12
常餓猿鬼編、最終話です。
◆◆◆
――目蓋が、重い
全身がぐったりと重く、横になった身体を持ち上げるのが辛い。自分はどこかに寝かされているようだが、あの後どうなったのだろうか。
おとろしさんに身体を奪われて、猿の化け物を殴り続けていた辺りから先の記憶が曖昧だ。
「小寺さん、知っているんじゃないんですか。この子には何か、恐ろしいものが取り憑いている」
「そう言われましても、私自身彼にそんなものが取り憑いていたなんて先程までまるで知りませんでしたよ。私から見れば、この子はずっとごく普通の少年だった。霊的なものを見れるウチの息子の方がずっと特殊でした」
「ですが小寺さん、確かにこの子から現れたソレと私は会ったんです。彼から私への願いのとして受け取った『鈴』は使った途端に消えてしまいましたが……ソレが現れた途端に寺のロウソクが激しく揺れたり、何人もの人を殺してきた常餓猿鬼とはいえあんな惨い殺しかたは」
「常餓猿鬼の死骸は……また後でもう一度確認しましょう。この子の中に居るソレが危険な存在なのか、私はまだ測りかねている」
何か話し合う声が聞こえる。
たぶん一人は近くのお寺のお坊さんで、もう一人はアッキーのお父さん。
「ぅ………あ」
「! おい、お二人さん、起きたぞ!」
身体を起こそうとして、まず手から動かそうとしたが上手く力が入らない。辛うじて指先が少し動き、起き上がろうとして身体が僅かに傾いた。
「ケイ君、大丈夫か。起き上がれそうか」
「まさゆ、き……さん」
彼に謝らなければならない。
僕の判断ミスでアッキーを危険な目に合わせてしまった。
「ごめん、なさい」
「晃雄の事なら気にするな。あいつが死にかけたのは、実力差をわかった上で馬鹿をやったあいつの責任だ。最善は尽くしたんだろう? そのお陰で晃雄は今なんとか生きている。それだけで感謝してるんだ」
「……あっきー、は」
「大丈夫だ。傷は見た目ほど深くなかったそうだ。数週間もすれば退院出来る」
良かった。
アッキーが無事だった。それだけでどっと安心感が込み上げてきて、溢れてきた熱い涙と共にやっと目蓋が開かれた。
「あの馬鹿、旅館に向かおうとしてた常餓猿鬼を即席の結界を作って足止めしてたらしい。無謀なやり方なのは誉められた事じゃ無いが、そうやって友達を守ろうとしたって事は後で誉めてやらないといけないな」
正行さんと木崎さんと、お寺のお坊さん。その三人が優しい表情でこちらを見下ろしている。木崎さんとお坊さんはあの化け物と戦っていた時に出来た傷の手当てで絆創膏や包帯だらけだったが、元気そうな様子に安心した。
「さて、と……まだ元気は無さそうだが、獺魯士少年も起きたことだし今回の事件についてざっと話さないか」
「うむ、そうですね木崎さん。獺魯士くんも、耳を傾けてくれるだけで良いので大丈夫ですか?」
「だい、じょうぶ……です」
木崎さんが椅子を四つ持ってきて、その内の二つにお坊さんと正行さんが座る。「先生を呼んでくる」と言って木崎さんは一旦部屋を出ていき、暫くすると芳賀先生を伴って戻ってきた。
「獺魯士、具合はどうだ?」
「お医者さん曰く『疲れてるだけ』らしいですよ。ちょいとぐったりしてますけど、休んでいればすぐに良くなるって」
「そうなのか獺魯士?」
心配そうな表情で身体の調子を聞いてきた先生に小さく頷いて返す。先生は変わらず心配そうな表情のままだったが、木崎さんに促されて椅子に腰を下ろした。木崎さんは「喉が乾いたら飲めよ」と言って、僕の寝ているベッドの横の小テーブルにペットボトルのスポーツドリンクを置き、自身も残った最後の椅子に座った。
