




カタル

『オレに言うな とにかく行くぞ』




カタルに言われ 渋々オレは円卓の間を後にし 二人で中庭を目指した




円卓の間から中庭までは さっき来た通路の途中に 通用口があって そこから向かうことが出来る



オレとカタルは 通用口を抜け 中庭へと出た




そこでオレとカタルが目にしたのは 想像もしなかった 異様な光景だった




緑の草と オーロアと言う紫の花が咲き乱れる綺麗な庭園の向こうで 幹部達が取り囲んでいたものを見て オレは思わず絶句した




何と 身の丈50メートルはあるかの 巨大な黒猫が横たわっていたのだ




黒猫は気絶しているのか 横たわったまま ピクリとも動く気配はなかったが カタルもオレと同じく その巨大な黒猫を目の当たりにし いつもの冷静な顔つきが 狐に摘ままれたかのような顔に変わっていた




ユース

『こ…こいつぁ一体…!?』




ルハイド

『おぉ 来たか二人共』 




この爺さんは ソルディスの王室軍師 ルハイドだ




白髪に白髭 茶色のローブに身を包んだその姿は 一見華奢に見えるが その魔力はソルディス随一で 今だかつて ルハイドに魔力で勝った者はいない程だ




ルハイドは 普段は国王である親父と共に 外交業務で他国を周っている為 王室会議も 滅多に出席することはない




久々に見たが 心なしか さらに痩せたような気がした




カタル

『ルハイド卿 この巨大な黒猫は一体何なのだ?』




ルハイド

『うむ それが今からの会議の議題でもあるからの 


おいお前達!ここに集まってくれ!』




ルハイドに呼ばれ 横たわる黒猫の手前に集まるように集合する幹部達




ルハイド

『皆の者 本日集まってもらったのは他でもない 

最近 この辺りに出没する 巨大な黒猫の件についてなのだが…』



ルハイドは ふぅー…と 一つ息を飲み また話しを続けた



ルハイド

『この黒猫は ワシが昨日 城の外の森で偶然出くわした時に 気絶させて連れてきたのだが しばしこの猫を調べてみて 解ったことがあるのだ




この黒猫は 生き物ではなく 魔力で作られた生命体だと言うことが解ったのだ』



ユース

『魔力で作られた…だと?




ルハイド

『そうじゃ 恐らく何者かが作ったことには間違いないが さらに驚くべきことが解っての…




そこまで話すと ルハイドの唇が 少し恐ばるかのようになったが ルハイドはその唇を真一文字に引き締めると さらに説明を続けた




ルハイド

『この世界の魔力ではない 別の魔力で作られたものだと言うことが解ったのだ』




ユース

『別の世界の魔力?』




ルハイド

『そうだ これがどういう意味を現すか 解るか?』




ユース

『いや 全然解んね』




カタル

『ユース…お前 つくづくバカだな 


バカの化身だなお前』




ユース

『はあっ!?何だとコラァ!


もっぺん言ってみやがれテメー!!』




カタル

『ユースよ この空中世界は 何で浮いている?




ユース

『はぁ!?そんなの この世界のオーブの魔力に決まってんじゃねぇか 


それが何だってんだよ』




カタル

『この世界で流れる魔力の法則は この空中世界を持ち上げているオーブからの魔力で成り立ってるだろう


その魔力以外の 別の魔力が流れ込んでるかもしれんということだ!』




語気を強めたカタルの唇もまた 先のルハイドみたく 恐ばっていた




ユース

『…ん?ちょっと待てよ 


てことは何か?


オーブの魔力以外の魔力が この黒猫を作った魔力だとしたら その魔力が オーブに影響するって事か?』




ルハイド

『そうだ 魔力の法則は絶対じゃ 何人にも破ることは許されん


太古の昔より オーブ以外からの魔力を使用することは 固く禁じられてきてるのじゃ


その法則を破れば オーブが保つ魔力のバランスが崩れ 保たれてきた一定の魔力の流れが 狂いだすこととなる!』




ユース

『…ちょ ちょっと待てよ!

この空中大陸を持ち上げてるオーブの魔力の流れが狂うってことは…つまり…』



ルハイド

『この大陸が 地上に落ちるという事じゃ』




ユース

『そ…そんな…!』



オレは驚きと恐さで 身震いが止まらなかった




もうすでに この黒猫を作った魔力が この世界に流れ出しているということは もうすでにオーブがその魔力を関知し 合流しているかもしれないということになる




カタル

『いつ この大陸が落ちても おかしくないということか…!』




ユース

『この大陸が…落ちる…』




オレは 想像を絶することに 言葉を失った




この大陸が落ちれば 下にある地上界は 無事で済む訳がない


勿論 この空中大陸もだ




ユース

『何とか…何とか魔力がオーブに行き着くのを 止める方法はねぇのかよ!?』



オレは震える体で ルハイドに聞いた




ルハイド

『…ない』




ユース

『ないだと!?


それを調べるのが 司教である テメェの仕事だろうが!!』



カタル

『ユース!!

