登場人物紹介(ハンス・ブッカー)
ハンス・ブッカー(31)
183cm73kg
短めの黒髪に眼鏡の男。目は切れ長の二重。いつも表情には余裕が感じられるが、大体において目は笑っていない。「初対面だとどうしても警戒されてしまう」とは本人の弁。
長身痩躯に見えるが、実際はそこそこ筋肉がある。結婚後の一時期やや太っていた時期があったが、少し痩せて現状の体重に落ち着いている。
前作「悪役令嬢と性悪執事は転生者狩りをするようです」の主人公にしてエビア大陸にあるセルフォニア公国ワイズマン家執事。実質的には国のかなりの部分を取り仕切っている。
エビア全土の転生者調査や異変調査を手掛ける「汎大陸調査委員会」のトップでもある。高松裕二、通称「ユウ」の上司であり、彼を日本に送り込んだのも彼である。
本作ではノアの母親、ランカ・アルシエルからの依頼を受けてメジア大陸(イルシア聖国、並びにモリファス帝国がある大陸)の異変に対処しており、その解決のためにこちらの世界に転移したという格好。
なお、元々は「半沢秀一」という名であり転生者である。ただし生まれながらの転生者であり、それが故に「時間を加速する」という極めて特殊な「恩寵」を得ることとなった。
転生者となった理由は後述する。「生まれながらの転生者」として赤ん坊からやり直すことになった理由は現状不明。
(なお本作における転生者は、ほとんどの場合他者に受肉する形で行われる。その際相手の自我を乗っ取るため、基本的には害悪として処理されることが多い)。
異世界においては「最強の転生者」として名高く、3年前の「ジョルタンの乱」と呼ばれるエビア大陸における大事件を解決に導いた張本人ではとの噂も絶えない(表向きは別の人物が解決したことになっている)。
メジアにおいてもその名はモリファス上層部には知れ渡っており、「大魔卿」ギルファス・アルフィードやムルディオス・べルディアも彼のことを認識していた。
本作では王などがハンスのことを知っている素振りを見せているが、これはアルフィードから聞かされたものである。
その強さは「神速」との異名に違わぬものであり、1対1の戦闘においてハンスに勝つのは極めて困難である。時間を自由に加速させることで放たれる攻撃を回避することは困難であり、かつ超スピードのため威力も絶大。
切り札である「100倍速」は基本「当たれば死ぬ」。半面、反動も大きく本作では一時戦線離脱することになった。
また、ハンスの能力「時を統べる者」はその気になれば地球全体を破滅させることができるほどの悍ましい能力でもある。
実際、前作最終盤においては命を削って時間を無限大に引き延ばし、亜光速の一撃を放ったことで世界が滅亡している。この際にゼラズが作り直し再構成した世界が本作世界であり、前作ラスボスが死の直前に時間を巻き戻したのが本作の異世界である。
「神」のキャラが違っていたりどこか狂っていたりしているのは、再構成の際に歪みができたからである。つまり、厳密に言えば異世界の「神」と本作の「神」とは違う存在である。能力のみが共通していると言っていい。
その中でもアザトだけはやや違うようだが、これについては本編の説明を待つことになろう。
性格は慇懃無礼であり、性悪な面もある。基本相手をいい気分にさせてから叩き落すのが趣味であり、この点はユウからも「いい加減にしとけよ」と眉を顰められるほど。これでも前作よりはややマシになっている。
一方で元警察官僚らしく正義感は強く、理性的な人物でもある。あまりに合理主義が過ぎるため、この点でもユウと対立することはしばしば。
頭はすこぶる切れる。向こうの世界のVIPでもあるため、「神」についての情報はある程度持っているようだ。
家族は妻と娘の3人家族。妻、娘はモリファスの隣国であるカルディナ共和国にいる。妻もまた転生者であり、その能力を生かしてモリファスの足止めを担当しているようだ。
なお実年齢は56歳と結構な年のため、言葉遣いがやたら爺臭い。知識は定期的にアップデートしており最新の器具へのアジャストも早いが、直近の世界情勢についてはやや疎い側面もある。
恩寵「時を統べる者」
自分と自分が触れている物の時間を好きな程度加速・減速できる。主に加速が使われる。極めて強力な能力で、「2倍速」だけでもほぼ全ての武芸者は対応できない。「10倍速」ともなれば、ただのパンチが致命傷になる。
本作ではこれを使いながら車を運転しており、時速300km/hで関越自動車道をぶっ飛ばしていたりする。オービスの場所近辺に来たら能力を解除して減速するという器用なことをやっていたが、そもそも動体視力が異常でないと余裕で事故るという芸当である。
また、加速倍率が大きいほど持続時間は短くなる。「100倍速」だと実時間で5秒。ただ、この間にハンスは500秒動けるわけで、そのアドバンテージがいかに圧倒的かは言を待たない。なお、「100倍速」は使うだけでも極度に消耗する「切り札」である。
半沢秀一(享年25)
176cm68kg
短い黒髪に眼鏡、切れ長の二重という特徴はハンスと同じ。人種的な違いはあるものの、生前と転生後の見た目はあまり変わらない。1995年の「あるテロ事件」で死亡したキャリア警察官。被害者の救護中に亡くなった。
両親は三河の中小企業経営者だったが、バブル崩壊時に経営難と詐欺被害に遭ったことが原因で自殺。この際に犯罪者を強く憎むようになったのが、警察官僚を志した理由である。
半面、弟の誠二との関係はこのころからギクシャクし始める。「金があれば死ななかった」と考えた誠二と、「そもそも犯罪者が悪い」と考える秀一とは噛み合わず、死の直前まで没交渉となっていた。
それでも弟のことは案じていたらしく、別に憎んでいたというほどでもなかった。彼のこの世界における末路を知った際には、少なからぬショックを受けたようである。
弟と分かり合いたかったという思いはあったが、「ノーデ」の覚醒が間近にせまっていたということもあり断腸の思いで殺害。本作ではこれ以上触れることがあるかは分からないが、別作品で折につけ触れることになるであろう心の傷となった。