お坊さんは全員が椅子に座ったことを確認して、少し目を閉じた後に静かに口を開いた。
「さて、では今回の事件についてですが、最初に言っておきますが私自身も全てを把握できたわけではありません。また、私の話すことが全て正しいとも限りません。あくまで前提として考えられた可能性と、得られた事実から導き出した推測に過ぎない事を念頭に置いて頂きたい。宜しいでしょうか」
お坊さんがぐるりと皆の表情を確認する。
彼の言葉に対し、誰からも不満の声はあげられなかった。
「では……まずあの化け物が現れる数日前、海から流れ着いた金属片が私のもとに届けられました。錆びや藻がこびりついた、おそらく鉄だと思われる金属片です。木崎さんは覚えていますね?」
「ああ、俺が持っていったものだからな。本当に破片だけで元の形が何だったのかよくわからなかったが、錆びを剥いだら確かに鉄だった」
「はい。そして、村で最初の行方不明者が出たのがその次の日です。山へ山菜採りに出掛けた男性が一人、出掛けたっきり帰ってきませんでした。ですが、この時点ではまだ『常餓猿鬼』の話は出てきていなかった。山で遭難した可能性、熊やイノシシなどの獣に襲われた可能性、崖から落ちてしまった可能性など行方不明になる可能性は現実的なものが十分に考えられたからです」
お坊さんの話を聞き、芳賀先生の表情が険しくなる。先生は険しい表情のままぎりっと歯を食い縛り、身体を震わせながら膝の上でめいっぱい拳を握り締めた。
「先生、落ち着いて」
「小寺さん……わかってます、が。小寺さんの息子さんも、学校が今回の臨海学校を押し通したせいで……」
「全ては結果論に過ぎません。だから先生、今は落ち着いて話を聞きましょう」
「…………はい」
先生はまだ少し納得しかねている様子だったが、正行さんの言葉で軽く深呼吸を入れて心を落ち着かせた。肝試しに行った学生が帰ってこなかったあの日、先生二人に呼ばれて短い話をしたが、その時に言っていた『反対した』と言うのはきっとこの事を知っていたからなのだろう。
「ゴホン………ええ、そうしてですね、最初の行方不明者が出てからまた数日の間は何事も起きませんでした。行方不明になった方を探しに捜索隊も組まれましたが結局見つからず終い。金属片の事もありましたが、ただの漂流ゴミと考えられる事もあって常餓猿鬼の存在を考える人はごく僅か。そもそもが地元に伝わる昔話でしたから、その可能性を考える方がおかしかったのです。それからも行方不明者は居ましたが、海へ釣りに出掛けたり川遊びへ行ったりと、他の原因が十分に考えられるものばかりでした。流石に相次ぐ行方不明者に恐ろしい者を感じる人は多かったですが、それは人へと向けられたもの」
「でも、小霊寺中の臨海学校が始まった日から、な」
「ええ木崎さん。あれがはっきりと姿を表したのが、小霊寺中学校の臨海学校が始まった日。つい昨日の事です。あの晩、夜中の見回りをしていた先生方や旅館の警備員さんを掻い潜って肝試しに出掛けた生徒14人の内、9人が行方不明になったのは先生も知っていますね。ですが、この日の夜に村からも行方不明者が5人出たのです。無事に帰ってきた生徒の人数と同じ5人です」
ぴりりと部屋の空気が張り詰める。心臓が冷えていくような心地だった。
計画的なのだ。あの猿は僕たちが臨海学校でこの地を訪れる事を知っていて、そこを狙うためにそれまでの犠牲者を最低限かつ事故死と考えられるものに絞って自身の存在を隠し通した。そうして、『14人』を狙って殺害した。わざわざ逃げきった五人の埋め合わせのように村の人を殺してまで14人にした。
