孤独の少年
あの後、俺達は階段で別れた。暗鷹はものすごい寂しそうにしてたけど………
「先輩……………また、会えますよねぇ？」
「いや、なんか今生の別れみたいになってるけど学年が違うから離れるだけだからな？」
「せんぱぁい～！私の事、忘れないでくださいねぇ～！」
「やめんか！恥ずかしいわ！」
他の人が見てるでしょーが！
「ねぇ、あいつって………………」
「うん………………あの噂の張本人だよね」
ヒソヒソヒソ
はぁ………………これもあるから学校来たくないんだよなぁ
「………………………………ぶっ殺すぞメス共」
「「ヒッ！」」
ん？なんかさっきの女の子達が悲鳴あげたんだけど…………
「じゃあせんぱぁい、また放課後に一緒に帰りましょうねぇ？」
「ん？おう、またな」
「………………うふふふふふ♪また！放課後に！」
…………………………今ナチュラルに放課後も一緒に帰るのが決定されたな
「まあいいか、俺みたいなのがあんな美少女と帰れるだけ感謝しないとな」
ガララッ
『あははー、それでさー………………今日も来たんだ』
『よく来れるよね』
『チッ、犯罪者は死ねよ』
ヒソヒソ、ボソボソ
はぁ………………めんどくせぇ。まぁ、今更どうしようもねぇからいいけどな
「おいおいおい、こりずにまた学校来たのか？犯罪者さんよぉ！」
「………………」
「無視か？そうだよなぁ！本当の事だから何も言い返せないもんなぁ！」
はぁ…………だるいなぁ
こいつは熊木 輝音、一言で言うと、陽キャだ。陰キャの俺を虐めて楽しんでいるクソ野郎だ
「今日も放課後、いつもの空き教室に来いよ？教師とかにチクったら……………分かってんだろうな？」
「………………………うん」
「はっ！分かってりゃいいんだよ」
…………………この学校、結構な進学校のはずなんだけどなぁ、ああいう奴はどこにでもいるもんなんだな
「……………………………いつまでやられっぱなしのつもりなの？」
「ん？……………………なんだ、星香か」
こいつは片喰 星香、まぁ……………幼なじみってやつだ
「どうせもうなにしたって無駄だろ？俺の悪評は学校中に広まってる、今更足掻いたところでさらに変な噂が増えるだけだよ」
「っ…………………そうやって、また逃げるんだ、私から逃げた時みたいに」
「だから、あの時のは別に逃げたわけじゃ無いって何度も言ってるだろ？」
「………………………………もういい、じゃあね」
……………………はぁ、本当にめんどくせぇ
あ、やべ、放課後咲音と一緒に帰る約束してんのに呼び出されちまった………………はぁ、しゃあねぇ、咲音に少し待っててもらうか
戒人:わり、少し遅くなる
ピロン
返信はえーなおい
咲音:なんでですか？
戒人:ヤボ用
咲音:……………………………………分かりました
納得までに時間かかったな
キーンコーンカーンコーン
あ、授業始まんな。はぁ、放課後がめんどくせぇ……………
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
キーンコーンカーンコーン
………………放課後になっちまった。はぁ、行くかぁ
「せんぱぁ～い」
「んおっ？咲音、どうしたんだ？2年のクラスまで来て」
「いえ、ヤボ用について行こうと思いましてぇ」
「………………………………マジ？」
「マジですよぉ？」
いやいやいや！そんなところ絶対見せらんねぇし！つか、アイツらにお前がなにされっか分かったもんじゃねぇし
「ダメ……………ですか？」
「んぐっ………………………ダ、ダメだ」
「…………………………………分かりましたぁ。ここで待ってますぅ、でもぉ、用が済んだらここに戻ってきてくださいねぇ？」
「あいよ」
はぁ、さて、殴られに行きますかぁ…………………
「……………………………あのゴミ共が、先輩を呼び出すなんて、ぶち殺してやろうか……………」
ブルッ
………………………なんかさみぃな、今日気温低かったっけ？
