1-007.運営のサポートが神!(幕間:エイルン島サイド)
通常パートを予定していましたが、幕間を入れました。
「ついに旅立ちましたね」
「無事に本当の自分を取り戻せるでしょうか?」
「どうだろうな?助けた時には魂が消滅寸前だったし際どいところだろう」
トゥガは答える。
「まさに自分探しの旅というやつだな」
「あれで生き残っていたのは奇跡と言うには生温いぐらい酷い状態でしたね」
「今でも思うが異界転生させた方がよかったかもしれない。もうこの世界は神に見捨てられ、終末に向かっている。どのみちこの領域全体が…」
「本人の意思を尊重した。神がいなくとも生きとし生けるもの全ての生き方次第で世界は持続できるんだがな」
トゥガは最悪の未来の結論を遮り、希望を述べた。
そして話は真相に近づく。
「人間の想いの力とは凄いと改めて思い知らされた」
「限られた環境で再生させた我々も凄いがな」
「完全復元できなかったのは残念だ」
「そうだな」
「だがあの呪いを受けている上に他の世界から上書き干渉があって、そこは手が出せなかった」
「おそらく我々が直接解呪するなという意味だろう」
「本来は直接介入する事はご法度なのは重々承知している。だが再開には時間がなかった。支援システムならぎりぎり許される範囲だと思う」
「誰かさんがやらかしたせいで…」
「もう言うな!奴はさらに堕ちる」
「他にも広範囲でかなりの影響を受けているが、我々の方で可能な範囲で代替対応したからまずは様子を見よう」
「そう言えば詫びとしていくつ石を持たせた?」
「三つだ」
彼らの会話に合わせて、スピカの左腕内側に装着されている収納細工箱の様子が映し出される。
「しかし、彼だけが最後の挑戦になってしまった」
「だからこそ幸せな人生を送って欲しいんだよ。最初からささやかな幸せに浸るのもいいだろうが、きっちり他の祝福されし者も考慮した」
「わかった。現時点でこれ以上は介入不要と判断する」
「しかし我々の流刑期間が前倒しになったのは良かった」
「古の約束を果たせたのは行幸だった」
「本来なら不干渉だしな」
「うむ。帰還の準備を進めてくれ。わしは最後の仕掛けを作らねばならぬ」
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