確かに自分があの猿と森で遭遇した時の様子から、人語を解している事はわかっていたが、いったい何処で臨海学校の情報を手に入れたのか。なぜ14に固執したのか。
「常餓猿鬼は、大陸から来た。そして一度退治されたが、何らかの理由によって蘇り、何かをしようとしていた。臨海学校までの犠牲者は身体を維持するためのものと考えて、あの夜に行ったのは全く別のもの。何かのメッセージだ」
「そうです正行さん。常餓猿鬼がやってきたとされる時代、大陸と言えば今の中国でした。中国において14という数字は『忌み数』とされています。『死を望む』といった悪い言葉を連想させたからです」
「そして、ヤツが積極的に人の前に現れるようになったのが今日。本格的に人を殺しに来た。それも臨海学校でここを訪れた学生を狙って」
木崎さんの言葉に力が籠る。
明確な怒り。終わってしまった事へのやるせなさ。
「俺も生きてるヤツを見た。確かに言葉らしきものを話してた。だが、本当にヤツにそれだけの知能があるなら、どうしてあんな事をしたんだ。鬼だから、化け物だからって単純な理由でこんな回りくどい事するか。ただ殺したいだけなら、昔話の通りに最初から殺し続けてただろ」
「それがわからないのです。誰かを殺したいにしても、何故わざわざこちらにメッセージを伝えるような真似をしたのか。結局あれは何を狙っていたのか。そこがわからない」
お坊さんはそこまで言ってううむと唸り、黙りこくってしまう。だが、彼等の話を聞いていて一つ、僕には心当たりのあるものがあった。
「僕に、心当たりがあります」
「! 大丈夫なのか、お前。無理するなよ」
「大丈夫です」
休んでいた事で楽になってきた身体を起こし、木崎さんが置いてくれていたスポーツドリンクを一口飲んで乾いた喉を潤した。
そして、ぽつりぽつりと話し出す。
「胆試しにいったメンバーが殺された夜。その日に同じく行方不明になっていた小寺くん達を探しに、僕は一人で山に入ったんです。そうして、殺されてた一人の遺体を見つけて、その場所であの化物と会いました。その時にあいつは僕を見て喋ったんです。カタコトで聞き取りにくかったんですけど、間違いなく人の言葉で『見つけた』って」
思い出してもゾッとする。毛の無い大きな猿が、木の上から此方を見下ろしてニタニタと笑っている姿。嬉しそうに、彼の遺体へと手を伸ばしてむしゃぶりついたあの瞬間。
明確な意思を、あの猿は持っていた。『食べる』事に喜びを感じていた。僕らを『狩る』事に楽しさを見出だしていた。
「ケイ君を、狙ってたのか?」
「わかりません。もしかしたら他の殺された学生にも同じような事をしていたのかもしれませんし、本当に僕を狙っていたのかもしれない。でも、確かに言えるのは、明確な意思を持って動いていたと言うことだけです」
「そうか……断言は出来ないが、たしかにケイ君が狙われていた可能性もあるな。理由を考えた時に真っ先に『おとろしさん』とやらの話が浮かんでくる。だが、判断が難しいな。また後でヤツの死骸を見に行かないとな」
正行さんのごつごつとした手が伸ばされ、わしゃわしゃと頭を撫でられる。中学生にもなってよしよしされている自分の姿を想像して恥ずかしくなり、目を細めていると彼から質問が投げ掛けられた。
「今はその、『おとろしさん』の気配を感じるか?」
「いえ、今は全く………」
「そうか。だが、また何かあったらいつでも相談しなさい」
彼の手が離れていく。彼は大丈夫だとは言っていたが、大怪我をしたアッキーの事で内心不安だらけのはずだ。なのに、僕にもこうして優しくしてくれている。それが申し訳無く、しかしまた嬉しくもある。
「今回の事件でわかった事はこれで以上ですかな」
