接触
なんだかんだと言いながら3話目です。
これも、一人の愛読者がいてくれるから頑張れています。
次週も根気強く続けていけるよう頑張ります。
「カー!カァー!」
朝だ。田舎の方は朝方にカラスが鳴いている。小鳥のさえずりなど優雅なものではない。
俺は朝食を食べに下に降りていく。
「あら、今日は早いのね」「もうできてるから食べていいからね」
母さんの朝は早い。俺はたまたま7時に起きたが母さんは何時に起きているかわからない。
ユキ姉はまだ起きてきていないようだ。久々の実家だからゆっくりしたいのだろう。
大学の入学式まで2週間近くある。俺が言えた義理ではないが好きなだけ休んでよかろう。
「お母さんちょっと出かけてくるから、お姉ちゃんにもご飯食べるように言っといてね」
「はーい」「お昼は?」
「うーん、間に合いそうにないからお姉ちゃんに作ってもらって」
そう言うと母さんはどこかへと出かけて行った。
とりあえず、朝食を食べ終えてユキ姉を起こしに行く。
ユキ姉の部屋は俺の部屋の隣にある。とりあえずノックをして声をかける。
「コンコン」「ユキ姉、朝ごはんあるから食べな」
「・・・」
返事がない、ただの熟睡のようだ。いくら兄弟でも女性の部屋に入るのは申し訳ない。
だが、呼びかけだけではなかなか起きない。俺はユキ姉の部屋へと入る。
ユキ姉が高校に入ってからは、一度もこの部屋に入ったことがなかった。
母さんが掃除に入る以外は誰もはいらないからか、あの時と変わらない。
辺りにはユキ姉の服が散乱している。下着まで落ちているので目のやり場に困る。
窓際のベッドにユキ姉は寝ている。カーテンが閉め切ってあって光が入ってこない。
そのせいで起きないのだろう。俺はユキ姉の近くまで来て立ち止まる。
かわいい。息子がおはようと言わんばかりに大きくなる。
さて、どうやって起こしたものか。普通にユキ姉をゆすって起こすか。
いや、体に触れるのはマズイ。息子からよだれが垂れるかもしれない。
定番の布団剥がしをやろう。俺は掛布団に手を伸ばし、掴んだところで躊躇する。
辺りの服に目を向けて考える。今、ユキ姉は服を着ているのか?
確証はないが可能性はある。そう思い、布団はがしをやめる。
となると...。俺はカーテンを掴み一気に引っ張った。日光が差し込みユキ姉の顔を照らす。
ユキ姉は一瞬顔をしかめ、目を覚ます。
「おはようユキ姉、ご飯できているから食べなよ」
「あ、ナツ、おはよう」
「あと、母さんは昼過ぎまではいないみたいだから昼飯宜しく」
「りょーかーい」
寝起きはいいが寝ぼけているみたいだ。枕元に使用済みであろうタオルが置いてあった。
部屋に戻ってからもしばらく泣いていたのだろうか?洗濯機にもっていってやろう。
俺はタオルを手に取り洗濯機へと向かう。
ユキ姉のタオルを洗濯機に入れてとりあえず自室に戻る。
階段の手前でユキ姉とすれ違う。
「ナツゥ、私のタオル知らない?」
「枕元にあった奴なら濡れてたから洗濯機に入れといたよ」
「!?」「あれに、触ったの?」
タオルのはなしをした瞬間、ユキ姉は挙動不審になり、顔を赤くする。
鼻水や涙でぬれたタオルなら触って当然だ。
恐らく、自室で泣いていることがバレて恥ずかしいんだろう。
「ごめんな、俺のせいであんなになるまで...」
「ううん、違うの、こっちこそごめん」「あんな汚いもの触れせて」
汚い?やっぱり泣きすぎて鼻水まで付いたということだろう。
「ユキ姉のだったら気にしないよ」
「そ、そうなんだ」「あ、ありがとう」
ユキ姉はさらに顔を赤くして、今にも泣きそうだ。
ただ、どことなく嬉しそうにも見える。そういう性癖か。
息子は何か嗅ぎつけているようだ。俺も変な性癖を持っているのか?
しばらく固まっていたユキ姉だったが、ゆっくりと洗面所に行った。
それを確認してから俺は自室に戻る。今日も今日とてゲーム三昧と行きましょう。
いつも思うがゲームをやっていると時間が経つのが早い。もう昼か。
1階から良い匂いが漂ってくる。コレは!
覚えている。コレはユキ姉の得意料理オムライスだ。
俺は急いで1階に降りる。
机の上には黄金に輝く小高い丘が2つ並んでいる。
「お、タイミングばっちりだね」
「ユキ姉のオムライスは絶品だからね」「急いでおりてきた」
「そんな、絶品だなんて」
「お世辞じゃないよ?」
「フフ、ありがとう」「じゃあ、食べよう」
約3年ぶりになるのか。数年前の思い出に浸りながら食卓に着く。
母さんがいないときはいつもユキ姉が作ってくれていた。
中でもオムライスは頻繁に作ってくれていた。
俺がべた褒めしたせいかもしれないが、本当においしい。
食べる度においしくなっている気がする。
ユキ姉は俺の食べているのを暫く眺めていた。嬉しそうだ。
今から食べようかとしたときにスプーンを落としてしまった。
ユキ姉はすぐに机の下に潜りスプーンを拾う。
だが、すぐには戻らなかった。スプーンを拾うだけなのに時間がかかりすぎだ。
どこか遠くまで飛んで行ってしまったのか?
ふと思い出す。今の今までユキ姉を見ていたから息子は起き上がっているはず。
急に鼓動が早くなる。考えただけでは恥ずかしくなる。
俺は恐る恐る声を出す。
「ユキ姉?」
「ひゃいっ!?」
「スプーン、あった?」
「う、うん、あったよ」「思ったより遠くにあったみたい」
「そ、それならいいんだけど」
「ちょ、ちょっと、洗ってくるね」
ユキ姉は勢いよく立ち上がり台所方へ走り出した。
だが、足を滑らせ転びそうになる。すかさず助けようと手を伸ばし身を投げ出す。
そんなものだからバランスもとれず倒れてしまう。
幸い俺が下敷きになったのでユキ姉の被害は抑えられた。
「いてて、ユキ姉大丈夫?」
「・・・」
返事がない。どうしたものかと顔を上げる。
最近見覚えのあるものがそこにはあった。ユキ姉のパンツだ。
ユキ姉の顔は息子の方に向いている。ちょうど、あの体位の状態だ。
感覚はないが俺の息子はものすごい進化を遂げているはずだ。
ユキ姉はそれをまじまじと見てしまっている。
俺もユキ姉のパンツから目が離せない。よく見ると真ん中らへんにシミのようなものがある。
それはじわじわと広がっているようだ。まさか!
成人向けの雑誌でたまにそんな描写があった。要するに潤滑液だ。
俺の息子も似たようなものを出す。今も出していると思う。
だが、なぜそうなる?俺の息子を見ているからなのか?俺は段々とパニックになる。
ユキ姉は再度立ち上がりトイレの方へかけていった。
暫くして俺も立ち上がり食事を再開する。
オムライスは冷めていた。
今回も読んでいただきありがとうございます。
最近、寒くなってまいりました。(投稿する前の日)
エアコンが必須の時期ですが喉がやられてつらいです。
負けじと頑張っていきますので。
よろしくお願いいたします。




