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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

〜狂愛〜

作者: カオさん

「毎日この時間に連絡して」「どうして他の女と一緒にいたの?」「私以外の女見ないでよね?」


.....こんな王道なメンヘラがいると思うか?

それがいるんだよ、王道だからこそいるんだよ...俺だっていないと思ってた。

王道は魅力がある。皆が好きだから"王道"なんだ。

あれを言われたのが昨日、あんな事を言われたんだ....寝れるわけない...........隣に居るんだから。

ソイツは俺の右腕をがっしり掴んで離れない。少しでも距離を離そうとすると着いてくる....。

今は疎遠だが、付き合い始めた時はヤバかった....。

ソイツが家に帰ってきて、俺の元に来て何かと思えば


「私ってこれだけ生きてきて誰も幸せに出来なかった、親にだって迷惑ばっかかけて不幸にして...こうやって今だって何も出来なくて...俺君の事も...幸せに...グスッ...してあげられる...自身がないよ...」


なんて言い出して、いきなりすぎて混乱したよ。

更に畳み掛けるように続けて、


「ねぇ...!俺君は...俺君の......何が...幸せ?」


そいつの目は輝きを失った目をしていてとても不気味極まりなかった....。あの顔を今も覚えているよ....。

俺が死にたいくらいだ....ただそれを彼女に言ったところで...「一緒に死ぬのが最高」って言ってるくらいだ...むしろ大歓迎なんだろう....。

逃れようとも着いてくる....アイツは俺と死ぬことを

"本望"としている....ハハッ...しんどっ......。


〜とある日・深夜〜


佳奈「ハッ...ハッ...ハァ...あぁ...ヤバい...気持ち悪っ....寒気も....するっ....。

あぁ...あれ...?23時......おかっ...しいな...いつもならこの時間に帰ってくるのに.......。

......あぁ...そうかぁ、他の女のところいるのか....。

ダメ...じゃん...私が...いるのに.......取り戻.....さなきゃ...殺してでも....いや...私の彼氏に手出ししたんだから......死んで当然...だよね?」


〜一方彼氏は〜


俺「全く悪いな!笑俺の仕事手伝って貰っちゃって!笑」


女同期「いや大丈夫だよ笑同期を助けるのは当然だよ!」


俺「本当にありがとう!送っていこうか?」


女同期「ホント?ありがとう〜」


俺「それじゃ、帰ろうか」


女同期「〜でさ...あそうそう笑そうな.......」


「バタッ...」


俺「...ん?」


うるさいくらいに話してた声が一瞬で鳴りやんだ。

後ろを見るとそこには...幼なじみの胸にナイフを刺して返り血を浴び...赤くなった服を着た彼女の姿があった......。

幼なじみの体は血で赤1色。ありえない量の血が流れ出ている。


「お、お前.....一体.....何をしているんだ.......?」

何が何だか分からず声が震えている.....。


「えっ?何って...」

当たり前の事を聞かれて鼻で笑った彼女はこう答えた

「取り返しに来たんだよ...?○○君があの女に取られそうだったから」


取り返しに来た?.......幼なじみから、俺を....?

俺が寝盗られると勘違いした挙句俺の幼なじみを....はぁ....

信じられん.....。

俺は吐いた、隣で人が殺されたんだ...正気じゃいられない...


俺「おぉ...お前、なにをして....オエッ...」


佳奈「どうしたの?どこか苦しいの?大丈夫?」


そういう彼女の顔は本気で心配している顔だった...まるで自分のした事が正義の行いだった...して当然だったかのように.....正気じゃねぇ....。

俺はもう何も出来ない...この狂気に太刀打ちできる気がしない....。

俺が仮に今ここで「もうお前とは付き合って行けない!」と、力強い声で突き放したとする...そうして返ってくる答えっていうのは往生際のいい答えなんかじゃない

「絶対に別れたくない!ヤダヤダ!」と言い出す筈だ...

それを分かっていて足掻こうとする俺も往生際が悪いだろうな.....。


佳奈「家に戻ろ?ね?」


その辺からあまり覚えていない....音が何も聞こえない....。


佳奈「....ねぇ...○○君.....私って...偉い?」


気分はまるで酒に酔ってるようで、何もかもがどうでもよかった....。

俺「偉い?...っハハ...ハァ...あぁ...そうだな...あっ...あぁ...」


佳奈「どうしたの?!大丈夫?」



いつの間にか俺は気を失っていた。最後に佳奈は心配していたようだ....狂気的だ。


〜その日の昼〜


佳奈「......俺君...グスッ...うぅ...起きてぇ...」


....ここは?病院か?....泣いている声がする.....。

そう思い声のする方を見ると佳奈が泣いていた。


俺「....佳奈?なに...泣いてんだよ、泣きたいのは俺だ....。まずお前がなんでここに居る」


佳奈「俺君!起きてよかったぁー!心配したんだよ?!急に倒れt...」


俺「お前の声が耳障りだったからだ....全く目が覚めたよ、とんでもねぇことしておいて本気で俺の事心配しやがって....どうなってんだよ...ったく。」


佳奈「お、俺君...?どうしたの?急に怒って...佳奈...何かした?」


俺「なにかした?自分が何をしたか分からないってか?....人殺しが....。」


佳奈「まとわりついてたから、払っただけ.......」


俺「お前が殺したやつは"蚊"か?」


佳奈「.....え?どういうこと...?」


俺「蚊だよ。血を吸う虫。自分の周りを飛ぶ蚊に煩わしさを覚えるとどうする?....殺すよな?そうだよな?刺されるの嫌だし、刺されたら痒いからな。

お前さっき、まとわりついていたから払ったと言ったな?」


佳奈「言ったけどそれは....!だって....あの女....」


俺「言ったけどそれには理由があって、諸々理由があって殺した...だから悪くない.....ってか?

