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勇者の血を継ぐ者  作者: エコマスク
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【46.5】 抜け荷の仕事

契約マッチの三試合目が決まるまでの間、リリアはお仕事。

負けてしまったので次の対戦相手が決まるまでちょっと期間があくのだとか…

仕事ははやり採取、護衛中心なりそうだが、最近では”Dead or Alive”、お尋ね者欄、行方不明者欄も務めて目を通している。

賞金稼ぎを生業としている冒険者と話をするが、密かに目標に近づいていき、決して正面切っての勝負が正攻法ではない意味で、リリア向けな気はする。


さておき、今回は北の国境近くの村に来ている。

荷馬車を護衛して気ままに移動しては、移動先で狩り、採取、ちょっとした人助け等をしている。勇者としての人助けは本当にささやか、地味だがリリアの能力としてはコツコツいくしかない。

一昨日この村に馬車護衛して来たが、昨日、今日は採取のバイト、ついでに鹿を二頭仕留めて、肉と皮でお小遣い稼ぎ。


近くで水浴びして村に戻る。宿屋に顔出すと、主人がリリアをにこやかに迎えた。

「やぁ、おかえり。おかげで良い肉が安く手に入ったよ、ありがたい」

「どうもどうも、自然が豊かだから恵も豊富よ。荷物置いたらキャラバンのキャンプサイトでご飯食べて来るわ」微笑むリリア。

「そうなのか?おれの食堂でよけりゃ、肉はただで出すぜ」

「そろそろ、馬車護衛して移動よ」答えながらリリアは廊下を去る。



「護衛?やるやる!お届け先は?荷物は?ここまで来た護衛は続けないの?」

柵がめぐらされ、商人達の馬車が停まり、出店を出している。日も暮れ、ちょうど食事時。

旅人、兵士達が食事に、飲みに集まりワイワイしている。

リリアも食事と交渉に来たが、意外に早く仕事が決まりそうだ。

リリアが荷物の事を聞くと、馬車主は黙って、馬車の後ろに回り幌からちょっと荷物を見せてくれた。

「… 全部武器じゃない。中古が多いみたいね」暗い中で、鈍く光っている。

「お姉ちゃん、こういういのは初めてかい? 言っとくが、監視所は通らない。山を密かに抜けて反対側で引き渡して解散だ」男が言う。

「ねぇ、これって違法なの?」リリアは聞く。やっぱり勇者として、違法行為や国の不利益になることは、加担してはいけない気がする。

「秘密だ… いちようはそうなんだが、半ば公然の秘密だ。俺も詳しくは分からんが、この武器はフリート側の反政府組織に渡るとか… まぁ、別に向こう側の武器屋に売ろうが、違法でもなんでもねぇよ。ただ、これだけの武器を運んで国境の監視所を通るとやっかいで時間がかかる。時には賄賂の為に言いがかりをつけられる、それだからだ。違法なら姉ちゃんに見せねぇだろ」

「… なるほどねぇ。引き受けるわ。今までの護衛は?」リリアの質問が続く。

「いるよ、ここからは特別護衛を増やすんだ。金は出す。ただしかなり危険だ。文明地外の山中で魔物も大型動物も多い。半ば秘密と知って賊も遠慮なく襲って来るぞ」

「気前がいいのはわかったけど… 割に合うの?」

「… おまえが心配するこっちゃねぇだろぅ、やるのかやらないのか?だ」

「そうね、経験としても面白そうね、やるわ。こう見えても弓はなかなかよ」リリアは自信を持って言う。

「よし、決まりだ。頭数はそろった。お姉ちゃん、飯まだなんだろ?あそこにいるのが俺たちの連れだ、一緒に食っていけ」

男が指さす方向を見ると、それっぽい連中がツマミで一杯やっている。


リリアがテーブルについて挨拶すると、

「ボス!この姉ちゃん護衛かよ!俺はまた、コンパニオンでも呼んで来たのかと思ったぜ」と、リリアには聞きなれた反応。

「今日は遠慮なく食べて、明日は遠慮なく仕事するわよ」リリアは笑顔で応じる。

月が明るく、明日も晴れそう。


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