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2人旅 1日目

 私小説風小説です。彼らの甘く切ない物語。最後までご覧ください。

 平成21年4月2日。待ちに待った2人っきりの旅行が始まった。

 場所は2人で話し合って決めた京都。午前10時過ぎ到着の電車で京都駅を降りた俺達は、これから始まる楽しい2日間にウキウキワクワクしていた。こんな気持ちになったのは、大阪にできたばかりの某有名テーマパークに初めて行った時以来だと思う。

 ちなみに、当初は兄貴&彼氏としての面子から、費用は全部俺が出すつもりだったんだが、俺達の将来のために残すべきだって千星に言われて、昼飯代だけ奢ってもらうことになった。



 京都駅から電車を乗り換えて、俺達が最初に向かったのは、十数年以上振りに来た時代劇をテーマにしたテーマパークだ。

 千星がまだ赤ん坊だった頃に来た当時は、訳も分からず楽しんでたけど、成長した今になって来てみたら、こういうのもあったんだという新しい発見がある。

 そう、例えば……俺が下級武士のコスプレをしたらダセェだけだけど、千星が大奥のような格好をしたら、立てば芍薬から始まる言葉を体現するぐらい綺麗ってこととか。


 そんな時代劇の世界観にどっぷりはまっていた俺達は、殺陣とかを見たあと、園内を散策した。

 その道中、俺はガキの頃にトラウマになりかけた物をみつけ、ちょっと悪戯したくなった。


「あ、千星、あっち見てみろ。面白いのがあるぞ」

 俺に言われるがまま右を見た千星は、突然目に映ったものに驚いて、俺に抱きついてきた。そりゃ驚くわな。結構リアルな人形の生首が急に視界に入ってきたら。

 千星がホラー系が苦手なのを知っててやった悪戯だけど、こいつは予想以上の結果だ。

 なにせ千星のデカ乳が、これでもかってぐらい押しつけられて、俺の体にピッタリと密着してるから。


(や、ヤバい、そう思うと、俺の()が……)

 心ん中でそう思ってると、ダチから


(翔馬君。下劣だよ)

 という的確なツッコミをいれられた。けど、しゃあねぇだろ。生理現象なんだから。

 てなやりとりをペガサスとしていると、悪戯の被害者である千星が俺の顔を見上げて、


「お兄ちゃん。わざと……だよね?」

 って聞いてきた。俺が笑ってから謝ると、千星は目を背け、頬を膨らませながら、


「お兄ちゃんの、いじわる……」

 って呟いた。そのかわいさの破壊力に、俺はキュンとし、軽く理性が吹っ飛んだ。


「……千星、押し倒していい?」


「だ、ダメだよ! こんなところじゃ人が来ちゃう」

 ごもっともな理由で拒否られて納得したものの、俺はがっくりと肩を落とした。

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