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砂糖より重い愛を君に

作者: 松平 ちこ
掲載日:2026/05/26

《あぁぁあ! 今日も可愛い! 無理、好きすぎるっ。どうしよう!?》


「――っ!」


「大丈夫?」

《むせた!? 紅茶で火傷してない!? ああ、彼女の唇が腫れでもしたら!? でも、涙ぐむ姿も、良い!》


「だ、大丈夫……」

 ――良いって何? むせたのは、貴方の心の声のせいです。そう言ったらどうなるのだろう?


 不思議な雑貨店で、怪しい飾り砂糖を買った。食べると心の内が分かると書かれていて、興味半分で手に取った。

 言葉数の少ない彼とのデートで食べたらどうなるか、そんな下心からだった。

 結果、飾り砂糖は本物で、私の脳内が騒がしくて仕方ない。


「……はい」

《水で良いのかな!? 今からでも医者に見せた方が!?》


「ありがとう、でも、大丈夫だから」


 いつの間に頼んだのか、彼が冷やを差し出してくれた。せっかくなので、お冷やに口をつける。


《はぁぁ。無事そうで良かった。でも、タイミング悪いなぁ。今度にするべきだよなぁ。というか、今日も言い出せそうにないって……》


 何をだろうか、そう思いながらこちらから聞くのは違う気がした。ふと思いたって持っていた飾り砂糖の残りを、ぽちゃんと彼の紅茶へ入れる。


「……え、砂糖?」


「この間買ったの。私も入れたのだけど、美味しかったから飲んでみて」


 彼が飲んだのを確認し、私はにこりと微笑んだ。


《ねぇ? タイミングって?》


 ガタンと音を立て彼が椅子から転げ落ちる。控えていたメイドが気づき、私は手で制した。


《え、何これ。まさかさっきの全部、聞かれ――!?》


 真っ赤になって立ち上がった彼から、プロポーズの指輪が差し出されたのは、それから少し経ってからだった。

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