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第2話 ファミレス作戦会議1

 午後から俺は変なことを言った奇妙なやつだということで、散々いじられてしまった。確かに俺が言っていることは、この状況を理解できない奴らからすればおかしいだろう。


 俺が今日まで異変に気付きつつ、そのことを指摘できずにいたのも、それが現実に起きていると確信できなかったからだ。だが、異変は俺の頭の中だけの出来事ではなかった。異変を察知できる人間が俺以外にもいたのだ。


「すいません。先輩、遅くなりました」


「いいわよ。急に呼び出したのは私なんだから。というか一条君、あなた()()()()について本人に言ったって本当? 生徒会室でもそのことが話題になっていたんだけど……」


 放課後の学生がごった返したファミレスのテーブルに、生徒会長の新城しんしろ早希さきは肘をついて座っていた。ストレートに伸びた髪は濃い青に染まってはいるが、それ以外は普通の清楚系美人といった風貌だ。


「はい、言いました。すいません……。俺以外の人間も異変について理解できたのかと思ってつい……」


「まあ、その気持ちも分かるわ。こんな変な現象に巻き込まれて友達にも共有できないなんて、私も頭がおかしくなりそうだったもの。それで、私以外に一条君の言うことを理解できた人はいた?」


「いや、いませんでした。みんな俺がおかしくなったって言うだけで……」


「そう……、もう一人くらい私たちと同じ人がいるのかと思っていたんだけど……」


 俺が首を振って答えると、先輩は窓の外を見ながら軽くため息をついた。俺も沈んだ気分をごまかすために、冷たい水の入ったグラスに口をつける。しかし先輩はすぐに曇った表情を笑顔に変えて、俺を見つめた。


「でも、一条君がいてよかったわ。私、このまま一人だったらどうなってたか……」


「俺も先輩がいて助かりました。……それで今日はどうしましょうか?」


「今日の朝も少し話したから分かると思うんだけど……。私、一条君に頼みたいことがあるの」


 先輩は何か覚悟を決めたような様子で、軽く咳ばらいをした。いつも落ち着いたイメージしかない先輩からは離れた姿に、俺も少し身構える。


「……一条君。私と一緒に悠斗の恋愛を破壊してくれない?」

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