登場人物紹介(町田智弘)
町田智宏(28)
181cm72kg
短めの黒髪で切れ長の目をした男。埼玉の奥地には似つかわしくないエリート然とした雰囲気の男であり、実際かつては大手町の某大手商社で働いていた。
一見するととっつきにくい印象を与えるが、性格は温厚であり基本的に善人である。ただ、理不尽に対してはハッキリと物は言う。頭も切れる。
第1章から本格登場する綿貫と違い、上司受けはすこぶる良かった。彼の退職に際しては、惜しむ声も少なくなかったようである。
3年前に過労から来る心筋梗塞で倒れ、心身を壊した状態で2年前に退職。父親の誘いもあってそれ以来埼玉県秩父市大府集落で暮らしている。その父親は同居後しばらくして進行性の胃がんが発覚。数カ月を父親と過ごし、最期を看取ることとなった。
その後は心身のダメージでただ生きているだけの生活を送っていたが、時間経過とともに徐々に回復。現在は家庭菜園でトマトやキュウリを育てながら、父親の遺産と自らの退職金(労災認定も受けている)を取り崩しながら生活している。無職。
なお近所づきあいはほとんどなく、「町田の倅が引きこもっているらしい」とは伝わっている。父親も集落で浮いた存在であったためか、集落の集いには呼ばれていない。
また、ステータスこそ無職だがスペックは極めて高い。東大経済学部卒であり、大手商社では幹部候補生と目されていた。英語に加え中国語もある程度操れる。
心臓発作が発症する直前までは、石油資源開発担当としての激務をこなしつつ米スタンフォード大への留学準備も行っていた。
かつては後ろ向きな人間ではなく、「日本と世界の経済のために貢献したい」とする(青いが)強い志を持った青年だった。ただ、悲しいかな身体がもたずその志は一度ぽっきりと折れることとなる。
彼がどう再生し、どう襲い来る困難に立ち向かうかは今後の本編を読んでいただきたい。
肉体的スペックはかつては高かったが、心筋梗塞に伴いかなり衰えている。スタミナは人並みより大分ない。
恋愛経験は人並みにはある。高校~大学時代に付き合っていた恋人がおり、そのうち登場することになるだろう。
趣味は料理と野菜栽培。前者は大学時代からやっており、元々好きであった。後者は父親の勧めで始めたもの。