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異形の領主〜追放された俺はユニークスキルで戦国を駆ける〜  作者: 葵 直虎
第二章 順調とは新たなる災難
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第十三話 「接敵」

初投稿です。

砦の見張り台から、緊迫した声が響いた。


「敵軍、接近!!」


報せを受けた朔也は、すぐさま砦の上に駆け上がる。そこから見えたのは、百人は下らぬ兵たちが進軍してくる姿だった。

その中でも異様な存在が、一際目を引いた。


黒い軍勢の中で、ただ一人――鮮やかな青髪をなびかせた男が、堂々と馬に跨っている。


「……あれは……」


朔也が呆然と見つめていると、隣に来た宗二が険しい顔でつぶやいた。


「あいつは、久遠院雷堂。領内でも屈指の剣豪だ。しかも、領内で唯一特別な力をあいつは持っていると言われている……」


「雷堂も特別な力を持っている…どんな力を使うか知ってる?」


「ああ。噂によれば、雷の力を纏うという。並の兵では触れることすらできないらしい」


宗二の言葉に、朔也は背筋を冷たくした。

ただ存在しているだけで、周囲を圧倒する気配。

雷堂と目が合った瞬間、朔也は本能で理解する。


(こいつは……今までの敵とは、まるで格が違う)


雷堂は、にやりと口角を上げただけで何も言わない。だが、それだけで十分だった。

威圧感が波のように押し寄せる。


「怯むなよ、朔也様!」


下から声が飛ぶ。

振り返れば、砦の仲間たち――元村人たち、元兵士たちが剣や槍を握りしめ、こちらを見上げていた。


「俺たちは、朔也様に命を預けたんだ!」

「この砦は、絶対に渡さねえ!」


朔也は胸が熱くなるのを感じた。

まだ拙くとも、皆の心が一つになっている。


(俺が、守る。みんなを、この砦を……!)


その時、茜が駆け寄ってきた。


「朔也、これ……!」


茜の両手の間に、小さな狐の式神が浮かび上がる。

「式神契約」のスキルによって召喚されたものだ。


狐の式神が朔也に触れると、身体がふわりと軽くなった。

同時に、剣を握る手に、力が満ちていくのを感じる。


「私あれから特訓を重ねて、いつでも狐を召喚できるようになったよ...! 朔也...私、あなたの力になれてるかな...?」


茜は不安げに微笑む。

朔也は力強くうなずいた。


「十分だ。ありがとう、茜!体がすごい軽くなって、力も湧いてきたよ」


心強い支援を受け、朔也は剣を抜き、砦の仲間たちへと叫んだ。


「行くぞ! この砦は、絶対に守り抜く!!」

「おー!」


風が唸り、地を揺らし、敵軍が迫ってくる。

そして、砦防衛戦の火蓋が――今、切って落とされた。

面白かった!続きを読んでみたい人はぜひコメント、高評価よろしくお願いします!

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