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荒野のニャンコロモチ-1
一台の客車と数台の荷馬車、それを囲むように進む騎馬隊が進む街道が森を抜けた時、開けた視界の先、青々と繁る麦畑の先に見える小さな町は黒煙を上げていた。
先行していた斥候の騎馬三騎が取り急ぎ客車に向け騎首を返し窓に寄せる。
「町に何かあったようです。黒煙が上がっています。」
その声に黒いマントのフードを被った小柄な人物が窓から体を乗り出し前方へと顔を向ける。吹き付ける風にフードが脱げるがその顔は金属製の面に覆われ表情は伺えない。
「荷馬車とモチは待機。ニャンとコロは着いてこい。」
後方に向かい指示を飛ばすと自身は窓枠に登り報告をしていた者の馬に乗り込む。
荷馬車と隊列の三分の一を残して黒いマントの集団がそれを追いかけ町へと疾走して行く。
かなり短め。
次は長いです。