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勇者の血を継ぐ者  作者: エコマスク
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【30話】 林の中の決闘

リリア、ペコ、アリスは林の外で合流。ペコから素早くブリーフィングが伝えられる

「アリスはすぐに馬車まで戻れる林の中で待機、薬、気付け薬持って。馬車の安全確保が最優先よ。通信はしばらく使わない。リリアと私で被害者を救出、最優先。賊は皆殺し、だけど出来れば一人は生け捕り」

「生け捕り?なんで?」何のためだろうか?リリアの疑問。

「説明は後、相手は6人でしょ?リリアの弓で最初に何人やれる?」

「二人… 上手くいけば三人…」

「… 二人ね。散開して待機するからリリアが二人やったところで私ファイヤー・ボールを打ち込む。相手は混乱するだろうから、後は状況に応じて始末よ。一人で二人づつ相手にしたら終わるわね。くれぐれも裸の賊より装備出来てる賊からやって。リリア、練習通りよ」

「アリスは戦わないの?」リリアが聞く。

「馬車は生命線よ、放置は出来ないの。質問が無いならいくわよ、アリスいつものお願い」

ペコが言うとアリスはペコとリリアにプロテクションと回復補助の魔法をかける。これで一定時間ダメージが少し減るのと傷が少しづつ回復する。

リリアも出来るだけポーションを持つ。

「リリア、顔真っ青だよ」ペコが指摘する。

「……怖いよ」ただ単に怖い、恐怖しかない。

「…… 準備が出来たなら行くよ、悪に滅びを」ペコが言うとアリスが付け加えた。

「神よ、正しき行いの我らにご加護を」



リリアとペコが散開して木陰で位置に着いた。手筈通りだ。賊は女性を暴行しているが、ちょっと問題発生、6人が8人になっている。

一人は女性を暴行中、それと一人は武装を解除している、残り6人は装備して行為を見ている。

“賊が増えている、どうしよう?”リリアは距離のあるところの木陰に隠れるペコを見る。

“このままGo!”のサインをペコがリリアに送る。

リリアはゆっくりと深呼吸… 森林の香に気づく… 少し落ち着くようだが手は振るえている。

弓を絞り半身になって木の陰から狙いをつける。手は震えるが、リリアなら正確に射抜ける距離。


「父さん、国民を守るリリアに勇気を。母さん武器を手にするリリアにお許しを。神よ、リリアにご加護を」

一矢一線、一人射抜かれて崩れ落ちる。

「誰だ!」「敵か!」

色めき出す賊の二人目をリリアの次の矢が射る、手際が良い。残り6人。

「矢だ、弓だ!」

「固まるな!散れ、散れ!」

「ぐっ! ぅぅぅ…」行為に及んでいた賊がうずくまる、確実な相手を狙った三矢目。戦えるのは残り5人。

「あっちからだ」

方角が割り出された、リリアは身を隠す。

「うわぁ!」「ぎゃぁ!」

矢が飛んできた方向と違う方法からファイヤー・ボールが賊を襲う。乱射しているが、賊を捉えている。さすがリーダーだ。

「こっちもいるぞ!」「囲まれたぞ!」一気に混乱させた。リリアが覗くと賊は残り4人だ。勝機が見えてくる。

ファイヤー・ボールが次々と賊を襲う。正確性に欠けるが、相手の気を散らすには十分。

ペコの攻撃から身を守るために木陰に潜む賊が見えるが、ここからは丸見え。逃すものか。

残り3人。賊も魔法と弓の飛び道具を使った二カ所からの攻撃と気づき始めた。

“甘い!もう遅い!”っと射かけるが冷静に行動を始めた賊を相手に残念ながらここから外しまくるリリア。場所もばれてしまった。

「あそこだ!女だ!」

3人が襲って来る。接近戦だ、賊三人ならなんとか粘れる。と、思ったらファイヤー・ボールが一人をなぎ倒す、残り二人。

二人がリリアに走り寄る。決死の形相だ!

“これでもくらえ!残り一人!”リリアも遊んでいたわけではない、ダガーの投擲を練習していたのだ。これを食らわせて1対1の剣なら確実にこのリリアが上よ!

「賊!くらえ!……… あら…」練習不足、力み過ぎ、ダガーは明後日の方向に飛んでいった… 賊二人が剣を手に走り混んでくる。リリアも剣を抜いて覚悟を決める。乱戦の始まりだ。

「リリア、粘って!練習どおりいくよ!」ペコが攻撃しながら応援に来る。

剣を手にした途端、バッタバタになってしまった。二人がかりはつらい、命がけの連中は練習とは大違い。相手は傷ついても致命傷でない限り死力を尽くして襲って来る。何故逃げるって選択肢を使わないの?執念って恐ろしい…

リリアもファイヤー・ボールを食らって転倒、負傷する。手筈どおりいかないじゃない!

「ペコ!ペコ!魔法はいいから!来て!助けて!」リリアが叫ぶとペコが剣を手に足り寄るのが見えた。


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