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六 初めまして ②

 三日後、能登はラウンジでひとり昼食を摂っていた。

 テーブルの上に載っているのは、近くのキッチンカーで購入したガーリックカツカレー弁当だ。フタを開け、プラスチックのスプーンでカツを切り、ライスと一緒に口に運ぶとスパイシーな味わいが舌の上に広がる。通常こういったメニューに添えられているのはオーソドックスなトンカツだが、この商品は豚肉と衣の間に大量のニンニクが挟まれていることもあって、いつも相当の辛口に仕上がっていた。

 仕事が忙しくなると、能登はかなりの頻度でこれを食べる。脳の疲れを癒すのに最適のスタミナ食であると同時に、単純に味付けが好みなのが理由だった。そのためか普段は職場でもっさりとしているのが嘘のように食べっぷりがよく、スプーンで一度に大きな量をすくっては豪快に口に放りこみ、あっという間に平らげてしまう。かといって決して食べカスを下品に撒き散らしたりはしない。食べ終わってもいそいそと席を立つような真似はせず、しっかりと食休みをとる。不思議な所作の持ち主だった。

 しかしこの日に限っては、そうした優雅な時間はあまり長くは続かなかった。いつものように綺麗に料理を完食し、弁当の容器にフタをして程なく平越が現れたからだ。

「能登、ここにいたのか。さっきから探してたんだが。どこへ行ったのかと思ったよ」

 部屋の時計は二時を回っている。能登はこの日、仕事が立てこんでいたせいで正午を大幅に過ぎてから昼休みに入っていたのだ。もっとも途中で邪魔が入らぬよう、事務室にスマートフォンを置いたうえで長めにとっていたのだが。

「すみません。いま戻ります」

「いや、いい。他に誰もいないから、ここで話をしないか。俺も今日は一日、事務室でな。息が詰まって仕方がない」

「はい」

 能登が唇を開くたび、強烈なニンニクの臭いが四方八方に撒き散らされる。真っ先に被害に遭うのは真正面に座った平越だった。思わず眉をひそめてそれとなく座席をずらすも、能登は気づかずに空の弁当を脇に押しやりながら求めに応じた。

「じゃあ、さっそく本題に入ろう。あの六人の殺しの件、どう思う? 俺はやはり辻香恋が犯人だと見てるが、能登の意見を聞きたい」

 二月三日の金曜に六人の女性が殺された事件は身元の特定にこそ漕ぎつけ、犠牲者はそれぞれ東日本橋が伊崎茉実、新木場が宇津木穂花、北綾瀬が川村椿、住吉が岸奈々枝、赤羽が原田藍子、押上が山井向日葵であると判明したものの、現場には指紋など犯人に直結するような物証は残されておらず、目撃証言が皆無という状況もあって当初は捜査の難航が予想されていた。

 ところが間もなく風向きが変わった。つい昨日、辻の死亡に際し自殺の線も疑われたため自宅のマンションを捜索した結果、ドアポストから犯行に利用されたと考えられるスマートフォン、凶器と思しきスタンガン、さらに遺書が見つかったのである。

 そこには鳴坂と相談がてらに外で朝食をとって別れたが、その場面を伊崎ら六人から男女の関係と誤解されて後日に自分ひとりが呼びだされ、説明しても聞く耳をもってもらえず、鳴坂を六人それぞれの交際相手として紹介するよう要求された。辻はもちろん鳴坂と桐ケ谷の交際報道を知っているため、付き合いの長い友人の私生活を破壊しかねない事態を招いた己の行動に責任を感じ、せめてもの償いにボイスチェンジャーを使って鳴坂の名を騙り、六人をホテルに呼びだして殺したこと、遅かれ早かれ警察の捜査からは逃れられないと覚り自ら命を絶つこと、そして最後に鳴坂に思いを寄せていたものの、あえて身を引いていたことが記されていた。

「はい。私もその可能性は高いと思います。ドアポストに入っていたスマートフォンは所有者登録のいらないいわゆる飛ばしで、六名それぞれとの通話記録が確認されたうえ、ボイスチェンジャーのアプリまで入っていましたので、その点を含めましてもおそらく遺書の記述どおりの犯行に及んだのではないかと考えられます。自殺に用いた毒物、シアン化ナトリウムも自身で調達し、鳴坂さんが視線を外したか、席を立った隙にカルアミルクに混ぜて飲んだ。あの食事の席で自殺したのは、最後に鳴坂さんの顔を見るため。

 動機もひとまず納得できます。写真にもありましたように、捜索では遺書と同時に室内にしまわれていた鳴坂さん関連のグッズが幾つも確認できました。だからこそあれだけの事件を実行したのでしょう。そして脅迫を受けたという記述とも整合性のある証拠が出てきました。被害者六名全員のスマートフォンに、見ようによっては密会直後とも取れる写真と動画が保存されていましたので。多分これは誰かひとりが撮影したのを共有したのだと思われます。あとは小ビンについていた指紋ですが」

