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神の手は祈りの形をしていない /異能力を使って将来犯罪をおかすと隔離教室に入れられたボクら(でもボクの異能力、幻聴が聞こえるだけで……)  作者: 陽々陽
007_レクリエーション_クロスコード・デュエル

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007_6

 審判のミナト、ボイコット中のソウガを除く全員が試合を経験したところで、昼食となった。

 今日はいつもの食堂ではなく、校庭の隅の木陰で食べることになった。

 カオルが様々な味のバゲットサンドをテーブルに並べる。


 思い思いの場所で食事をする生徒たち。

 ユウには、食堂でのいつものメンバーから変化が起こっているように感じられた。

 自然にチームメイトが近くにいて、会話をしている。

 レクリエーションは成功だったかも知れない。そう思うと顔が自然にほころんだ。


ノクス(あいつらは例外か?)


 ノクスが意地悪な声を出した。

 ユウの笑みに若干の苦みがさす。そして順に視線を向けた。

 生徒の一団からやや離れたところで、1人で黙々と食事をするエレナ。ユウを挟んで、ましろに途切れることなく話し続けるこはく。


 2人は試合の合間にも距離を取っていた。

 今日はあと2回ずつ、今のチームで試合をする予定だ。

 少しでも、2人が歩み寄るきっかけが出来れば良いけど……


ノクス(ハッ。無理だろ)


********


ユウ(ノクスが、正しかったかも知れない……)


 次の試合では、あわや取っ組み合いの大ゲンカに発展するところだった。


こはく「あ・た・し・が!攻めるって言ったでしょうが!」


エレナ「言っただけだ!私は承諾していない!

 第一、幻覚対策をせずに突っ込むな!考えろ!」


 ののしり合う2人の間で、リュカがフラグを手に、立ち尽くす。


 試合開始直後、こはくは異能力「テンアゲモード」を発動してフラグに向かって走った。

 テンアゲモード中のこはくは、筋力5倍の超人となる。

 しかしテンアゲモードは長続きしない。いや、続けられない。

 1秒、長くても3秒ほど。ピンポイントで使う能力だ。


こはく「はあ?アンタ、かぐらっちの試合見てた?

 全部タッチして消せば良いじゃん!ばかあ?」


エレナ「バカはお前だ!あんな脳筋対策、長続きするわけないだろうが!」


かぐら「……脳筋、ッスか……」


 口論のとばっちりを受けたかぐら。しおんが、その頭をなでなでした。


エレナ「しかも、だ!なぜ突然立ち止まって、私にぶつかりに来るんだ!?妨害か!?」


こはく「あかりんが進路に入ってきたからじゃん!テンアゲのまんまぶつかったらケガ必至なワケ!分かる?」


 あかりも所在なさげに立ち尽くす。


エレナ「ああそうか、私はケガしても良いってわけだな!よく分かった!」


こはく「……!ンなこと、言ってな……!」


ユウ「ちょちょっと、待って。待ってって」


トーマ「落ち着いて!」


 見かねたユウとトーマが間に入った。

 こはくとエレナは、じっと互いをにらみ合う。


エレナ「次に足を引っ張ったら、容赦しないからな」


こはく「こっちのセリフですけどぉ?」


ノクス(最高だ!この2人、最高すぎる!)


 ノクスだけが楽しそうだった。


********


 エレナとこはくの最後の試合は、サキとルイが相手だった。


エレナ「私が最初に攻める。お前は守れ」


こはく「偉そうに指図しないで欲しいんですけど?」


エレナ「……お前の力ならサキの壁を壊せる。後半で不利にならないよう、壁を壊していただきたい……の、で、す、が!」


こはく「ふえーい」


エレナ「返事は『はい』だ」


こはく「ふええーい」


エレナ「……っこの……」


 ルイは苦笑いしながら、2人のやりとりを聞いていた。


ルイ「ぶっちゃけ、エレナとこはくの2人……最強のコンビだと思ったんだけどさ」


サキ「……」


ルイ「なんか、勝てそうじゃね?」


サキ「油断すんじゃないよ。自分に出来ることをしっかりやる。それだけ考えな」


ルイ「分かったぜ、あねご!」


サキ「あねご呼ぶな」


 審判であるミナトが、コートの中央に立った。


ミナト「感情的になりすぎないようにしましょう。

 両チームとも、ケガには気をつけて」


 ゆっくりと4人の顔を見回した。


ミナト「では始めます。


 ……開始!」

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