表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

現実はいつも夢から

作者: aciaクキ

これが初めて書いた小説です。

感想などでアドバイスなども書いてくれたら今後の参考にさせていただきます!

ただ誹謗中傷は控えていただけると幸いです

一話完結なのですが少し長めかも知れませんが最後まで読んでもらえると嬉しいです

最後の方、過激な描写があるのでご注意ください。


 ─────────────────────────────────────────────


この世には解明されていないことがたくさんある


心霊現象、超能力など人知を超えたもの、自然もそうだ


夢もまた、謎多きものの一つだ


これは2人の少年と少女の夢にまつわる物語…

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


俺の名前は竹浦夢汰たけうらうた、高校2年生。きっかけが何なのかわからないが、いつの日からか不思議な夢を見るようになった


夜寝ていると夢の中で夢を見ているという夢を見ることだ

もっとわかりやすく言うと、今いる俺が夢を見る、すると夢の中の俺も寝て夢を見ているということだが、わかるだろうか。何となくの理解で結構だ。

それだけでもよく分からないのに、ややこしいことに2つ目で見た夢は必ず現実になる。いわゆる正夢というやつだ。


「おはよう」

「よお、夢汰」


登校中、北条泰介ほうじょうたいすけと、挨拶を交わす

彼には正夢のことは話していない


「今日の数学の小テスト勉強してきたか?ちなみに俺はやってない

「それ、自慢げに言うことじゃないからな」


横並びで歩きながら正夢のことを考えた。

正夢を見るのは決まって大きな出来事がある場合だけだ。だから普段は見ないはずだ。

でも、昨日の夜は見てしまった。つまり、今日は重要な日である。


転校生がやって来る

名前は綾川玲奈あやかわれいな

容姿は黒髪ロングで、はっきりとした目をして、THE清楚って感じだ。

人当たりがいいのか休み時間にはたくさんの人がよってくる

だがそれ以外変わらない日常だった



「綾川玲奈です。皆さんこれからよろしくお願いします」


綾川さんが軽い自己紹介をし、その可憐さに男子たちが熱狂し、女子たちは見とれている。

休み時間になれば人が集まり、夢の通りに時間が進む。


「こんにちは、竹浦くん」

「!?こ、こんにちは…」


この展開は夢では見なかった。曖昧にしかわからないとはいえ、ある程度正確で間違ったことはなかった。多少の誤差はあるかもしれないがこんな大きな出来事が起こるなら見ないはずがない。