「んー、まあそうだな。あの猿に関しちゃこれで終いだ」
「ええ……では、件の化け物についてはこれから小寺さんと再調査をして、結果が得られ次第連絡しようと思います。先生も、何か聞きたいことがあれば何なりとお聞きください」
「あぁいえ、此方こそ。オカルトに関してはさっぱりなもので助かりました」
「いやぁ、それにしては随分と用意が良かったのでは? まさか猟銃を持ってきていたなんて私も驚きましたよ。もしや、先生方はこの臨海学校で狩りでもするおつもりだったとか?」
「いえいえ。この学校に勤めることになった時にわざわざ免許を取らされたんですよ。特に理由も説明されず『ウチはこういう物が必要だから』って。まさか……こんな事になるとは思ってもいませんでしたが」
ひとまずの所、話は済んだのか別の会話が始まった。先生とお坊さんがなにやら学校についての話を始め、正行さんは『もう一度アレの死骸を確認してくる』と言って立ち上がる。
ふと木崎さんの方を見ると、彼もまた立ち上がり、椅子を片付けながら此方に視線を向けてきた。
「なあ、欲しいものとかあるか」
「えっ」
「疲れただろ。何だかんだ、最後に頑張ったのはお前だしな。ほら、遠慮すんな」
「いや、でも」
「んー、欲しいものって言うと広いか。じゃあ何か食べたいものとかあるか?」
彼はそう言って、『例えばチョコとか~、ケーキとか。ゼリーとかも良いよな。あと疲れてる時ってカップ麺が無性に欲しくなったりする』なんて例を挙げていく。遠慮した所で無理にでも欲しいものを言わせてきそうな勢いに、少し気圧されながらも口を開く。
「好きな食べ物なら……煎餅が良いです。お醤油味の、ごく普通のやつが」
「煎餅? 中学生の割にチョイスが渋いなぁ。ま、今から買ってくるよ。ついでに飲み物もまた買ってくるから。足りないだろ?」
「ありがとうございます」
「おうよ。そうそう、ガキはそれぐらい素直じゃなきゃな」
彼は僕の頭を乱暴に一撫ですると部屋を出ていった。いつの間にか正行さんはいなくなり、僕以外にこの部屋に残っているのは先生とお坊さんだけになる。
「アッキー、大丈夫かな」
何もする事がなくなり、急にまた彼の事が心配になった。正行さんはああ言っていたが、目の前であれだけ血を流している姿を見せられたのだから心配にもなる。
ベッドの横にあるテーブルの上に自分のスマホが置かれていたので、手にとってSNSのアプリを開いた。すぐには反応出来ないことはわかっているけれど、目が覚めた時にでも返信してくれたらと、アッキーとのチャット欄にメッセージを送った。彼の身体がすぐに良くなることを祈って。
メッセージを送り終えてスマホを閉じると、急に眠気が襲ってきた。思い返してみれば、昨晩からほとんど休み無く動き続けていた。まともな睡眠もとっていなかった上に、疲れも随分と溜まっていたのだから当然だろう。
布団を頭まで被りベッドに潜り込むと、視界は真っ暗闇に包まれる。暖かな暗闇は安心を感じさせるけれど、同時にあの山の暗闇も思い出させてきた。
ああ、思い出したくない。考えたくもない。だけれど暗闇から伸ばされた手が記憶をほじくって嫌な記憶を無理矢理掘り起こす。
だから、気付いてしまった。
気付かなければ安心していられたのに。
「(最初に部屋からアッキーを拐ったのは、誰だ?)」
その瞬間、全身の肌がぞわりと震えた。
布団の暖かさすら感じられないほどに、体温が急激に下がっていくような感覚。
「(……大丈夫、もう済んだ事だから。正行さんが全部解決してくれるはずだから)」
暗闇の中でぎゅっと身体を丸めさせ、目を瞑る。
そう、これはもう全て終わった事。
