第十七話 「雷鳴一閃(後編)」
初投稿です。
——発動条件確認。対象:知性あり。
——スキル【決闘領域】、展開。
周囲の空間が歪み、朔也と雷堂だけの世界が作られた。
お互いを見据え、剣を抜く。
(負けられない……!)
——《勝機視界》発動。
——視覚化:なし。
朔也の目に、いつも見えるはずの「弱点の赤」が見えない。
雷堂はスキルすらも許さない猛者だった。
(未来一閃しかない!)
——《未来一閃》発動。
一瞬先の未来を見た。雷堂の右脇が甘い……そう見えた。
朔也は踏み込み、剣を振るった。
だが——雷堂は、未来を見越したかのように動き、するりとかわす。
(……っ、通じない!?)
脳裏に、宗二の言葉が蘇った。
『胆力を見せろ。強者に怯んだ瞬間、すべてが終わるぞ』
歯を食いしばり、己を鼓舞する。
このままでは勝てない——
そのとき、身体の奥底から力が湧き上がった。
——新スキル発動。
——スキル名:領域共鳴。
(……仲間の力を、借りる?)
朔也の中に、宗二のスキル【適正開花】が流れ込んだ。
雷堂を見据えると、わずかな癖——踏み込みの前に重心が左に寄る癖——が見えた。
(見えた……!)
今度は迷いなく剣を振るう。
——《未来一閃》発動。
雷堂の肩に、鋭い一撃が突き刺さった。
雷堂は驚いたように朔也を見つめ——そして、笑った。
「なるほど……!」
雷堂が剣を納め、戦いは終わった。
——スキル解除。勝者:神谷朔也。
朔也は肩で息をしながら、雷堂を見据えた。
(……勝った、のか……?)
雷堂はにやりと笑い、低く呟く。
「お前、面白いな」
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