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戦場の心得① おなかはパワーの源ですもんね…

「それは……おそらく、お師匠さまがお茶に毒を……」


 心配して窓から顔を出したマールムが、神妙な面持ちで言った。


「茶に? 毒!?」


 ジュノは驚いた。思い返しても、あの時ゴーシュ様は自身と同じポットからその茶を飲んでいたはずだ。


「……ジュノさんのカップのほうに仕込んであったのでしょう。ヒマを」


「まじか! いや、マジですか……!」


「私も、初めての授業でやられましたから、間違いないと思いますよ……」


 マールムは表情を曇らせながら、そして口を不服げに尖らせて告げた。彼女曰く、どうやらこの先、ジュノは半日、トイレの往復が続くらしい。


「でも……入門は叶ったということですかね……」


 顔を青くしながらジュノは微笑んだ。腹を押さえ、痛みをこらえながら。





 戦場では、敵がどこにいるかわからない。時には自陣にも。

 だから口に入れるものには最大限の注意を払え──。


 と、言うことだろうか。


「そう思うほかありませんね……」


 ジュノは、失礼!……と、またトイレのある母屋の裏手へ向かった。



 初めての教導は、マールムが一つまみの塩を加えた白湯とともに、ジュノの身体へと深くしみこんだに違いない。






 ◇ ◇ ◇

 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

 寒くて静かな砦の暮らしも、誰かに読んでもらえると少しだけあたたかくなります。

 ☆評価やブックマークー、コメントなどお気軽にいただけると、ジュノもきっと喜びます。ぜひ応援よろしくお願いします。



 ◇ ◇ ◇

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