【52話】 パンツ野郎どもと契約マッチ第三試合と
契約マッチの三戦目、今回の契約の最終試合のためにラビと一緒にルーダ港に来たリリア。
今はリアルゴールド、ハンズマンのお偉いさん、勇者管理室のディルが出席するミーティング中だが…
今、ど憤慨するリリアの目の前に、お偉いさん達が下着姿でずらりと並ぶ…
変な光景…
ラビは笑わまいと肩を震わせ下を向いて一生懸命自分の足をつねっている。
ミーティングでは…
リリアモデルの売り上げ報告があった。ルーダ港を筆頭にパウロ・コート以外ではフルセットが15セット、レプリカ27セット、そして剣と盾はそれぞれ倍近く売り上げているそうだ。関係者もほっと一息の数字みたいだが、
「目標まで後、985セットです。ますます励みましょう」とか淡々としている報告者。
“985セット?… えっと、15の5の8の9… 1000セット? どんだけ目標デカいんだよ!無茶極まりない、最終学歴がウッソ村・調和の神教会のリリアでも無茶苦茶さがわかる数値だ、こいつら本当はリリアより教養が低いんじゃないのか!ってか、あたし絶対売り切るまで試合しきらないからね。30セットあたりでとっくに死んじゃうわよ”リリアは呆れるやら憤慨するやら。
対戦相手:グリーン・ローパー
人間の背と同じ高さになるジェル状のボディとその頭に相当する部分からやはりジェル状の触手が生えている魔物。グリーンは基本草食系魔物で、凶暴性は低いらしい。
「ローパー?あんまり一般には知られていな魔物だけど、また何でローパー?」
リリアの当然の質問。このためにローパーを生け捕りにしたなら、それだけで結構お金がかかっているはず。
「弊ギルドのアンケート調査では、女性勇者vs触手が最も見てみたい対戦カードで《以下省略》……… ですから、今回は特別にハンズマンさんの下着を着けて、外れやすく細工した鎧になっています」キャシィの説明、相変わらず長大な説明。ちょっと待って、今なんて言った?
「あたし、剥かれて下着姿になるの!冗談じゃないわよ!」今までの対戦相手もたいがいだったが、今回はスケールが違い過ぎる。なんだか路線から違う。脱線事故しているレベルだ!
「弊ギルドの調査ではリリア様の試合の… やられっぷりが人気の最大の要因でして… 勝敗よりも… 負け試合の結果より折檻される姿に… 調査では女勇者が触手に蹂躙されることは… 大衆の望みであり…」キャシィ、長い…
かいつまんで言うと、リリアモデルを売るために下着姿になれって事…
「やんない!絶対にやんない!ぜったいぜったいやんない、下着姿が必要ならキャシィやればいいのよ!」怒鳴り散らしてリリアは言い返す。
「恐れながら、契約者は私ではなく、リリア様でいらっしゃいますから…」冷静に言うキャシィにマスマス腹が立つ。
「百も承知よ!!だけど、試合をする契約だけど下着になるのは別よ!下着姿になる契約はしてないわよ!!あたし帰る、装備返す、今持っている全財産あげる。ピョン子帰るよ、ルーダ・コートに戻ったらリリアがフン詰まりなるくらい新鮮ニンジンサラダのLをご馳走してあげる、帰ろ、帰ろ!」リリアにしては理屈も通っていて前半はいい抗弁、ラビの手を引く。
「いけません、契約は契約です。この項目に… 試合中如何なる…途中省略 それに、30G程度では天文学的数値になるくらい違約金が足りていません」冷静に契約書を掲げてくるキャシィ。
「何が契約書よ!こんなもん!!」リリアは契約書を取り上げて破ろうと…
「そちらは、プロテクトの魔法がかかっております。絶対破ったり燃えたり紛失したりしません。あまり無理すると対抗魔法が発動… ほら、リリア様が痛い思いするだけです」
何を言っても無駄だこいつら、リリア以外の力が必要。
「ディル!あんたさっきから聞いてるんでしょ!あたしに品行方正って言うなら、こんな試合、国で許可出来ないでしょ!何かいいなさいよ」部屋の隅で黙って突っ立っているディルにリリアは噛みつく。まぁ、正論。
「平素よりリアルゴールド様より、支援をいただ… いえ、王国勇者管理室といたしましても、下着程度までならと許可をいたしまして…」ディルが伏目がちに言う。
“あいつ絶対今度目潰ししてやる…”怒り爆発のリリア。
リリアが無理に帰ろうとすると、その場のお偉いさん全員に立ち塞がれた。
押し合いへし合いしていると、怒りが絶頂に達してきてリリアが怒鳴った。
「わかったわよ!やりゃぁいいんでしょ!やるわよ!下着くらいでなによ、くだらない!その代わり条件があるわ。こっちも体張って死ぬ思いして試合してるのよ、その上、下着になれって言うならここに居る男全員下着姿で一発ビンタさせなさいよ!」
まぁ、リリアからしたら、傍から見るより大変なのよ、こんなバカげた事は辞めましょうと言った意味だったのだが…
急に部屋が静まりかえり、お偉いさんがヒソヒソと会議をし出した。
「……… や、言い過ぎたかなぁ… 相手は何だかんだ大きなギルドと国… ちょっとまずかったかなぁ…」リリアも急に不安になる。
リリアは平静を務めながらドキドキ待っていると
「了解、女勇者と触手の試合でリリアの下着姿が見れるのであれば…」と全員下着になりだした。
至る、現在。たまげた状況。
キャシィは中年の共の下着姿を食い入るように見ている。この欲求不満女!
ラビは精一杯笑いを堪える。
リリアも自分の事でなければ、指差して笑い転げるところだが、今は怒り爆発でそれどころではない。
“このエロ中年!どんだけ下着が見たいのよ!もうこうなったら焼けよ!こっちも言った手前絶対に引っ込まないからね!”
「バッチン!!バッチン!!」全員を全力ビンタのリリア。
“ふざけやがって!お前らこれでもくらいやがれ”リリアは憎悪を込め、腰を捻り、振りかぶり、腕をしならせてウルトラビンタを食らわせていく。
“試合中の痛みはこんなもんじゃねぇんだぞ!思い知りやがれ!”
「ビッタン!!!バッチン!!!!」
“体もほぐれてきたわよ!調子が上がってきた!!手首を効かせて!!!”
「ビッタン!!!バッチン!!!!」
「……… ディル!あんたはどうなの!リリアの下着姿見たいの!見たくないの!」
全員ビンタしてやったと思ったけど、部屋の隅で素知らぬ顔して立っているディルを見つけた。何を誤魔化そうとしてやがる!!
「…………………」
ディルは黙って列の最後に並ぶと無言で下着姿になりだした。
その澄ました感じのしたり顔がまたリリアの怒りを倍増させる。
「何が勇者は品行方正に!よ。あんたの品行方正はパンイチ姿か!」
すげぇ腹立たしいからリリアはディルだけ往復ビンタして股間を蹴り上げてやった。
「ピョン!お昼は二人で食べるよ!」と笑いを堪えて赤面しているラビの手を引くと
「思い知ったか!!このパンツ野郎ども!!」
と怒鳴りつけてリリアとピョンはさっさと部屋を出て行った…