 とはいえ、それも鑑定でどう出るか。現時点では何とも言えないと続けようとした矢先、平越が口を挟む。

「それについてさっき、鑑識から連絡があった。まあ、だからこそ俺が今ここに来たんだが、あの小ビンの指紋は完全に辻のものと断定された。これで説明がつきそうだ。

 仮に移動がぜんぶ電車だった場合の話にはなるんだが、比較的せまい範囲といっても六人を殺して回るのは結構な時間がかかる。それぞれの場所で駅のホームに降りたあと構内を抜けて徒歩で移動し、エレベーターで建物を昇り、被害者の部屋まで行き、殺人を犯してまた駅に戻り、次の目的地へ向かうって作業を繰りかえさなきゃならんわけだからな。

 もちろん時間との勝負だから全般に急ぎどおしだったろうが、全部のホテルが駅の目の前ってわけでもないし、利用客が多くてエレベーターが確実にすぐ使える保証もない金曜の夜、高層階の部屋も多かったのを考えると一か所につき最低三十分。走って時間を短縮するのは無理だ。部屋に着く頃には息切れしちまう。逆に頭をガツンとやった後、確実に息の根を止めるためにある程度の時間、首を絞めつづけてたっていう報告を勘定に入れると、四十分ちかくかかった場所もあると見といた方がいいだろう。

 そこへ行くと辻はあの日、夕方にアルバイトを終えてから翌朝まで完全に空白の時間ができちまってる。もしシロならアリバイがあるはずだが、まったくないんだ。自宅の相模大野と犯行現場付近までの移動で往復一時間ちかくかかるのを考慮に入れてもだ。

 おそらく辻はあの夜、自宅を出て都心へ向かい、六人を殺して回って終電か何かで帰宅したんだ。自宅やアルバイト先の位置から推測するに、経路はたぶん新木場、住吉、北綾瀬、押上、赤羽、東日本橋の順番だ。犠牲者で言うと宇津木、岸、川村、山井、原田、最後に伊崎ってとこか。俺はここからは、この線で捜査を進めようと考えてる」

 手元のメモを眺める平越の話は滑らかだ。ほとんど辻が犯人だと考えているらしい。

「私もそのご意見におおむね賛成です。ただ……」

「ただ?」

 能登は平越ほど強くは確信していない。

「幾つか、疑問に思われる点がありまして」

「と、いうと?」

「殺された六名のうち、五人の死亡推定時刻ははっきりしていません。チェックアウトの時間になっても姿を現さないのを不審に思い、ホテルの従業員が部屋に入ったところで遺体を発見したからです。

 しかし伊崎さんだけが事件当夜の零時台、鳴りやまない部屋のアラームに気づいた他の宿泊客に発見されました。これが疑問点の一つです。もっとも、そのおかげで伊崎さんの死亡推定時刻は二十三時から零時の間と判明しているのですが。係長が最後を東日本橋とお考えなのもそこが根拠なのではありませんか?」

「そうだ。辻はそこからたぶん終電で自宅に帰った。二十三時を過ぎてすぐのあたりで東日本橋のホテルを出たと考えれば辻褄が合う。どこかおかしいところがあるか?」

「伊崎さんにはアラームをセットする理由がありません。しかも零時ちょうどなどという時刻に」

「そりゃ、部屋を清掃したときに確認漏れや操作ミスがあったのかも知れん。他にもあるか?」

 ベッドメイキング時のミス。言われてみればその通りかも知れない。ただし、本当にそうだろうか。能登は釈然としないながらも、問いかけに応じて率直に意見を述べる。

「はい。遺体には争った痕跡がありませんでした。もし犯人である辻さんが鳴坂さんの名を騙ってそれぞれの加害現場に現れたのなら、被害者も怪しむでしょう。信用のおけるお知り合いならまだしも、脅迫した相手です。それなのに全員、ホテルの部屋にも抵抗の形跡が見うけられなかった」

「だからこそスタンガンを使ったんじゃないのか?」

「遺体にスタンガンの痕があったのは全員ではありません。伊崎さん、岸さん、山井さんの三人だけです。そもそも抵抗されずにスタンガンを使うには、懐に飛びこめるくらいまで接近しなければなりません。一般的なパーソナルスペースよりずっと近い距離です」

