表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の息子は別の生き物  作者: 9602
3/7

接触

なんだかんだと言いながら3話目です。

これも、一人の愛読者がいてくれるから頑張れています。

次週も根気強く続けていけるよう頑張ります。

「カー!カァー!」

朝だ。田舎の方は朝方にカラスが鳴いている。小鳥のさえずりなど優雅なものではない。

俺は朝食を食べに下に降りていく。


「あら、今日は早いのね」「もうできてるから食べていいからね」


母さんの朝は早い。俺はたまたま7時に起きたが母さんは何時に起きているかわからない。

ユキ姉はまだ起きてきていないようだ。久々の実家だからゆっくりしたいのだろう。

大学の入学式まで2週間近くある。俺が言えた義理ではないが好きなだけ休んでよかろう。


「お母さんちょっと出かけてくるから、お姉ちゃんにもご飯食べるように言っといてね」

「はーい」「お昼は?」

「うーん、間に合いそうにないからお姉ちゃんに作ってもらって」


そう言うと母さんはどこかへと出かけて行った。

とりあえず、朝食を食べ終えてユキ姉を起こしに行く。

ユキ姉の部屋は俺の部屋の隣にある。とりあえずノックをして声をかける。


「コンコン」「ユキ姉、朝ごはんあるから食べな」

「・・・」


返事がない、ただの熟睡のようだ。いくら兄弟でも女性の部屋に入るのは申し訳ない。

だが、呼びかけだけではなかなか起きない。俺はユキ姉の部屋へと入る。

ユキ姉が高校に入ってからは、一度もこの部屋に入ったことがなかった。

母さんが掃除に入る以外は誰もはいらないからか、あの時と変わらない。

辺りにはユキ姉の服が散乱している。下着まで落ちているので目のやり場に困る。

窓際のベッドにユキ姉は寝ている。カーテンが閉め切ってあって光が入ってこない。

そのせいで起きないのだろう。俺はユキ姉の近くまで来て立ち止まる。

かわいい。息子がおはようと言わんばかりに大きくなる。

さて、どうやって起こしたものか。普通にユキ姉をゆすって起こすか。

いや、体に触れるのはマズイ。息子からよだれが垂れるかもしれない。

定番の布団剥がしをやろう。俺は掛布団に手を伸ばし、掴んだところで躊躇する。

辺りの服に目を向けて考える。今、ユキ姉は服を着ているのか?

確証はないが可能性はある。そう思い、布団はがしをやめる。

となると...。俺はカーテンを掴み一気に引っ張った。日光が差し込みユキ姉の顔を照らす。

ユキ姉は一瞬顔をしかめ、目を覚ます。


「おはようユキ姉、ご飯できているから食べなよ」

「あ、ナツ、おはよう」

「あと、母さんは昼過ぎまではいないみたいだから昼飯宜しく」

「りょーかーい」


寝起きはいいが寝ぼけているみたいだ。枕元に使用済みであろうタオルが置いてあった。

部屋に戻ってからもしばらく泣いていたのだろうか?洗濯機にもっていってやろう。


俺はタオルを手に取り洗濯機へと向かう。

ユキ姉のタオルを洗濯機に入れてとりあえず自室に戻る。

階段の手前でユキ姉とすれ違う。


「ナツゥ、私のタオル知らない?」

「枕元にあった奴なら濡れてたから洗濯機に入れといたよ」

「!?」「あれに、触ったの?」


タオルのはなしをした瞬間、ユキ姉は挙動不審になり、顔を赤くする。

鼻水や涙でぬれたタオルなら触って当然だ。

恐らく、自室で泣いていることがバレて恥ずかしいんだろう。


「ごめんな、俺のせいであんなになるまで...」

「ううん、違うの、こっちこそごめん」「あんな汚いもの触れせて」


汚い?やっぱり泣きすぎて鼻水まで付いたということだろう。


「ユキ姉のだったら気にしないよ」

「そ、そうなんだ」「あ、ありがとう」


ユキ姉はさらに顔を赤くして、今にも泣きそうだ。

ただ、どことなく嬉しそうにも見える。そういう性癖か。

息子は何か嗅ぎつけているようだ。俺も変な性癖を持っているのか?

しばらく固まっていたユキ姉だったが、ゆっくりと洗面所に行った。

それを確認してから俺は自室に戻る。今日も今日とてゲーム三昧と行きましょう。


 いつも思うがゲームをやっていると時間が経つのが早い。もう昼か。

1階から良い匂いが漂ってくる。コレは!

覚えている。コレはユキ姉の得意料理オムライスだ。

俺は急いで1階に降りる。

机の上には黄金に輝く小高い丘が2つ並んでいる。


「お、タイミングばっちりだね」

「ユキ姉のオムライスは絶品だからね」「急いでおりてきた」

「そんな、絶品だなんて」

「お世辞じゃないよ?」

「フフ、ありがとう」「じゃあ、食べよう」


約3年ぶりになるのか。数年前の思い出に浸りながら食卓に着く。

母さんがいないときはいつもユキ姉が作ってくれていた。

中でもオムライスは頻繁に作ってくれていた。

俺がべた褒めしたせいかもしれないが、本当においしい。

食べる度においしくなっている気がする。

ユキ姉は俺の食べているのを暫く眺めていた。嬉しそうだ。

今から食べようかとしたときにスプーンを落としてしまった。

ユキ姉はすぐに机の下に潜りスプーンを拾う。

だが、すぐには戻らなかった。スプーンを拾うだけなのに時間がかかりすぎだ。

どこか遠くまで飛んで行ってしまったのか?

ふと思い出す。今の今までユキ姉を見ていたから息子は起き上がっているはず。

急に鼓動が早くなる。考えただけでは恥ずかしくなる。

俺は恐る恐る声を出す。


「ユキ姉?」

「ひゃいっ!?」

「スプーン、あった?」

「う、うん、あったよ」「思ったより遠くにあったみたい」

「そ、それならいいんだけど」

「ちょ、ちょっと、洗ってくるね」


ユキ姉は勢いよく立ち上がり台所方へ走り出した。

だが、足を滑らせ転びそうになる。すかさず助けようと手を伸ばし身を投げ出す。

そんなものだからバランスもとれず倒れてしまう。

幸い俺が下敷きになったのでユキ姉の被害は抑えられた。


「いてて、ユキ姉大丈夫?」

「・・・」


返事がない。どうしたものかと顔を上げる。

最近見覚えのあるものがそこにはあった。ユキ姉のパンツだ。

ユキ姉の顔は息子の方に向いている。ちょうど、あの体位の状態だ。

感覚はないが俺の息子はものすごい進化を遂げているはずだ。

ユキ姉はそれをまじまじと見てしまっている。

俺もユキ姉のパンツから目が離せない。よく見ると真ん中らへんにシミのようなものがある。

それはじわじわと広がっているようだ。まさか!

成人向けの雑誌でたまにそんな描写があった。要するに潤滑液だ。

俺の息子も似たようなものを出す。今も出していると思う。

だが、なぜそうなる?俺の息子を見ているからなのか?俺は段々とパニックになる。

ユキ姉は再度立ち上がりトイレの方へかけていった。

暫くして俺も立ち上がり食事を再開する。

オムライスは冷めていた。


今回も読んでいただきありがとうございます。

最近、寒くなってまいりました。(投稿する前の日)

エアコンが必須の時期ですが喉がやられてつらいです。

負けじと頑張っていきますので。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