詩 冬の線路
僕はもう哀しいかな
あの街へ戻ることはない
雪が線路を隠してしまう
僕らは火を灯し 線路を暖める
僕はもう哀しいかな
あなたの前に戻ることはない 決して
雪が積もれば列車が困る
僕らは火を灯し 雪をとかす
あなたが住むあの街へ
つづく線路を暖める
僕は決して行かないけれど
列車があそこへ着くように
夜通し線路を暖める
冷気は僕らを苦しめる
いろんなことが思いどおりにはならない
手袋で無造作に頬を拭い
線路の炎を見つめる
吐く息は熱い
僕は決して負けることはない 冬に 雪に
過去に
今にだって
僕は線路を暖める
決めたことを生きている
遠くの街は遠いまま
僕は線路を暖める
列車よ走れ 僕たちの
仕事を支えに あの街へ