「必ずしも全員に必要だったとは限らない。使わなきゃいけないときに、そこをうまくやったようにも思えるが。どうにか隙を見つけてだ」

「スタンガンの痕はどれも胴体前面、左脇腹についていました」

「不意を突いて飛びこめば不可能とはいえない。スタンガンなら、接触させるだけで相手の身体の自由を奪える……とも考えられるが」

 たしかにそのように事が進んだ可能性もある。しかし警戒感をもった六人全員に、まともな抵抗も受けずにうまくいくだろうか。特になぜあの三人にだけスタンガンが使用されたのかが、能登にはどうにも引っかかる。平越も一度は能登の意見を退けながら、徐々に疑念が強まっていったようだった。

「とはいっても、スタンガンの件も含めて抵抗した様子がないのは腑に落ちんな。出来るか出来ないかは、皆の意見も聞いて検証してみるとしてだ」

 おまけに不審な点はまだあるのだ。

「他にも、鳴坂さんと辻さんが食事をしていた部屋の外にペアリングがケースごと捨てられていまして」

「事件と関係があるかは分からんな。あとは?」

「遺書にはボイスチェンジャーを使って鳴坂さんに成りすましたとありましたが、本当にそれが出来たのでしょうか?」

「まあ、それに関しても微妙なところだ。辻が生きてるわけでも、生前の音声を確認できるわけでもないから、何とも……。懸命に練習したんだろうし、電話だと声の聞こえ方が変わる。そこをどうにか説明して乗りきったのかもな。辻の生の声でも電話でも誰かが録音してくれてたら判断材料にはなったろうが、今となっては出来るとも出来ないとも言えん。まだあるか?」

「辻さんのマンションのゴミ捨て場で、おそらくホテルで六名を殺害した際に使われたと思しきハンマー、もしくは金槌の柄が見つかったのですが、それが四本」

「四本? 柄だけか?」

「残念ながらどれも頭と柄は分解されておりまして、金属部分の頭もすでにゴミとして回収されてしまっていたため、ハンマーか金槌か分からないのですが」

「この際、どっちでも大した問題ではないな。だが、それが犯行に使われたのは確かか?」

「おそらく。ああいうものは、ゴミに出すことはそうはありませんので」

「たしかに。普通は一本、何らかの理由があって一人につき一本としても六本。半端だ。今から証拠の一つでも出てくれれば事情も分かるんだが」

「頭が残っていれば染みこんだ血液が検出される可能性もありましたが、柄はきれいに拭かれていましたので、鑑識で何かが出てくる望みは薄かと思われます」

「そこもあまり当てにはならんな。推測としては、凶器にアクシデントがあったときのために予備を四つも用意してたってとこか。ただなあ、それだけじゃ犯人が、というより辻が用心深かったとしか言えないからな」

 平越も不自然には思いつつ、決め手にはならないと考えているようだ。今ところ、能登も見解としてはおおむね似たようなものである。そもそもあれが犯人の使用した凶器である確証はない。やはり参考程度に留めておくべきか、とひとまずこの情報は脇に置いておくことに決める。それでも東日本橋のアラームと遺体、スタンガンについては首を捻らざるを得ない。

「能登、俺と同じ意見という割には気になる部分がずいぶん多いじゃないか。浮かない顔もしてるし、まだ他にもあるんだろ?」

 平越は能登が視線をテーブルに落としたのを見逃さなかったらしい。刑事であるだけに観察眼は鋭く、部下の細かな意見まで逐一耳に入れておく質でもあった。上司のワンマンとはほど遠い捜査に対する姿勢を知っている能登は、この質問にすぐさま答える。今のところもっとも不自然に感じている部分だ。

「はい。小ビンの指紋と遺書だけを見ると、辻さんが犯人だと考えるのが妥当ではあります。この先の捜査次第では、そこにアリバイの有無が加わるかも知れませんけれども。

 しかし、この遺書にある六名の行動は不可解ではありませんか? 普通、浮気をネタに相手をゆすり、黙秘の代わりに交際を持ちかけるなら鳴坂さん本人に接触するのが筋でしょう。それなのに辻さんだったのはなぜか。接触するのも鳴坂さんの方が簡単だったはずです。イベントなどでスケジュールの一部は把握できますから」

「逆に後日、接触するとしても辻の居場所をどうやって突き止めたかが分からない、と。気にはなるが、それを今さら被害者に訊けないからな」

「したがってここだけを見ると、鳴坂さんも怪しいのですが」

「あの写真と動画は紛らわしい行動を撮影されたんじゃなく、本当に密会していた直後だったというわけか。しかし救急車を呼んだのは鳴坂だぞ。だったら毒を飲ませてその場を立ち去った方がいいんじゃないか?」

「辻さんに異常が発生した直後に店を離れては、我々から動向を尋ねられたときに弁解ができなくなります。それよりは、同席していた事実を包み隠さず明らかにした方が安全だと判断したのではないでしょうか。二人で入店したのに一人だけ退店すると、怪しまれて予想より早く救急車を呼ばれるかも知れませんし。店の入口にも防犯カメラがありましたので」