「ごめんね、驚かせちゃった?」

「い、いやそんなことないよ?」


正直驚いている。夢で見なかったことが起こるなんて今までなかったから。


「それなら良かった。ねえ、もしよかったらなんだけど…竹浦くんに学校の案内をしてほしいんだけどいいかな?」


「え、えっ!」


教室中からうそ、なんで?など驚きの声が聞こえてくる。


「嫌、かな?」


そんな言い方をされてしまっては断れない。仕方なく返事をし、俺は学校を案内してあげることにした。


放課後

俺と綾川さんは二人で校舎を歩いていた。 


「んで、ここが視聴覚室で、とりあえずは終わり」


「ありがと、竹浦くん。すごく楽しかったよ!」


「それは良かった。えっと、何か気になることとか質問はある?」

突然下を向いて黙り込んだ。


「綾川さん?」


「ねえ、竹浦くん」


「なに?」


「私の名前、玲奈って…聞いたことない?」


「え?」


思いもよらない発言に間抜けな声が出てしまった

質問の意図が読みきれずに黙っていると、綾川さんは顔を上げてまっすぐこちらを向き繰り返し問いかけた。


「本当に私の名前聞いたことない?」


綾川さんの顔は真剣だった。

それでも知らない俺はただ、知らないとそういう他なかった。


「そう…。突然変なことを聞いちゃってごめんね」


そう言って薄く笑う彼女の顔は悲しそうに整った眉をひそめて目をそらしていた。

その瞳の奥には怒りのような、憎悪のような、得体の知れないものがあるような気がした。


その日の夜、夢を見た。

正夢じゃない、普通の夢だろう。


でもやけにリアルで正夢でも見ているようだった。


俺はどこかの病室のベッドで横たわっていた。


「ご気分はどうですか?」


側には看護師が立っていて点滴を替えている。点滴のホースをたどると自分の腕に繋がっていた。


「意識、あんまりはっきりしてないのかな?私のこと分かる?」

「ぁ…」


声が掠れて上手く声が出なかった。


「は…ぃ」

「少しずつ回復してるみたいね。良かった。じゃあ先生呼んでくるから待っててね」


看護師は小走りで病室を出た。

程なくして医者と思われる男性が来た。年は50代ぐらいか。


「おはよう。気分はどうだい?」

「は…い、だい、じょうぶです…」


さっきよりも声が出た。

少し失礼するねと医者が言って目を見たり脈を測ったり調べ始めた。

一通り終わったのか椅子に座り直した医者が語りだした。

「意識もちゃんとあるようで安心した。じゃあ、早速で悪いけど君の身に何が起こったのか話そう。君は────」


目を開ける。目の前には自室の天井が広がっていた。


「ん、んん?あれ、どんな夢だっけ…?」


どんな夢だったのか上手く思い出せない。かろうじて病院で何かがあったとしか思い出せない。会話の内容なんて言うまでもない。


次の日、教室に入り席につくと綾川さんがやってきた。


「昨日はありがとう。それと、昨日は変なこと聞いてごめんね。できればあの会話は忘れてほしいな」


その顔は少し悲しそうだった。何か気の利いた言葉を言えれば良かったのに、俺にそんな言葉は出てこなかった。ただ、うんと頷くことしかできなかった。

その日は綾川さんが話しかけてくることはなかった。泰輔に理由を聞かれたが言えなかった。


それから何日かが経って、あの日のことも気にしなくなって綾川さんも話しかけてくれるようになった。正夢は度々見る。最近はちゃんと正夢と現実が合致していた。

きっとあの日は調子が悪かったのだろう。

そう思うことにしている。


ある雨の日の帰り道、一人で歩きで帰っていた。今日は放課後に委員会もあったからいつもは多くの人が待っているこの信号も今は誰もいない。

暗い雨の中信号が変わるのを待っていると体が勝手に前に出た。


否、押されたのだ


背中を勢いよく強く押されて成すすべもなく飛ばされた体の近くにはトラックがいた。

暗闇で鳴り響くクラクションの中すべてがスローモーションに見えた俺の横目にはあの人の姿と忘れていた夢の記憶が蘇っt


バンッ


ぶつかる音と想像に難くない鈍い音がしたあと意識は現実と夢で明確に分かれた



短かったような長かったような夢から現実に引き戻された。ピッピッピと音がした。目を開けると知らない天井が目に入った。


「!!目が覚めましたか!すぐ先生を呼んできます!」


誰か女性の声がしたかと思うと声の主はどこかへ行ってしまった。

すぐに別に男性の声がした。


「ああ、よく目覚めてくれた。良かった…。まだ意識ははっきりしてないようだな。心拍数も安定しているようだし。もう一度目覚めたら意識も戻るだろう。引き続き頼むよ」


そう言って男性はどこかへ行った。


「もう少し寝てていいからね」


その優しい声に甘えて俺は目を閉じた。

目を開けると白い天井が目に入った。


「ご気分はどうですか?」


側には看護師が立っていて点滴を替えている。点滴のホースをたどると自分の腕に繋がっていた。


「意識、あんまりはっきりしてないのかな?私のこと分かる?」

「ぁ…」


声が掠れてうまく声が出なかった


