砂糖より重い愛を君に
《あぁぁあ! 今日も可愛い! 無理、好きすぎるっ。どうしよう!?》
「――っ!」
「大丈夫?」
《むせた!? 紅茶で火傷してない!? ああ、彼女の唇が腫れでもしたら!? でも、涙ぐむ姿も、良い!》
「だ、大丈夫……」
――良いって何? むせたのは、貴方の心の声のせいです。そう言ったらどうなるのだろう?
不思議な雑貨店で、怪しい飾り砂糖を買った。食べると心の内が分かると書かれていて、興味半分で手に取った。
言葉数の少ない彼とのデートで食べたらどうなるか、そんな下心からだった。
結果、飾り砂糖は本物で、私の脳内が騒がしくて仕方ない。
「……はい」
《水で良いのかな!? 今からでも医者に見せた方が!?》
「ありがとう、でも、大丈夫だから」
いつの間に頼んだのか、彼が冷やを差し出してくれた。せっかくなので、お冷やに口をつける。
《はぁぁ。無事そうで良かった。でも、タイミング悪いなぁ。今度にするべきだよなぁ。というか、今日も言い出せそうにないって……》
何をだろうか、そう思いながらこちらから聞くのは違う気がした。ふと思いたって持っていた飾り砂糖の残りを、ぽちゃんと彼の紅茶へ入れる。
「……え、砂糖?」
「この間買ったの。私も入れたのだけど、美味しかったから飲んでみて」
彼が飲んだのを確認し、私はにこりと微笑んだ。
《ねぇ? タイミングって?》
ガタンと音を立て彼が椅子から転げ落ちる。控えていたメイドが気づき、私は手で制した。
《え、何これ。まさかさっきの全部、聞かれ――!?》
真っ赤になって立ち上がった彼から、プロポーズの指輪が差し出されたのは、それから少し経ってからだった。