馬鹿野郎が。お前はどうしてそんな馬鹿なんだ?

人を蚊としか見てない害虫女が。」


佳奈「俺君は....彼女がもし誰かも知らない男の人に連れてかれそうになっても.....助けないの...?」


俺「.....助けるよ、手を引っ張ってな。刃物は使わないよ、お前と違ってな。」


佳奈「私だって助けるよ?だから助けたんだよ?分かるでしょ?ね?」


俺「.........」


佳奈「私の気持ちも分かってよ!守ったのに....害虫女って.....酷いよ流石に.......。」


俺「(黙ったまま窓の外を見つめてる)」


佳奈「俺君....?何か言ってよ.....ねぇ...?!」


俺「なぁ佳奈....植物がストレスを感じると超音波の悲鳴をあげるのを知ってるか...?」


佳奈「...え?」


俺「....人間がやられてストレスに感じることを植物にもやって、どれほどの音波を検出できるかという実験がイスラエルで行われた.....。」


佳奈「なんでそんな話急に.....」


俺「干ばつ状態、茎に切れ目を入れる、何もしないの3種類の実験を行った結果....それぞれ"10~100kHzの音波を発したという研究結果がでた。」


佳奈「.......」


俺「もうひとつ、とある実験の内容がある。

"人を殺した人の心の状態とは何か?"という実験だ」


佳奈「(下唇を噛み、俺を睨む)」


俺「3つある」


「1つは、明かな動機と殺意を持っていて計画性がある場合」


「2つ目、動機はあるが、殺意というレベルでは無いが、結果的に殺害してしてしまう場合(計画性が無い)」


「3つ目、動機も殺意も無いが、衝動的に、もしくは精神に異常があり、殺害に及ぶ場合(計画性も責任能力も無い)」


俺「....なぁ、俺が言った3つのうちの1番目....お前の状態と似てると思わないか?なぁ。」


佳奈「.........」


俺「なぁ、黙ってねぇでなにか言えよ」


佳奈「似てない......」


俺「動機は俺が幼なじみといて、それを狼だと勘違い。殺意は大いにあり。.....どうだ?」


佳奈「違う....違う...!!!」


俺「佳奈、もうやめろそうやって否定し続けるの。

自分がやったんだ....逮捕が怖いならやってしまった自分を悔やむんだな。」


佳奈「佳奈....俺君に会えなくなるのやだよ...!会えないなんて死んでるのと一緒だよ......。」


俺「それも含めて自分を悔やめ、行いは自分に帰ってくる。命を自分勝手に奪った報いを受けろ、お前も大切な人を奪われろ!」


佳奈「ねぇやだ!離れたくない!!ごめん!ごめんなさい!本当にごめんなさい!許してくださいぃ!!」


俺「(黙って土下座する佳奈を見下ろす)」


佳奈「こ"め"ん"な"さ"い"!!!ほ"ん"と"にこ"め"ん"な"さ"い"!!!」


俺「お前がこの先改心するかはどうでもいい。ただもう....俺に関わらないでくれもう.....。」


佳奈「やだやだやだやだやだやだやだやだ!!!!」


俺「....もう出ていってくれ。」


佳奈「やだやだやだ!!!!!」


俺「いい加減にしろっ!!!」


佳奈「やだや....えぇ...??」


俺「もううんざりなんだよ!ただでさえ今ここにお前がいるのが苦痛で仕方ないのにそれも知らずにお前は!....休ませろよ....病院なのに休む暇も無い....。

殺人犯と一緒にいる部屋とかどうなってんだよ!

頭がおかしくなりそうだ!頼む、早く出ていってくれ!」


佳奈「........わかった...行くね.....じゃあね。」


俺「自身の人生が不幸になってんのは周りの環境等のせいじゃない。自分で人生の風向きを変えないから不幸のままなんだ。覚えておけ。」


佳奈「........バタッ(病室のドアが閉まる音)」



......煩わしい蚊を払ったから気持ちが清々した。

けど気分がすこぶる悪い、イラついてんのか?俺。

話してて疲れた....退院まで寝てようかね...なんてな。

いかがでしたでしょうか?


参考にさせていただいたサイト様

1. https://gigazine.net/news/20200104-plants-scream-face-of-stress/


2. https://jp.quora.com/nin-ga-nin-wo-korosu-shinri-to-ha-dono-you-na-mono-desu-ka


次回もご覧下さい!よろしくお願いします!

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