「は…ぃ」

「少しずつ回復してるみたいね。良かった。じゃあ先生呼んでくるから待っててね」


看護師は小走りで病室を出た。

程なくして医者と思われる男性が来た。年は50代ぐらいか。


「おはよう。気分はどうだい?」

「は…い、だい、じょうぶです…」


さっきよりも声が出た。

少し失礼するねと医者が言って意識の確認を始めた。

一通り終わったのか椅子に座り直した医者が語りだした。


「意識もちゃんとあるようで安心した。じゃあ、君の身に何が起こったのか話そう。君は――事故に遭った。トラックに轢かれたんだ」


そこまでの衝撃は受けなかった。夢で見たからだろう。


「衝撃を受けたかな?」


記憶にはない。おそらく強い衝撃で記憶が飛んだのだろう。あの夢が本当なら確認しないといけない事があった。


「事故、ですか?」

「すまない、嘘をついた。正確には殺されかけた」


やっぱりだ。本当に押されたんだ。多分、あいつに。

「犯人は、誰ですか?」


目処はついていた。でも信じたくなかった。

「まだわからない。出頭もしてないし見つかりもしていない」


妙に安心した自分がいた。あいつだと断定しなくて済んだから。

「今日はもうこれくらいにしようか。無理は良くない」


先生に従って今日はもう安静にすることにした。


次の日、親やクラスの友達がお見舞いに来た。目を覚ましたという知らせを受けて来たらしい。凄く嬉しかった。

でも気になることが一つ。

綾川さんのことだ。

今日は来てくれなくて、忙しいのかとも思って考えないようにしていたけど、ダメだった。気になってしょうがなかった


もやもやしたまま迎えた夜。もうとっくに面会時間が過ぎている。

俺は綾川さんのことを考えていた。あのとき俺を突き飛ばしたのは綾川さんだった。でもその顔はとても悲しそうで殺意があったとは思えなかった。

その時、俺が寝ている病室の扉が開いた。看護師かと思ったが、その姿に驚きを隠せなかった。

綾川さんだった。


「どうやって入ったんだ?」

綾川さんはフードを深くかぶってうつむいていた。


「…ん」


よく聞き取れず聞き返した。


「…ごめん」


顔を上げた綾川さんの顔は涙で濡れていた。


「どうして、泣いてるの?」

「私が、あなたを、殺そうとしたから」


俺は1番気になっていた事を聞いた。


「なんで俺を殺そうたしたの?」


しばらく黙ってポツリポツリと話し始めた。


「私の父親の本名は竹浦 一樹かずき

「えっ」


驚きで思わず声が出てしまった

だってその名前は俺の父親と同じだったから


「私の本当のお父さんはあなたの父親に殺されたの。私のお母さんに近づくため」


知らなかった。そんな話は聞かなかったしそんな素振りも見せなかった


「お母さんはアイツにお父さんが殺されたことは知らない。お母さんはお父さんが殺されたことで壊れたの。それからお母さんの心にできた穴に付け入るようにしてアイツが来た。そのせいでお母さんはアイツに付きっきり。もうお母さんを苦しめたくないの。だから本当のことも言えなかったし、アイツも殺せなかった」


ここまで言って綾川さんは話すのを止めた。その顔は辛そうに歪んでいた。


「だから…だから、あなたを殺してアイツに辛い思いをさせたかった。私が経験したのと同じような思いを」


その言葉には強い決意のようなものを感じた。綾川さんの想いに答えたい。

でも、それでも

「俺は、死ねない」


「そう、だよね」

沈黙が小さな病室を満たす。


「でも」

綾川さんと同じ立場に立ったことはない。でも、気持ちは分かったつもりでいる。だから俺は


「でも、やっぱりお母さんには真実を伝えるべきだ。お母さんが壊れる恐怖もわかる。けど、知らないままの方が嫌だと思う」


綾川さんはうつむいたままそうだよねと言った。


「協力するよ」

「え?」

「俺も無関係じゃない。綾川さんのしたことは未遂とはいえ人殺し、それは良くないと思う。どんな事情があっても」


綾川さんは口を結んでうつむいた

でも、と俺は続けた

「納得した」


「え?」


「綾川さんの事情はわかったし、納得した。完全に許したわけじゃないけど、その話を信じて協力するよ。そ

れに、その話が本当だったら、俺は父親を許せない。だから、協力するよ」


綾川さんは静かに泣き出した。静かな病室を彼女の安堵と嬉しさで満たした


数日後、俺は退院した

俺にはまだやることがある。善は急げ、俺は次の日に玲奈と待ち合わせした。

名前呼びなのは彼女に名前で呼んでと言われたから。あんまり慣れない。


今日は玲奈のお母さんに会いに行く日だ

俺たちの父親が俺の家にいる間に行く必要がある。俺は父親を上手く家に引き止め、今二人で玲奈の家に向かっている。


そういえば昨日、正夢を見た。昨日はいつもより長く寝たからか、かなり先まで夢を見た。

今日お母さんに話をすると、最初は取り乱すものの、玲奈が一生懸命慰めると、受け入れて、裁判にまで持っていった俺達が勝つ、という流れだ。断片的な夢だったとはいえ安心できる夢だ。うまく行き過ぎているとも感じるが…


