異世界転移編
「よく来た、エインフェリアよ!」
「え?何て?」
「貴様は神界のヴァン神族とアース神族の闘いを手伝うために人間界より連れて来られたのだ!」
「これ『ヴァルキリープロファイル』やってる時にも思ったけど、神側に『手伝って下さい!お願いします!』って頼む謙虚さが全くないよな。
『だが断る』って言ってみようかな?
死んだ後、闘い続けなくちゃいけないならヴァルハラより地獄の方がマシそうだし。
それにヴァルハラってイヤなヤツばっかなんだろ?
ロキとかフレイヤとか・・・」
「・・・手伝って下さい!
今アース神族劣勢なんです!
好きな武器と防具を差し上げますから~!」
「全く・・・最初からそういう態度なら手伝うのもやぶさかじゃないのに・・・。
何が『良く来た、エインフェリアよ!』だよ!
神界の入口に『歓迎!エインフェリア御一行様』って看板建てとけよ。
俺、そういう『なめられないように一番最初に、カマしとけ』みたいな態度が一番嫌いなんだよ。
お前は転校初日の転校生かっつーの!
・・・まあ良いや。
じゃあ、武器はエクスカリバーね」
「待って下さい!
普通、エクスカリバーを探して冒険するでしょう?
エクスカリバーを最初から持っててどうするんですか?」
「最初からエクスカリバーが手に入るなら、それに越した事はないだろ?
しないで良い苦労はしない方が良いじゃねーか」
「う~ん・・・
だからゆとり世代は・・・
『苦労は買ってでもしろ』って考える世代もあるのに・・・」
「合理的に考えると苦労はしない方が良いんだよ!
『部活中は水分禁止』って当たり前に言ってた根性論大好きの人殺し世代と一緒にするんじゃねえ!
そんな連中は『ワシが若い時分にはクーラーなんてなかった。扇風機で充分だ』って言いながら、脱水症状で死んでれば良いんだ。
お前らが子供の時代には『25℃以下だからプールは中止』って日が7月に何日もあったかも知れないけど、今は逆に『気温が高すぎてプールが中止』になったりするんだ。
昔と今じゃ気温も何もかもが違うんだよ!
お前の間違った認識が子供を殺すんだよ!
NHKに『躊躇なくエアコンを使用して下さい』なんて言わせてるんじゃねー!
お前みたいな態度のアホがいるからこそ、そんな事言わなきゃいけないんだ!
一人で勝手に死んでろ!」
「ど、毒を吐きまくりますね~。
わかりました、武器はエクスカリバーですね?
では次に希望の防具を言って下さい」
「防具・・・防具・・・そう言われてみると、有名な防具ってあんまりないな。
あ、一つだけ欲しい防具あったわ。
『ビキニアーマー』ね。
不思議だったんだよ。
何で裸同然のあの恰好で防御力が上がるのか?」
「わかりました。
『ビキニアーマー』ですね?
では、あなたのステータスを少しいじります。
当たり前でしょう?
せっかくエクスカリバーを手に入れても、ステータスやジョブ的にエクスカリバーを装備出来ないんでは意味がありません。
あなたが希望した『エクスカリバー』と『ビキニアーマー』を装備出来るようなステータスに変更いたしました」