化け物はおとろしさんによって殺され、もう犠牲者が現れることはない。断片的であっても、化け物の目的についても推測が行われ、そして正行さんとここのお坊さんによって最後の調査が行われる。
だからもう、安心して良いのだ。
◆◆◆
「酷い状態ですね」
「いやはや、全くですよ。こんな、複数箇所で内側から食い破られたような死骸、普通は見ませんよ。それもここまで粉々になったのなんて尚更」
旅館を出た正行は、件の化け物の死骸を見に山の方を訪れた。既に旅館の従業員達によって死骸の回収作業が行われ、火ばさみで拾われた死骸の断片は次々と鉄製の箱に詰められて行っていた。
鉄製の箱は元々旅館に置いてあったものだ。年代物とかではなく、先祖代々の言い伝えで毎年新しい箱と入れ換えていたらしい。あの木崎とかいう男がこの箱を使いたいと交渉に行っていたと聞いたが、その交渉がすんなり通ったのはその言い伝えのお陰だろうなと正行は一人で納得した。
「……死骸に、フジツボですか」
「常餓猿鬼も長年海に浸かり続けるのには耐えられなかったって事でしょう。肌はブヨブヨ、毛もほとんど抜けきって代わりにフジツボがくっついたって所でしょうか。これじゃあ富士壺猿鬼ですね」
「あながちそれも間違いじゃないかもしれませんな」
「間違いって、何がです?」
「常餓猿鬼に、名前が変わるぐらいの変化があったって事ですよ」
この地域での伝承については既に聞いた。考えてみれば、不死身の化け物だって金属の箱に閉じ込められた挙げ句海に長年沈められていれば怪異としての在り方が変質する事もあるだろう。日の光が平気になったり、金属をそこまで恐れなくなったのももしかするとそれが原因であるかもしれない。
だから、『富士壺猿鬼』と言うのもきっと間違いでは無いのだろう。
だが、正行には一つだけ納得の行かない事があった。
本来自分の食欲を満たすためだけに人を殺す常餓猿鬼が、何故計画性を匂わせるようなやりかたをしたのか。それがどうにも腑に落ちなかった。
怪異としての在り方が変質したからだと言われてしまえばそれまでなのだが、特定の人間を探すようなやり方は変質が起きたにしてもあまりにも唐突過ぎる。
正行は、一連の事件の真相究明に加えて、この違和感の正体を突き止めるためにここを訪れたのだ。
注意深く散乱した死骸を観察する。
死骸は死骸だ。その形が異常だと言うこと以外に妙な点は無い。だが、数分程観察を続けていたその時、ふと視界の中に蠢く何かを見つけた。
「おっと、失礼。そこの死骸を少し退けて貰えますか?」
「ここのですか? ……退かしましたが、何か見つけたんです? って、うわっ」
不審がる旅館の従業員を他所に、火ばさみを借りて死骸の下に隠れていたそれを捕まえた。
「うぉ……」
「こいつが元凶か」
火ばさみに捕らえられ、ぐねぐねと身を捩らせるのは巨大なムカデ。ゆうに20センチはある巨大なムカデは、あり得ない程に色が無く、真っ白だった。
「アルビノってやつですよね? 珍しいもの見つけましたね。良いことあるかもしれませんよ!」
「良い事? まさか。こんな奴、百害あって一利なしですよ。普通、ムカデのアルビノはもっと黄色く濁った白をしているんです。こんな、不気味なまでの純白じゃない」
正行の顔が歪む。
掴んでいたムカデを地面に落とすと、即座に靴で踏みつけ、何度も念入りに足を捻ってムカデを擂り潰した。暫くして靴を退かして下を見れば、真っ白だったムカデは粉々に潰れて土と混じり合いヘドロのようになっている。
そして、呆気に取られたような顔で固まっている従業員の人達に顔を向けて言った。
「終わったら、お祓い、しましょうか」