1つだけ不思議に思ったことがあった。

それはお父さんが裁判で負けたというのにうちの両親が離婚したところまでは見なかったというところだ


「じゃあ、行くよ?」

玲奈から声がかかる。

考えるのをやめて家の前まで来ていた俺達は互いにうなずき合い、玲奈の家に入っていった


「た、ただいまー、お母さんいる?」


家の中は静まり返っていた

夢の相違、冷や汗が垂れるのを感じた


「とりあえず、入って」

リビングに案内されて、待ってて

と言われソファーに座る 

「お母さん探してくる」

と言って部屋ようとする姿を見て、強い胸騒ぎを感じた


バタン


何も言えないまま玲奈が部屋を出た。

それでも心配だった俺は玲奈のあとをつけることにした。

玲奈は2階に行ったようだった。

階段を登ろうとしたとき、女の子の短い悲鳴とともに

ドサッ

という倒れる音がした


「⁉何があった!」

反射的に顔を上げ、極度の不安からか汗が吹き出し、震えが止まらなかった


「無事でいてくれ…!」


気持ちを奮い立たせて急いで階段を駆け上がった。部屋を1つずつ開けていくと1番奥の部屋に玲奈がいた。うつ伏せで倒れていた

下のマットには玲奈の血が広がって綺麗な円を描いていた。


「れ…れい、な?」


信じたくなかった

衝撃で目眩がした。ゆっくり近づき、玲奈を抱きかかえる。しばらく玲奈の近くで静かに泣き続けた。彼女の心臓は止まっていた。

玲奈の手が横に伸びているのに気がついた。

その先を見ると―


「っ!?」


血みどろの女性がベッドに座っていた

顔はよく見えなかったがもしかしたら玲奈の母親かもしれない

二人とも、誰かに殺されたのだ


「うっ…」


胃酸が逆流しそうになったが踏みとどまった。


「…夢汰…か」


はっと後ろを向くとそこには父親がいた


「な…んで」


彼は狂気をはらんだ笑顔を浮かべると、どこから取り出したのか、ナイフを突きつけてきた


「は、は?ちょ、ちょまっ」


ザク


お腹を刺された


「ガッ」


無茶苦茶痛いのに声が出ない。


ザク


引き抜かれたナイフでもう一度刺された

血が辺りに飛び散る

彼はナイフを抜くと、俺は足の力が抜けてその場に倒れ込んでしまった

言葉にならない声を出したと同時に血を吐いた

窒息しそうな苦しさと刺された痛みと熱が脳を壊していく


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い


3人の血が混ざり、強烈な匂いが充満する部屋は文字通り地獄絵図だった。

彼が部屋を出ると、俺は最後の力を振り絞って自分のスマホで警察に電話をした。

助けて、とかすれた声で言った

伝わってほしいな…


ピー


1つの病室に機械音が響く

間もなく看護師と医師が入ってきた

様態は


心肺停止


昨日までは目覚めるかもしれないというところまでいっていたのに、突然の死。

原因は夢の中で死を確信したからだろう。でもそんな事実は本人ですら分からない。何年も寝ていたが、とうとうこの日、

竹浦夢汰が命を落とした。


夢汰の母親と父親がやってきた。二人とも泣き続けた。

遺体保管用の部屋で両親はずっと泣いていた。

「どうも、こんにちは!」


明らかに場違いな声に驚き、二人はすぐに部屋の出入り口を見た。そこには父親がいた。いや、正確には父親に酷似した誰かだった。

狂気的な笑顔をした男は明るい声で


「久しぶり、兄さん!」


と言った。

しばらく二人は呆然としていた。男は構わず話し続けた。


「標的は殺したし、全部話してあげるよ」

「ま、待て」


ん?と、なにか問題でも?という顔をする男


「俺に弟がいた覚えは無い」

「あぁ、そんなことか」


呆れたようなに鼻で笑い、狂気的な笑みを浮かべながら