やめろ!!

落ち着け!!』



カタルに制され 半ばパニックになりかけてたオレは ハッと我に返った




ユース

『…すまねぇ』




ルハイド

『………方法が 

ない訳でもない…』




暫しの沈黙の後 ルハイドが静かに 恐ばる口を開き 話した




ユース

『あるのか!?

どうすりゃいいんだ!?』




ルハイド

『今あるオーブを破壊し これから流れる魔力で 新たにオーブを作る…』




ルハイドの説明に 微かな希望が見えたと思ったオレの気持ちは またも落胆へと変わった




ユース

『オーブを作り直すって…そんな事 誰が出来んだよ?』




ルハイド

『……分からん』




ユース

『…何だよそれ…

じゃあ何か!? 今からオーブを作る人を この世界中回って探せってのかよ!!


こうしてる間にも 大陸が落ちるかもしれねぇって時に そんな時間あるのかよ!!』




『グガアァァ…ァッ!!!』




ユース

『……えっ!?』




その時オレは 獣のような鳴き声のする方を見た…!




声の主は…何とさっきの黒猫だった…!


気絶していた筈の黒猫が いつの間にか目を覚ましていたのだ…!




ユース

『何っ…!?』




ルハイド

『ぐっ!もう目が覚めたのか…!』




黒猫は しゃがみ込むようにこちらを睨みつけていた 



血の様に紅い瞳は まるで見るだけで身の毛もよだつ程の恐怖感を漂わせている…!



ユース

『ひ…ひぃっ!』

オレは黒猫の気迫に 腰が抜け ガクガクと震え上がった…!




カタル

『ふん!

来るなら来い!!



カタルは黒猫に言い放つと 肩に背負った重剣を 鞘からゆっくりと引き抜いた


オレと違って 地上界で狂暴な獣相手に修業してきたカタルは 黒猫の気迫に 一歩も劣る姿は見せなかった



カタル

『うらぁぁぁっ!!!』



軽く2メーターは越えるであろう 巨大な重剣を構えながら カタルは黒猫へと突進していった!



(シュバッ!!)



カタルの重剣が黒猫の頭上へと振り下ろされようとした 次の瞬間 黒猫はあっさりと身をかわす…!



カタルが間髪入れず 剣を構え直し 凪ぎ払うかのように黒猫に斬りかかろうとしたその時だった!


黒猫の巨大な腕が カタルの左肩へと振り下ろされた…!

 


(ヂュインッ…!!)


カタルの鎧の肩当てが 鈍く欠ける…!


カタル

『…ふん!

力は 大した事なさそうだな!』




カタルは 少しよろめいた程度で そのまま体制を崩すことなく すかさず黒猫へと剣を構え直した…!



カタル

『ユース!!』



ユース

『……!!』




カタル

『オレがいつも稽古の時に言ってた言葉 覚えてるか!?』


ユース

『……な…!?




オレはカタルの問いに答える以前に 腰が抜けたままの状態で 口すら開く余裕もなく ただ呆然とカタルの方を見つめていた…



カタル

『忘れたか!?


【剣を極める事


それ即ち… 


命を預ける事】という事だ!!』




ユース

『……あ…あっ…』


カタルがそう言った瞬間 オレの脳裏に カタルと稽古していた時の様子が 鮮明に浮かび上がっていた…



カタル

『剣で飯を食うんなら それは剣を仕事にするのと同じだ!

仕事の本番は 常に命の取り合いだ!!

命を差し出す度胸が無いなら 剣術なんか とっとと辞めちまえ!!』




ユース

『……!!』




そうだ…!



国を守る為に 剣技という職業を極める上で 実践で命を預ける前に腰が砕けてるようじゃ 剣で飯なんか食える訳がない…!!



カタルの言う通りだ……



国を背負う運命にある以上 こんな風に命を賭けて戦う事なんて これからいくらでもある



その前で こんな腰が抜けてるようじゃ 飯食う前に仕事クビになってるようなもんじゃねえか…!



今までの自分の弱さ



威勢だけで強がっていた 自分の甘さ




そんな自分が ただただ 情けない




オレは 何て甘い気持ちで 剣を握って来たんだ…



そんな気持ちで一杯だった




カタル

『見せてやるぞ ユース!!』




カタル

『本物の【剣業】ってのが 何なのかってのをなぁ!!!』



そう言い放つと カタルは再び グッと黒猫を睨みつけ 剣を一際力強く握りしめた…!

魔力のバランスが崩れ 平和な空中大陸が沈むという 驚愕の事実を知ったユース達



そして 目覚めた巨大黒猫と カタルとの一騎討ちの結末は…!




第二話【王室会議】は 第一話と比べて 予想以上のページ数となってしまいました



次話からは もう少しページ数を減らして 読者様へ読みやすいようにして行かなければという反省点が残りました 



改行点や誤字脱字の改善等も まだまだ勉強中です



まだまだ未熟で 拙い執筆ではありますが 今後もお付き合い頂けれると有り難いです



     龍炎 竜邪

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