「くそっ、せめて個室にも防犯カメラがあれば何があったか分かるんだが……。というより、それ以前にあの六人のうち誰か一人でも犯人との通話を録音しといてくれればこんな苦労をせずに済んだんだ。ただ、鳴坂は警視庁(うち)のマスコットの声をやるんだぞ」

「むしろそちらの方が疑われないと考えて、犯行に及んだ可能性はあります」

「鳴坂と話をした感触はいま思い返してみてどうだ? この間の報告と変わりないか?」

「やはり何とも言えません。精神的にいろいろ参っている様子でしたが、舞台俳優としても活動していますから演技だった可能性もあります」

「ちなみに六人が殺されたホテルの防犯カメラには、それらしい人物は映ってなかったのか?」

「六つのホテル全てで、帽子やマスクで顔を隠した人物が写っていました。もっともこの季節ですから、事件と関係のない利用者がそういった格好をしていても特別に不自然ではありません。宿泊客のリストと画像の人物を一人ずつ突きあわせるという方法もありますが、果たして全員を追いきれるかは分からないところです。

 それに顔を隠しているといっても、映っている人物の身長が場所ごとにバラバラでして。鳴坂さん、もしくは辻さんにしては明らかに身長が高かったり、逆に低かったりする方もいますので、同一人物と見なすのは難しいのではないかと。もちろんその幾つかには辻さんか鳴坂さんいずれかが変装したと思しき人物が確認できてはいますけれども、二人のどちらなのかは判別がつきません。何しろ辻さんは女性にしては背が高く、鳴坂さんとの身長差がほとんどないものですから」

「なるほど。おまけに遺書は署名まで全部パソコンの印字だった。こっちはまだ鑑定の結果待ちだが、偽装かも知れんからな。被害者が全員えらく気合いの入った下着を着けてたのも、自分の意思じゃなく指示を出してますますその気にさせた――だとすると、鳴坂はとんだドスケベ野郎、いや騙しただけだからスケコマシだってことになる。ともかくそうやって六人をホテルに誘って殺し、辻にその罪を着せて翌日にまた殺した。合計七人」

 能登が提示してみせたのは、警察関係者であれば誰もが頭に浮かべる可能性の一つだ。辻と同じ部屋で食事をしていた鳴坂は、当然ながら真っ先に捜査線上にあがる。事件に関する情報をニュース報道を通じてしか入手できない一般人でも、少なからぬ数が同様の疑惑を抱くだろう。

 能登が自説の手ごたえを窺っていると、平越が顔を沈ませてぼそりと呟く。

「やはり早急に犯人を特定しなければまずいな」

「もし鳴坂さんだとしたら、犠牲者がこれ以上増えることは考えにくいのですが」

「そういう話をしてるんじゃない。警視庁(うち)の沽券に関わるんだぞ。よりにもよって鳴坂が……」

「その件については、係長の仰るとおりです」

 鳴坂が犯人だった場合、どれほどの問題になるかは警視庁の人間ならみな知っている。

 そもそも辻が死亡した際、鳴坂が同席していたとの一報が入った時点で庁内にかなりの動揺が広がっていた。早期に犯人を特定できなければ、憶測が憶測を呼んで騒ぎになる。最終的に被疑者死亡のまま辻に何らかの処分を下す形になればよいが、捜査に手間取った挙げ句に鳴坂が犯人と判明しようものなら、マスコミは警視庁を身体検査もできない無能組織などと面白おかしく書き立てるだろう。

 捜査の当初にあった最悪に近い想定の一つが遺書という物的証拠をもって否定されかけているのに、それを覆す意見を強調されては気も重くなるというものだ。能登の目の前で上司が渋顔を作るのもやむなしと言える。

「本格的に鳴坂が警視庁(うち)の仕事をはじめた後で、実は七人も殺した連続殺人犯だったなんてことになったら目も当てられん。妙な嫌疑がかかったままでも話は同じだ。辻と並行して鳴坂についても捜査を進めるんだ。たとえば、そう、あの六人が殺された当日にアリバイがなかったか早急に調べてくれ。辻を犯人と特定できなくても、最低でも鳴坂が捜査から外れるか否かは明確にして上を安心させなきゃならん。というより、俺が安心したい」

 平越は職務において係長の責務を負う傍ら、私生活では家庭をもっている。庁内での評価が芳しくなければ、左遷もあり得た。そのことが頭にあるのか、右手で軽く胃をさする。能登の口から吐きかけられるニンニクの臭いに構う余裕もなくなりかけているようだ。

「かしこまりました」

 能登は平越よりは遥かに気楽な身分であるが、いち早く真相を究明したうえで犯人を逮捕しなければならないとの認識は同じようにある。テーブルに置いていた空の弁当を右手に持つと、平越の健康を慮りつつ立ちあがった。

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