「僕らは生き別れの兄弟さ。物心つく前に別れたから知らないのも無理はないよね。僕に兄がいるって知ったのは15年前のことでね、僕より幸せな生活をしている兄さんが憎く感じたからそれをぶち壊したかったんだ。そのために、まずは父親を殺したよ。僕が計画を遂行するのに別に邪魔だったわけじゃないけど、今までさんざん痛めつけられたからね。そこから10年ぐらいかけて入念に準備をした。結婚したって言うからね。ある程度成長したら殺して絶望の底に落としてやろうと画策してたんだ〜。結構たいへんだったんだよ?兄さんの名前を使って綾波家に取り入ったり、夢汰くんの通う学校に転入させるのだって苦労したんだから。玲奈ったら実のお父さんを殺した犯人を自分で突き止めたかのように色々頑張ってたみたいだけどね、僕が自分の本当の正体がばれない程度にヒントを転がして調整してただけなんだけどね。その頃にはとっくにあの家からいなくなってたから殺される心配はなかったけど。けどそこから夢汰くんの通う学校に転入するのは少し予想外だったな。おかげで近づきやすくなって、その上殺そうとしてくれるんだもん。感謝感謝だよまったく。ま、殺しそこねた上に夢汰くんに協力することになっちゃってたから殺したんだけどね。ふふ。いやーでも、玲奈の死体はひどいもんだったね。自分でやっておいてあれだけど、もうちょっと見栄え良くすればよかったかな?夢汰君の死体は体に傷はあるものの実にきれいなもんでしょ?まあ傷をつけたのは僕なんだけどね。はははっ!」


狂っている


それが最初の感想だった


人間のできることじゃない

そこにいるのは人間じゃなく、狂人にしか見えなかった


「ま、もう目的は達成されし、お暇させてもらうよ」


男はもう興味はなくなったと言わんばかりの顔で部屋から出ていこうとする


こんなイカれた狂人を世の中に放ってはいけない

今すぐに止めるべきだった。止めるべきだったのだ。

あまりの恐怖と理解の出来なさに足がすくんで動くことが出来なかった


そうこうしているうちに男はすでに部屋から出ていってしまっていた


二人はしばらく呆然と立ち尽くし、脱力したように崩れ落ちた


どれだけ経っただろうか。二人はそれぞれ、自分の気持ちの整理ができたのかお互いにうなずきあい、立ち上がると、夢汰の顔を見てから外に出ようとした


ピッピッピッ


ふとそんな音が聞こえた

二人はほぼ同時に振り向くがそこには夢汰の亡骸しかない

それでもまだピッピッと鳴り続ける

あたりを探してみるがそれらしきものは見当たらず諦めて帰ろうとしたとき


ピー


長い電子音が聞こえたかと思うと目の前ですべてのものが一瞬にして爆ぜ、それが爆発であると認識している頃には自分の身も焼かれてしまっていた


  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


目を開けると見覚えのある天井があった

とんでもなく長い壮絶な夢を見たような気がしていた

気がつけばツー、と目から涙がこぼれているのがわかった


夢の内容はとても気になるが、それよりも今日は大事な日であった

私はある男の子に合うためにわざわざ引っ越してきた

今日からその男の子が通っている高校へ行く日なのだ

さっさと学校へ行く準備を済ませ

急ぎ足で学校まで行く

期待と不安を胸に抱いて


私、綾川玲奈は教室の扉を開いた


──────────────────────────────────────────────


どうでしたか?

突然の展開に驚いた方もや気を悪くしてしまった方もいるかも知れません

気を悪くしてしまった方、すみません。

わかりにくい設定かもしれませんが、ぜひ夢汰君の能力を考えてみてください♪

ここまで読んでくれてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